Diavolo Bianco   作:artisan

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今回はちょっと過激かな.....


Episode.14 堕天使

ラン「ユウキなんか大っ嫌い!!」

 

スリーピングナイツのホームで一人の怒声が響いた。

そして、直ぐ様彼女は勢いよく飛び出していってしまった。

 

 

ユウキ「こっちもお姉ちゃんなんか大嫌いだもん!」

 

ユウキもユウキで機嫌が悪くなっている。

何故こんなことになったのか。それはある一つの話題から始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウキ「アートへのプレゼント?」

 

最初はそれから始まった。

なんでも最近お世話になってばかりなので何か役立つ物をあげよう、という事らしい。

それにユウキは、

 

 

ユウキ「うん、良いね!あげようあげよう!」

 

嫌な顔をせず、喜んで賛成した。

賛成したのだが.....

 

 

 

 

 

ユウキ「よし!じゃあ、アートに聞いt.....」

 

 

ラン「ユウキ!」

 

 

ユウキ「へ、な、何?」

 

 

ラン「今、直接聞こうとしたでしょ?」

 

 

ユウキ「う、うん。そうだけど.....」

 

 

ラン「折角だからサプライズで渡しましょ?そっちの方が良いと思うの。」

 

と、ランは自分の意見を言った。

しかし、これにユウキは.....

 

 

ユウキ「えー.....それだとアートの好みが解らないじゃん.....」

 

という風に反対した。

最初は軽い言い争いだったが.....

 

 

ユウキ「もう!何でボクの言いたい事が解らないの!?」

 

 

ラン「それは此方の台詞よ!!」

 

このように段々エスカレートしてしまったのである。

そして遂には.....

 

 

ラン「ユウキなんか大っ嫌い!!」

 

と、彼女は飛び出してしまった。

因みにギルドメンバーは呆気にとられている。

 

 

ユウキ「こっちもお姉ちゃんなんか大嫌いだもん!」

 

そして、ユウキも追い掛けずにそっぽを向くだけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラン「はぁ.....」

 

溜め息を吐く。

ランは今、近くの森まで来ていた。

こういった自然が多い場所に来ると、例えVRでも落ち着くのだ。

 

 

ラン「何であそこまで言っちゃったんだろう.....」

 

ランは深い後悔を感じていた。

今思えば何故あんなにエスカレートしてしまったのだろうか。

 

 

ラン「私はアートさんにもっと楽にしてほしかっただけなのに.....」

 

はぁ、ともう一度溜め息を吐く。

.....そういえば、と彼女は思った。

 

 

ラン「(私、アートさんの事になると変だなぁ.....)」

 

実際そうだった。

ここのところ、ランは彼を直視出来なくなっていた。

前に皆で特訓をしたときにアートではなくアスナと一緒に特訓したのもそれが原因である。

 

 

ラン「.....!私ったら何を!?.....ダメダメ。こんな事考えてる場合じゃない。兎に角ユウキに謝らn.....」

 

その言葉は最後まで続かなかった。

理由は一つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラン「ぐ、う.....?(麻痺.....?.....何で...?)」

 

自分が()()()()()()()()()()

頑張って顔を動かすと腕に矢が刺さっていた。

何故矢が。そう思っていると.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「ケヒヒヒヒッ!まさかこんな大物が釣れるとはなぁ!」

 

 

?「今日はツイてるねぇ!」

 

 

?「ホントだよぉ.....!『舞姫』ちゃんが居るなんてぇ.....!」

 

前から三人の男が歩いてきた。

何が起こっているのか戸惑っていると.....

 

 

?「ケヒヒッ!まだ解らねぇって顔してるなぁ?おい!教えてやれ!」

 

 

?「安心してください。僕達と()()()()()()()()()()。」

 

その言葉で解ってしまった。

今から.....

 

 

ラン「(嘘.....そんな.....)」

 

今、着々とランに危険が迫る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウキ「はぁ.....」

 

数分前。

一方ユウキも深い後悔に囚われていた。

 

 

ジュン「全く.....元気出せよ。」

 

 

シウネー「そうですよ。そんなユウキ見てると私達が元気を無くしちゃいますよ。」

 

 

ユウキ「うん.....」

 

そうは言っても。

あんな喧嘩はした事が無い。

そのせいでどうやって謝れば良いか解らなかった。

その悩みが解ったのか、ノリが話し掛けた。

 

 

ノリ「別にそんな悩む事は無いでしょ。」

 

 

ユウキ「.....え?」

 

 

ノリ「流石にあんな喧嘩は見た事無かったけど.....

そんな事関係無いじゃん?アンタ達は凄く仲良いし。

直ぐに仲直り出来るって。ね?」

 

そんな彼女の言葉にユウキは.....

 

 

ユウキ「.....うん。そうだよね!

.....解った。ちゃんと謝る!」

 

いつも通りのユウキに戻った。

この様子に皆は苦笑する。

後はランを待つだけ。

しかし、ふとアスナが一つ疑問を思い浮かべる。

 

 

アスナ「そういえばアート君は?ランちゃんが飛び出していってから帰って来てたよね?」

 

 

タルケン「そういえばいつの間にか居ませんね.....何処に行ったんでしょうか.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「わぁ.....ホントにランちゃんだぁ.....!俺ファンなんだよね.....」

 

三人の男の内の一人がランに近寄る。

そして男は舐め回すようにランを見た。

 

 

ラン「ぅ.....」

 

声を出そうとするが麻痺のお陰で呂律が回らない。

本当に油断していた。こんな所に来なければ、と後悔する。

すると、リーダー格の男が、

 

 

?「おい、そろそろ始めようぜ?正直もう我慢出来ねぇんだわ。」

 

 

?「ええ。それに、そっちの方がもっと楽しいですしね?」

 

 

?「確かにそうだねぇ.....じゃあまずは.....」

 

そういって男はランの手を掴み、メニューを開かせた。

そしてそのまま、『設定』を開く。

 

 

ラン「ぅ、ぁ.....(まさか、本当に.....!?)」

 

そう思っている間にも男達はどんどん作業を進めていく。

そして、『倫理コード』の部分をタップし、そのまま解除の所を押した。

 

 

ラン「ぐ、ぁ.....(誰か.....)」

 

もう一度声を出そうと頑張ってみる。

しかし、結果は変わらない。

そして.....

 

 

?「さてと、準備出来たな.....おい、お前先にヤっていいぜ。」

 

 

?「え、良いのぉ....?」

 

 

?「遠慮せずに。さ、早く。」

 

 

?「う、うん。.....ランちゃぁん。怖がらなくて良いからねぇ.....?」

 

 

ラン「く、ぅぅ.....!(お願い、誰か.....)」

 

男がランの服に手を掛けようとしたその時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如、謎の声と共に何処からかナイフが男に飛んできた。

 

 

?「うわぁ!?」

 

間一髪、男は後ろに引いて避ける事が出来た。

続いて、男達は飛んできた方向を見る。

其処に居たのは......

 

 

 

 

ラン「ぁ.....!(アート、さん.....?)」

 

ランはアートらしき人物を見てから、そのまま意識を失った。

 

 

 




皆に言っておこう。
次は絶対にスカッとするぜい!

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