魔法少女リリカルなのは  二人の黒騎士(凍結中)   作:孤独ボッチ

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 時間が掛かりました。
 これでA`Sは終了です。
 結構駆け足したんですが…。

 それではお願いします。


第52話 未来

           :美海

 

「管理局に入って貰えないだろうか」

 この長官とかいう爺さんは、ふざけた事を言った。

 まあ、予想しなかった訳じゃない。

 だけど、やっぱり思う。

 は?管理局に入る? 

 何言ってるの?

 私は呆れながらも、冷ややかに爺さんを見た。

「アンタ等のお陰で地球が大分危なかったんだけどな?」

 飛鷹君も冷ややかにそう言った。

 どうやら彼も私と同感らしい。

 世界の危機だったにも拘らず、海鳴で避難した人達は大らかだった。

 オーロラが見れたと喜んだらしい。

 日本でもニュースになった。

 正確な報道はされなかったけど。

 それでも、一歩間違えば滅びの危機だったのは、確かなのだ。

「言いたい事は分かるよ。残された我々に責任がないなどという積もりは毛頭ない。

 だが、秩序の維持は必要な事だ。それを正しく全うする事が償いになると信じて

いる。それぐらいしかないんだがね、実情は」

 長官とかいう爺さんが苦々しくそう言った。

「それと勧誘してるのは…」

「勿論、ここにいる全員に対してだよ。夜天の騎士達に君も無罪放免とは流石に

いかないが、管理局への協力義務を数年付けるだけに出来るだろう」

 私の確認を遮って、爺さんが答えてくれた。

 やっぱりそうか。

「重要な事だ。今すぐ返事を貰おうとは思わない。ゆっくり考えてみてほしい」

 私が丁度断りの返事をしようとしたのを、察知したように爺さんが私の言葉を遮る。

 流石に経験豊富な事で。

 しかも、話はここまでといった雰囲気を持たせる事で、即断りをさせなないばかりか、

しつこく迫って好感度を下げるのも回避したな。

 本題はそれだけだったようで、私達は退室する事になった。

 すぐ客を帰すのもなんだと思うけどね。

 

 まあ、居たくないからいいか…。

 

 

           :飛鷹

 

 アッサリと向こうが引き下がり、面会は終了した。

 もっとしつこく勧誘してくるかと思ったけどな。

 組織の立て直しが必要ってのも分かるけどな…。

「もしかして、リンディさんは今回の話、知ってました?」

 何気ない感じで綾森がリンディさんに尋ねた。

 リンディさんは苦い顔で首を振った。

 知らなかったか。

 管理局員だから、長官が言っていた事も分かるけど、このタイミングで勧誘っての

も納得してない感じだな。

「ごめんなさいね。突然、こんな話する事になってしまって…」

 リンディさんは申し訳なさそうに謝った。

 なのはやフェイト、はやてが慌てたように気にしていない事を告げた。

「それじゃ、サッサと出よう」

 綾森はマイペースだった。

 なのは達がフォロー中だったにも拘らず、ぶっちぎりやがった。

 で、帰ろうとした時、シグナムが綾森の前に立つ。

「残りは我等の決闘だな」

 シグナムがそんなことを言い出した。

 そう言えば、そういう約束があったよな。

「今からやる?」

 全てが終わったらやるという約束だったが、結局のところリインフォースを助けた後、

解散してしまい。

 決闘を遣らなかったんだよな。

 守護騎士達も何も言わなかったから、忘れてたぜ。

「今やるくらいなら、リインフォースが助かった段階で主張したさ。騎士ならば、万全

の敵を倒してこその誉だ。回復したら教えろ。その時こそ決着を付けよう」

 綾森は半眼で頷いた。

 その様子は呆れているようでもあった。

 お人好しだとでも思っているのだろう。

「分かったよ。そっちがそれでいいなら、そうしよう」

 綾森は外人みたいに肩を竦めて言った。

 だが、直後に綾森の肩に手が置かれる。

「忘れるところだったわ。なら、お話は出来るわよね?お話しましょうか?」

 リンディさんがにこやかに綾森の肩を掴みながら言った。

 顔はにこやかだが、オーラがどす黒い。

 

