「ふんふふんふふーん♪」
「危ないぞー。」
今日はいつもよりも.....いや、いつものように機嫌が良いユウキ。
ただ違う事があるなら、今日はアイも嬉しそうな事ぐらいか。
まぁ、そう言う俺も今日は楽しみにしてたからな。あまり人の事は言えない。
「お、ショウじゃないか。」
「おはようございます!」
と、交差点に入ったところで右から和人と明日奈が歩いてくる。
.....ホントに仲良しだなぁ。他人の事言えないけども。
そういえばだが、コイツらとリアルで会うのはあのパーティー以来になるな。ずっとALOでしか会ってなかったからそういう雰囲気がしないけども。
「お前らも学校.....だよな。一緒に行くか?」
「じゃ、お言葉に甘えて。ラン.....じゃなかった、アイとユウキも良いか?」
「全っ然大丈夫だよー!」
「大丈夫ですよ。大勢の方が話も和みますし。」
という事で、彼等も一緒に学校へ行く事になった。
いやー、なんか良いな、こういうの。今までずっと朝早くに一人で出勤だったからな。初々しいわ。.....あ、そういや俺の仕事が何か言ってなかったな。俺は今も医者を続けてるんだ。と言っても外科医だけど。因みに病院名は“琴葉外科クリニック”。シンプルな方が好きです。(謎の報告)
「.....なぁ、ショウ。」
「んあ?なんだね和人君?」
「その言い方ウゼェ.....じゃなくて。お前、スーツなんか着てどうしたんだ?いつも着て行かないだろ?」
.....確かに。疑問に思うよな。ま、別に隠す事も無いし、話しても良いか。
「まぁ、教えてやるよ。俺は━━」
「何の話してるのー?もう学校着いたよー?」
「「!」」
え、と思い、前を見ると既に学校が。.....あ、そういえば学校は近かったっけ。
んじゃ、読者の方々にはヒントを出そう。
俺は未だ19歳だが、それでも大学は卒業したし、言ってしまえばもう大人だ。
なら、大人が学校で子供に対してやる事はなんだろうな?
*
「んあー.....授業かぁー.....」
「さっきまでのテンションは何処に行ったの.....?」
朝礼が始まる前の、ある教室。
其処で、項垂れているユウキを見て苦笑するアイが居た。
この2人、普通の高校生よりも数が多いクラスの中で、奇跡的に一緒のクラスになったのだ。しかも、上の階には和人に明日奈、それに
「.....そう言えば、今日、新しい先生が来るんだって。」
「新しい先生ー?」
新しい先生と聞いて、何故かショウを思い浮かべる。
いや、そんな筈は無い。彼は医者で忙しい.....と思うから。
「おーい、HR始めるぞー。」
「.....いつもの先生じゃん。」
「アレ.....?」
結局いつもの担任が来た事に疑問を思いながら席に着く。
ただの噂話だったのだろうか。それとも.....
「席に着いたな。HRを始めるぞ。
の前に、今日より新しい副担任が着く事になった。.....入ってきてくれ。」
いや、間違いではなかった。担任ではなく副担任だったのか。
扉が開けられ、其処から入ってきたその人物は━━
「どうも。今回から副担任を務める事になりました、
「「!?」」
━━やはり、彼であった。