前まではアスナはラン達の病気を知っていましたが、今は知らないことになっています。
Episode.22 驚愕
ユウキ「.....お、終わった.....?」
肩で息をしながらユウキは前を見る。
目の前にはCongratulationの文字。
それを見たユウキは何とも言えない感情が全身に駆け回った。
ユウキ「.....やった、やったー!うわーい!」
そのまま嬉しさのあまり、アートに抱き着きに行く。
無論、アートはそんな事知る由もなく、後々地獄を見るのは余談である。
アート「あぁ.....ホンット最悪.....」
ユウキ「うっ.....ご、ごめんなさい.....」
おっす皆.....元気-100倍アトパンマンだお.....
え?何があったのかって?
良かろう、説明してやる。(説明という名の愚痴)
あの後戦利品を確認していたんだ。
お陰でレアドロップもした。したんだけど.....
ユウキ「おにーーちゃーーーーん!!」
ユウキがタックルしてきた。
それがちょっとした攻撃になる。
その時の俺のHP、数ドットのレッドゾーン。トホホ.....
お陰でドロップ品が.....ああ.....
アスナ「げ、元気出して.....?」
アート「大丈夫。大丈夫だ。大丈夫な筈.....」
「「「「 こっわ!? 」」」」
後から聞くとこんな感じでブツブツと呟いていたそうな。
閑話休題。数分かけて元に戻った後、俺達はある場所に来ていた。
ラン「.....載ってる.....!」
勿論、黒鉄宮である。
ここにある石碑にはボスを倒した人たちの名前が刻まれている。
ラン。
ユウキ。
ジュン。
ノリ。
タルケン。
テッチ。
シウネー。
そして、俺とアスナ。
.....実のところ、此処に名前を刻んだのはこれが初めてだ。
ま、丁度良かったかもな。一回ぐらいこういうのしてみたかったし。
すると、ユウキが突然、話しかけてきた。
ユウキ「.....有難う。こんなにも助けてくれて。」
アート「何だよ急に。.....ま、当然のことだろ。
『手伝う』って言ったんだ。有言実行ってやつさ。」
アスナ「そうだよ。それに私達も結構楽しめたし。
また、このメンバーでボス攻略をしようよ!!」
それは良い考えだ。
コイツらとやるのは何気に楽しいからな。
ラン「.....それは出来ません。」
アスナ「?.....何で?」
ラン「スリーピングナイツは.....今日で解散です。
今まで助けてくださり、本当に有難うございました。」
そう言って皆はメニューを開く。
そのままログアウトのボタンを━━━━
アート「ちょっと待て。」
━━━━押させない。
俺にとって、ここからが
シウネー「.....何するんですか。私達は.....」
アート「それはお前らが重病を患わっているから、だろ?」
「「「 !!? 」」」
ラン「なぜ、それを.....?」
アート「それは後で説明する。
取り敢えず、ホームに行こうか。話はそれからだ。」
ユウキ「.....それで、何で知ってるの?」
ギルドホームにて。
ユウキが問いかける。
他のみんなも目を此方に向けてくる。
その目には疑問、そして恐怖が混じっていた。
.....大方、『それを理由に脅されるんじゃないか』みたいな事だろう。
その思惑をよそに、俺はハッキリと答えた。
アート「俺はリアルで医者をやっているんだ。その繋がりで知った。」
ラン「.....それでどうするんですか?私達を.....率直ですが、虐めますか?」
.....やっぱりか。
つーか、そんなに怖いのか。
余程、怖い思いをしたんだろうな。
.....だったら、尚更
アート「馬鹿。んなことする訳ないだろ。」
ユウキ「じゃ、じゃあ何するのさ。」
アート「よくぞ聞いてくれた!単刀直入に聞くぜ。
お前ら、まだ生きたいか?」