 抵抗も空しく綾森は連れ去らせていくのを、俺達はただ見送っていた。

 

 

           :シグナム

 

「それで…ホントに私等も参加せんでええの?」

 主が不満そうに言った。

 我等を家族として考えてくれるからこそだと分かっているが、今回ばかりは我等の

因縁だ。

 主に助けて貰う訳にはいかないし、リインフォースもこれには関係ないので遠慮して

貰った。

 ようやく年も明けて、ヤツの体調も整ったらしい。

 連絡があった。

 正々堂々と決着を付けてくれる。

 私は勿論、ヴィータもシャマルもザフィーラも決闘に向けて調整は万全だ。

 小細工はなしだ。

 全力でぶつかるのみ。

 

 不満気な主とリインフォースと共に家を出る。

 いよいよ、始まる。

 

 

           :美海

 

「本当に私も加勢しないでいいんですか?」

 リニスが何度目になるか分からない、質問をしてくる。

 いくら私の守護獣になったとはいえ、あの連中との因縁は前世の話でリニスは関係

ない。

 手を貸して貰う義理がないし、必要もない。

 体調も戻り、決闘に耐えうる状態にようやくなったから、連絡するとやる気満々な

返事が返ってきて、今日に決闘を行う事に相成った。

 決闘にははやては勿論、なのはやフェイト、それに飛鷹君も来る。

 立会人という程、大袈裟じゃないけどね。

 私は特に気負う事なく家を出た。

 あまりに緊張感なく家を出たので、リニスが思わす私を見送りそうになった程だ。

 慌てて付いてきたけど。

 それで先のセリフになる。

「負けると思ってる?」

「いえ…。そういう訳じゃありませんが…」

 心配してくれているのは、分かってるよ。

「だったら、任せてよ。前世にいたバケモノに比べたら、あんな連中くらい楽なもん

だよ」

 私に槍を教えてくれてくれた雷帝の弟とか、剣の館にいた師匠とか、化物揃いだった。

 チートを鼻にかけてた私の鼻を見事に圧し折ってくれた。

 相手をしたヤツにも化物だったヤツはいた。

 アイツとか。

 それに比べれば、楽と言ったのは嘘じゃない。

 病み上がり?みたいなもんでも。

 それでテクテク歩いて決闘の場所へと辿り着いた。

 ここは公園内でも基本誰も来ない高台である。

 程よくスペースもある。

 海が見える為、物好きなカップルが来るくらいだ。

 高台には、もう守護騎士連中が待っていた。

 腕時計を確認しても、まだ約束の時間30分前だ。

 フェイト達まで勢揃いしている。

 まあ、私もアップしようと思ってたから早く来たんだけどさ。

 流石に私のアップくらいは待ってくれるようなので、のんびりとやる。

 赤いハンマーがなんか舌打ちしているが、無視だ。

 終わった事を告げると、フェイトとなのは、それに飛鷹君まで結界を張る。

 そんな厳重にやらなくていいんだけど…。

 そんな事を考えつつ、騎士甲冑を纏う。

 剣は雷霆剣を選択した。

 つくづく精霊鋼で出来ていたあの剣を呑まれたのは、惜しい。

「それでは、私、リインフォースが決闘の立会人を務めさせて頂きますぅ」

 ちっちゃくなったリインは、まだ話し方が治らず顔を顰めていた。

「はやてちゃ…主がコインを投げて、地面に落ちたら開始とします。いいですね?」

 守護騎士連中と私は異論なしと頷く。

 はやては緊張した面持ちで、コインを弾いた。

 空中でクルクルとコインが回り、地面に当たりコインが跳ねる。

 

