「うー.....終わった.....」
あー.....疲れた.....
これ全部倉橋先生の所で視てもらった方が早かった気がする.....ちくせう。
.....そろそろ、ボス攻略も終わる頃だろ。さて、戦果を聞いてみますかね。
アート「うーす、終わっt.....って誰もいない。」
早速ログインしたのだが、誰も居なかった。
あれー.....?計算違いだったか?
すると、テーブルの上に何かあったので取ってみた。
アート「これは.....伝言アイテム?...スゲー.....始めて見た。」
そのまま、アイテムを開いた。
すると、其処には.....
アート「.....は?闘いをギルドに観られてた?」
どうやらそのギルドの奴らがラン達の闘いを全て観ていたらしい。
.....成程。よく使われる手段だな。
つーか、そんな状況にも関わらずまた挑戦しに行ったのか。凄いな。
アート「.....こりゃ、早く行った方が良いな。」
少し懲らしめてやるか。
そう言うと、俺はすぐに
ユウキ「はぁ.....!」
アインクラッド最前線。
ユウキ達は今、さっき話したギルドと戦っていた。
彼女達が着いた頃にはもう既に大勢のプレイヤーが待ち構えていた。
普通なら諦めるのが一般的だが、ランとユウキは.....
ユウキ「ぶつからなきゃ伝わらない事だってあるよ。ね、姉ちゃん?」
ラン「そうですよ。所詮当たって砕けろって奴です。」
という風に諦めなかった。
その言葉は今のアスナに一番当てはまる言葉だった。
彼女は今、母親といざこざを起こしている。
理由は簡単。ALOだ。
VR空間に囚われたと言うのに、未だにそれで遊んでいたらそりゃ目を見張る物があるだろう。
アスナはVRの利点を伝えたかったが、無理だった。
だからこそ、当てはまったのだ。“ぶつからなきゃ伝わらない”、と。
その言葉のお陰でユウキ達と共にギルドに挑む事を決心したのだが.....
アスナ「くっ.....増援か.....」
ここに来てギルドの増援メンバーがやって来た。
自分がくよくよしていたせいで。と後悔したが、直ぐに立ち直り.....
アスナ「皆。この層は無理かもしれない。
だけど、次は必ず皆で倒そう!」
「ん?.....全く.....往生際が悪いな.....」
一方、此方はさっき言った増援メンバー。
その内のリーダー格の男がイラつく様に呟く。
「...............。」
そして、一番後ろに居る
彼らは驚いたかと思うと一瞬微笑み、そのまま━━
「「.....フッ!」」
━━
そのままメンバーを越えて、俯きながら着地。
そして黒い少年は剣を突き立て、白い少年は肩に担いでゆっくりと前を見た。
「よし、間に合ったな。」
「だな。しかも、途中でお前と出会すとは.....
ま、今回は良い意味で、だが。
.....さて、悪いな、お前ら。」
「此処は.....」
「「通行止めだ!!」」
「「「「!!?」」」」
アスナ「キリト君!!それにアート君も!!」
最強の援軍が到着したようだ。
すると、アートはランの方へ振り向き、こう言った。
アート「待たせたな。少しだけ待っといてくれ。
ラン「!!..........はい!」
「おいおい、先生方よぉ!
いくら、あんた達でもこの数は無理があるんじゃねぇか?」
キリト「さぁ?試した事が無いから分かんないな。」
アート「いや、出来るだろ。..........多分。」
キリト「そこは自信を持って言おうか。」
そう言いながらも彼らの顔には笑みが浮かんでいた。
.....キリトは苦笑いだったが。
「そうかい。.....なら、今ここで試させてやるよ!!
メイジ隊!魔法準備!!」
部隊長の掛け声と共に魔法が召喚されていく。
しかし、二人はただ見ているだけだった。
アスナ「キリト君!」
流石に危機を感じたのか、彼に駆け寄ろうとした。
だが.....
アスナ「.....!」
彼の肩に居る
その証拠に二人共、此方を見てしっかりとした笑顔を浮かべていた。
.....アートは笑顔と言うよりゲス顔、という方が合っていたが。
閑話休題。兎に角、彼らに策があることは分かった。
「よし!行けぇぇぇぇ!!」
そして、魔法が発射。
そのまま色鮮やかな魔法彈は、
ドガァァァ!!
大きな爆炎となった。
煙が晴れ、彼らの目にに映ったのは.....
「「..........。」」
武器を持ったまま笑みを浮かべ、傷が一切無かった勇者達の姿だった。