 私は一気に加速して間合いを詰める。

 それだけで発動した湖の騎士の風の戒めを置き去りにしていた。

 準備してたのは分かってたから、回避なんて楽なもんだ。

 そして、セオリー通り鉄槌の騎士が突っ込んでくる。

 いくら凄腕の魔導騎士とはいえ、得物が戦槌では攻撃パターンは丸分かり。

 戦槌を躱し、カウンターを入れずに通過。

 舌打ちが聞こえる。

 カウンターを入れようとしたら、自在に攻撃出来る烈火の将が私に攻撃する算段

だったのだ。

 つまり、承知の上で鉄槌の騎士は囮になった訳だ。

 更にそれで終わりじゃない。

 自由度に置いて烈火の将を上回る盾の守護獣が、殴り掛かってくる。

 私はゴツイ拳の勢いを利用して、守護獣を投げ飛ばす。

 背後から迫っていた2人に向けて。

「「「っ!!」」」

 咄嗟に後ろから迫る2人の動きが鈍る。

 守護獣の方も投げられたからといって、地面に叩き付けられる前に身体を捻って、

足から着地して投げのダメージを回避した。

 その隙で十分。

 私の狙いは湖の騎士なんだから。

 ここまでで一瞬の出来事のように、湖の騎士は感じている筈だ。

 あくまで騎士といっても、後方支援に特化しているヤツだから。

 その一瞬でガードが居なくなり、自分が無防備な状態になって、湖の騎士が目を見開く。

 だが、向こうも伊達に騎士を名乗っていない。

 動揺を一瞬でねじ伏せて、防御魔法を展開する。

 当然、デバイスの関係で風の属性魔法。

 私はそれを見た瞬間に背を向けた。

 私は既に魔法を放った後なのだ。

 私が振り返れば、丁度3人がこちらを攻撃するところだった。

 アッサリと私が3人に向き直ったので、背後からの援護があると思っただろう。

 だが、私は難なく反撃に転じた。

 背後からドサリと音が聞こえた。

 湖の騎士が倒れたのだろう。

 私が放った魔法は窒息乱流(ナイトロゲンストーム)

 風に護られている自分が、まさか窒息するとは思わなかっただろう。

 風を操ろうが、酸素濃度が計れる訳じゃない。

 地味だが、私は結構重宝している魔法なのだ。

 守護騎士はプログラムではあるが、人間と同じく呼吸もするし、存在している時は人間と

変わらないのだ。

 私の一閃を守護獣が獣の形態に戻って躱す。

 アンタは最初からそうすべきだった。

 人形態の武術に自信があるが故に、戦う時に人化する。

 守護獣が着地する前に、地面から魔法の鎖が放たれ守護獣を拘束する。

 ストラグルバインド。

 ミッド式の魔法だが、リニスの教えが役に立った瞬間だ。

 ご自慢のパワーは、魔力に寄るところが大きい。

 簡単に抜け出す事が出来ずに、守護獣が戸惑っている。

 そこに同時に前衛2人が守護獣の救援に入る。

 だが、向こうは大技は使えない。

 拘束された守護獣、気絶した湖の騎士が巻き込まれる。

 その為に乱戦に持ち込んだんだから。

 私は戦槌を振りかぶった鉄槌の騎士を、剣の一閃で牽制して戦槌が振り下ろされるタイミング

を遅らせる。

 手首を返し、剣を引き戻すと同時に鉄槌の騎士の腕を取り、烈火の将の盾に使うと、一瞬に

して関節を極めて破壊した。

 普通なら戦槌がすっぽ抜けるところだが、平然と片手で保持している。

 流石に歴戦の騎士だけあって声一つ上げずに、片手で戦槌を振り下ろそうとする。

 この細腕でも見た目に騙されてはいけない。

 魔力強化された腕力は、あのマッチョな守護獣に負けないのだ。

 だからこそ、威力が期待出来なくても当たれば骨くらいは折れてしまうだろう。

 だが、私は動かない。

 狙いは見えている。

 目の端に烈火の将が、回避予想位置にスッと移動している。

 それでも鉄槌の騎士は、動揺も見せずにこっちを潰しにくる。

 雷霆剣に電光が走ると同時に、剣が消えたと錯覚する程のスピードで動いた。

 引き戻した剣の存在は覚えていただろうが、こっちも近距離。

 頑丈な自分なら耐えられると思っていただろう。

 だが、とんでもないスピードで放たれた斬撃は、近距離にも拘らず鉄槌の騎士の残った腕ごと

頭に振り下ろされた。

 凄まじい衝撃音が響く。

 それでも倒れない。

 私は腕を破壊した腕で、(フェン)を籠めて掌底を打ち込んだ。

 鉄槌の騎士も流石に口から空気を吐き出し、吹き飛んでいった。

 そのタイミングで、烈火の将の剣が迫るが、雷霆剣に阻まれた。

 鍔迫り合いもなく、両者距離を取る。

 烈火の将は苦い顔だ。

 もっと早く救援に入る積もりだったのだろうが、私が早過ぎた。

 

 さて、残り1人。

 

 

           :飛鷹 

 

 綾森が強いとは知っていた。

 二つ名を持つヤツはバケモノだと言っていたが、本当の事だな。

 守護騎士も強いが、アイツは自分の土俵に立てば別次元な強さだ。

 本当に一瞬と言っていい高速戦闘で、あっと言う間に守護騎士3人が戦闘不能になった。

 残るはシグナムだけになってしまった。

 それにしても…騎士ってイメージの戦い方じゃないな。

 誰かが、勝つ為なら剣も投げるし、噛み付きもするなんて言ってた気がしたが、まさになんでも

ありなやりようだ。

「ああ、それは綺麗すぎる平和になってからの考えですね」

「!?」

 俺は思わずビックリしてリインフォースの方を見てしまった。

 どうも声に出ていたらしい。

「そうなのか?」

 なんか漫画読むと、ベルカってそういうイメージだったんだが…。

「はい。飛鷹さんのイメージ通りの方もいらっしゃいましたが、大体は生き残る為に必死の時代

でしたから、略奪もしましたし、目潰しや卑怯といわれるような事もやっていたのですよ」

 リインフォースは、自分のあやふやな記憶を思い出すように言う。

 その所為か、ちょっと自信無さ気な感じだ。

 でも、言われてみれば当然かもな。

 勝たなきゃ全て失うような時代だもんな。

「でも、立ったまま関節技とかやるんだな」

「それは態々戦場で寝っ転がる騎士なんていませんよ」

 俺の言葉に苦笑い気味に、リインフォースが言った。

 俺が納得して頷いている間に、勝負が動いた。

 

 シグナムが鋭い踏み込みで、綾森に迫ったのだ。

 将というだけあって、シグナムの剣技は鋭く強い。

 しかもとんでもなく速い。

 歴戦の勇士って感じだ。

 一方、綾森はといえばそれ程速いとは感じない。

 にも拘らず、気付けば流れるように動いていて、シグナムの剣を受け流している。

 シグナムが一方的に攻めているが、全く攻撃が通じない。

 綾森は余裕でシグナムの剣を捌いている。

 まるで達人が胸を貸しているような図だ。

 千日手になっていたが、シグナムが攻撃の手を止めた。

 綾森もその隙を突いて攻撃に転じたりしない。

 シグナムも何故攻撃しないなどとは訊かない。

 綾森も何も言わない。

 

 暫くの静寂の後、シグナムが剣を上段に構えた。

 あれは…紫電一閃か?

 だが、綾森の構えは相変わらず変わらない。

 シグナムが神速の踏み込み。

 やはり紫電一閃!

 でも、実際本気で放たれた一撃は、剣が霞むように掻き消えるように見えた。

 まさに一撃必殺。

 金属が擦れるような悲鳴が()()()()()

 気付けば2人は一撃を放った姿勢のまま、交錯を済ませていた。

 だが、シグナムの手にレヴァンティンは握られていなかった。

 レヴァンティンがどうなったか考える余地もなく、レヴァンティンが天から落ちて地面に

突き刺さった。

 綾森の構えから推測すると、おそらく綾森は上段からの斬り込みに下段から斬り上げたのだ。

 技は綾森の方が遅かった筈だ。

 にも拘らず、競り勝ってしまう剣技。

 圧倒的な差だった。

 シグナムが素早く拳を握り締め、振り返り殴り掛かる。

 綾森は背を向けたままだ。

 拳が容赦なく綾森の後頭部を振り抜こうと迫る。

 だが、その拳は空を切った。

 再びの交錯があったのだ。

 綾森は剣を振り抜いた姿勢で残心。

 シグナムはゆっくりと前のめりに倒れ込んだ。

 起き上がる気配はない。

 俺は無意識に拳を握り締めていた。

 何が起きたのかは、大体の想像が付く。

 シグナムが拳振るった時には、綾森は振り向きざまにシグナムの胴を薙ぎ払ったのだ。

「それまで!決着を見届けさせて頂きました。勝者・綾森美海!」

 リインフォースが冷静に宣言し、決闘は終了した。

 

 そして、目を覚ました守護騎士達に敗北した以上、今までの事を水に流す事を誓わされ、

ザフィーラ以外の守護騎士は渋面になっていた。

 ここまでボコられたら、異論は言えないだろうしな。

 気持ちは分かるよ。

 

 

           :美海

 

 私の圧勝から数日。

 お正月を迎えて、穏やかな日々を送っていた。

 守護騎士連中は、思いっ切り不満そうだが、今までの事は水に流して忘れる事を誓った。

 まあ、表面上はどうにかするだろう。

 向こうも歳は無駄に食っている訳だし。

 ユーリは目覚める気配はない。

 アリシアも相変わらずだ。

 こっちもアリシアの事もあるし、調べてみた方がいいのかもしれない。

 上手くすれば、目を覚ます方法を見付けられるかもしれない。

 管理局が出来ない以上、私が介入する事も視野に入れないといけない。

 あっちに任せて、何もしてないし。

 管理局と言えば、回答を迫られてたっけ。

 管理局への答えは、私の方は決まっているので、呑気に家で餅を食べていたりする。

 真剣に悩んでいるのは、フェイト達4人だろう。

 フェイトは受けるのかな?

 私も薄れているとはいえ、流石にフェイトが管理局の執務官になった事くらい覚えている。

 だけど、こっちには異物が2人もいるし、管理局プレゼンツの嫌な思いもしたから、どう

なるか不明だよね。

 あの子の事だから、リンディさんに義理立てする可能性もある。

 リンディさんといえば、あの後猛抗議だった。

 相手にして疲れたが、あれだけ本気でフェイトの事を考えてくれるなら、やった甲斐も

あっただろう。

 なんにしても、あの子の決める事だ。

 私はそれを尊重する。

 これから関係を解消しないといけなくなろうとも。

 そしたら、アリシアの事くらいは関わった責任として、どうにかしよう。

 

 夕方。

 自宅でまったりしていると、家の電話が鳴った。

 当然の如く、私は出ない。

 母上が電話を取る気配がした。

「美海ちゃ~ん!フェイトちゃんからお電話よ!」

 うん?なんだろう?

 特に約束もしてない。

 私は怪訝に思いながらも電話を代わった。

『もしもし、美海?フェイトです』

 緊張した声が受話器から聞こえる。

「うん。で?どうしたの?」

『今からちょっと時間あるかな?』

 何やら深刻な様子だし、私は承諾して電話を切った。

 母上と父上に出掛ける旨を伝える。

 リニスには、キチンとフェイトが話があるらしいから出掛けると伝えた。

 夕方でも日が落ちるのが、早い。

 空から雪がちらつき始めている。

 これは長々話せそうにないな。

 待ち合わせ場所へ早足で急ぐ。

 到着すると、フェイトがアルフを連れて待っていた。

 アルフは最近習得した子犬フォームで、犬の散歩に偽装しているようだ。

 こんな色の犬がいるのだろうか?

 バレないみたいだし、海鳴だし、みんな気にしないんだろうな。

「ごめんね。呼び出して…」

 フェイトが申し訳なさそうに言った。

 私は気にしてないと手を振って応えた。

 このまま立ち話する訳にもいかないし、歩きながら話す事にした。

「それでどうしたの?」

 フェイトが言い辛そうにしているので、私が促してやる事にした。

 フェイトは決心したのか、私を見て口を開いた。

「私、管理局、入ろうかと思う」

「そうか…」

 そうなるんじゃないかとは、思った。

 色々と可能性を考えていたが、リンディさんの事を考慮しない子じゃないから。

 私は口を挿まない。

「管理局にダメなところとか、怪しい部分があるのは、()()()()()()() から

聞いてる。だからこそ、私で手伝える事があるなら、やりたいと思う」

 母さんか。

 順調に絆を構築出来ているみたいだね。

 安心した。

 もう、私が関わる必要はないだろう。

 この子は、もう本当に私なんて必要ない。

「だから、美海にも手伝ってほしいの!」

 はっ!?

 私は思わず何言ってんの!?って目で、フェイトを見てしまった。

「ああ!勘違いしないでね!頼りっぱなしにはならないから!寧ろ支え合いたいって

いうか…」

 あわあわパニック状態になっているフェイトを見て、私は冷静さを取り戻せた。

 自分以上にパニックになっている人を見ると、冷静になれるって本当なんだね。

 流石は未来の執務官。

 私を落ち着かせるとは、やるね。

「レヴィもそれを望んでるって思ったんだ」

 パニックの果てに、なんか意外な名前が出て来たよ。

「レヴィが私に力をくれたのも、レヴィ自身がもっと美海と一緒に居たかったから

なんじゃないかって思うんだ。レヴィ、言ってたよ。美海の料理食べたかったって。

 多分、私がこの先も美海と一緒だと思ったんじゃないかと思う」

 アイツ、ディアーチェの激ウマ料理食べてたのに、私の普通飯食べたかったのか?

 色々と謎なヤツだ。

「それに、私が管理局に入ったら、美海は私達と距離を置くつもりなんじゃない?」

「……」

「だと思った。美海ならけじめは付けるだろうと思ったよ。だから、管理局じゃなくて

私が大変な時に手を貸してくれないかな?リンディ母さんの話だと、嘱託魔導士って手

があるんだって!嘱託魔導士は管理局の職員って訳じゃないから、嫌なら仕事を断る事

も出来るんだって」

 いやいや、あっちだってそんなので手を打つ筈ないよ。

 私の言いたい事が伝わったのか、フェイトが更に言葉を重ねる。

「だから、交渉する。私が入局する代わりに、美海は一協力者扱いにしてって」

「いや…、別に私に気を遣う必要はないよ。いざとなればなんとでもなるし」

 フェイトが私のセリフを聞いて、顔を曇らせる。

「それって、また私達と距離を置くって事だよね?」

「まあ、それが妥当でしょ?」

 フェイトはやっぱりと言わんばかりに、溜息を吐いた。

「私はそんなの嫌。美海は言ってくれたでしょ?後悔しないようにって。私は美海と

一緒にいたいの。リンディ母さんやクロノ、アリシア、勿論、なのは達とも」

 随分と強い眼光だこと。

 これは頷くまで終わらない感じかな?

「私、欲張りになるよ」

「そっか。でも交渉はしなくていいよ」

「でも!」

 私はまあまあと宥める。

「確かにね。ずっと敵のままにしとくのも面倒だしね。自分でやるよ、交渉」

 ただし、嘱託の線は譲る積もりはない。

 これでも、弱小国の王様やってたんだ。

 飲ませてみせるよ。

 って、だったらフェイトの申し出も断れよって感じだけど…。

 この子が関わりたいと決めた以上、私も頑張らないといけない。

 フェイトだけだと、なんだか普通に身動きとれなくなってそうだし。

 引き続き関係継続なら、手を貸さない訳にいかない。

 どうも信用が出来ない組織に感じるし。

「私は交渉するから、フェイトは管理局を少しでも居心地いいとこにしといてよ。

 そうすれば、入局する未来もあるかもしれないしさ」

「うん。約束する。一緒に頑張ろう」

 フェイトは少し仕様がないなって顔で頷いて言ってくれた。

 そこからはただ雪が舞う中を、2人で無言で歩いた。

 

 どうも、この子のお願いに弱くなってきたような…。

 これは気にしてはいけない事だろう。

 取り敢えず、そう思う事にした。

 

 

           :飛鷹

 

 決闘から数日、正月を迎えていた。

 本当なら、リインフォースは消える筈だったが、今回ビックリな姿で無事だ。

 それは目出度い事だし、はやてにとってもいい事だ。

 なのは達は結構頻繁に携帯で話して、管理局の件を相談しているようだ。

 何故、ようだなんて表現になるかというと、俺は参加していないからだ。

 あの決闘は、俺にも覚悟を決めさせた。

 本当なら胡散臭い管理局の謀略からなのはを護る為、俺も不本意ながら入局

するしかないかとか、考えていた。

 だが、()()()()()()()()()()

 俺がなのは達と並ぶ為には、何もかもが足りない。

 それでもなのは達のサポートは、出来る限りはする積もりでいる。

 なのは達が入局しようとしまいとだ。

 

 俺は庭でアバン流の剣の型をなぞっていると、母さんが俺を呼びに来た。

「浩介。アンタに電話よ。なのはちゃん」

 俺は無言で頷いた。

 もしかして、用件は管理局の件かもしれない。

 電話に出ると携帯が繋がらなかったから、家に掛けたと言われた。

 そういえば、携帯部屋だわ。

「ちょっと、遅い時間だけど、今から会えないかな?」

 なのはの真剣な声に、俺は予感が的中した事を覚った。

 

 待ち合わせ場所に行くと、既に雪がちらつき始めていた。

 そういえば、原作でも進路の話をする時、雪が降ってきてたな。

 なのはは先に待っていた。

 男としては先に着いていたかった。

 ここらも俺がまだまだな証拠なのかもな。

「済まない。待たせちまって」

 俺が声を掛けると、なのはは全然と首を振った。

「待ってないよ。私がもう表を歩き回ってただけだから、先に着くのは無理だったと

思うよ?」

 なんでもさっきまでフェイトと一緒だったらしい。

 それは無理だわな。

 俺は苦笑いする。

「で?どうした?」

 俺は本題をズバッと聞く事にした。

「うん。私、管理局、入る事にするよ」

 もう決心は固まっているんだな。

「かなり怪しい感じだぞ?」

「分かってる。でも、リンディさん達と知り合っちゃったんだもん。放っては置けない

よ!」

「それは管理局員じゃなくて出来るんじゃないのか?」

「ううん。それだと今回みたいに仲間外れにされちゃうよ」

 仲間外れか。

 妙な言い方だけど、言いたい事は分かるな。

「だから、関わらないとダメなんだ。それにね!夢が出来たの!」

「夢?」

「そう!伝えたいんだ。私の魔導もシュテルの魔導も」

 シュテルのも?

 なのはは俺の言いたい事を察したのか、言葉を続ける。

「うん。シュテルが私に力をくれたのも、美海ちゃんの助けになってほしいっていう

部分は勿論、伝えたかったんじゃないかなって思ったの」

 確かに。

 聞いた話だと、なのは相手に手加減する余裕まであったらしいからな。

 それ程の力の持ち主なら、受け継ぎたいと思ってもおかしくはないか?

「だから、管理局がおかしいんなら、それを直す手伝いをしたいの。私の夢はそれから

かな?」

 結構、遠い道程だな。

 原作以上に。

「それで、飛鷹君はどうするの?最近、全然お話してなかったから、気になって…」

 それがなのはの方の本題だったんだな。

「俺は…入らない。今はな」

「今は?」

「そうだ。今はだ。今の俺じゃ、なのは達の隣には立てない。だから、修行しようと

思うんだ。士郎さんには、実はもうお願いして、OK貰ってるんだ」

「ええ!?」

 なのはが驚く。

 実は俺から口止めしてたんだ。

 自分の口で説明したいからって。

「本格的にやろうと思う。今の俺じゃシグナムに勝つ事さえ難しい」

 まして、守護騎士を全員相手取る事など不可能だ。

 だが、綾森はそれを簡単にやった。

 最後の戦いは魔力量の関係で苦戦していたが、手段を択ばなくなった綾森は、手を

借りたとはいえ、殆ど自力で解決した。

 俺がどれ程の役に立ったのか。

 その問いの答えが修行をする必要がある、だった。

 それも本格的にだ。

 今までが温過ぎた。

 諦めるなんて考えていない。

 どうなるか不透明になってきたストライカーズを乗り切る為にも、ここは腰を据えて

望むべきだと思ったんだ。

 それよりも前に、なのはの撃墜は起きるかも気になるが、どっちにしても力がいる。

「だから、追い付くから。待ってくれないか?」

 なのはは、仕様がないなぁとでもいいたげに苦笑いした。

「1つだけ言わせて。飛鷹君が居てくれたから戦い抜けたと私は思ってるよ」

 嬉しい事言ってくれるな。

 だが、なのはは1人でもきっとやれただろう。

 それでも…。

「ありがとう」

 俺の言葉になのははどう致しましてと返した。

「待ってるから」

「ああ。追い付くさ、絶対に」

 俺達はそれから並んで帰った。

 なのはを送って行ったのは言うまでもない。

 

 そして、高町男衆に前倒しで修行させられて、ボコボコにされた事も言うまでもない。

 

 

           :はやて

 

 電話でなのはちゃん達と話した。

 2人は、もう決めたようやった。

 私も2人の言葉を聞いて決めた。

 グレアム小父さんの事もあるしな。

 なんや、私の所為で随分肩身の狭い思いしとるらしい。

 シグナム達は自業自得や、言うとるけどな。

 私は感謝しかない。

 経緯がどうあれ、最後には私の為に動いてくれた事は間違いないんやし。

 それに王様の願いもあるしな。

 

「主。考え事ですか?」

 突然、声がしてビックリしてもうたわ。

「すみません。何度も声は掛けたのですが…」

 シグナムが申し訳なさそうに言う。

「いや、ええんよ。こっちこそ、ごめんな。で?何?」

「管理局の事を考えていらしたのですか?」

「まあな。でも、決めたで」

 シグナムが私の表情から何か読み取ったのか、顔を顰めた。

 私の言葉が聞こえたのか、リビングにいた残りのみんなも集まってくる。

「入るのですか?」

 シグナムが代表で訊いてきた。

「うん。一番の親玉が無事いう時点で、危険やいう事は分かっとるよ。でも、多分、

逃げられんと思うんよ」

「御望みとあらば…」

「管理局から逃げ切れるん?シグナム達かて今回は家がバレんように、頑張ってた

んやろ?本気出した組織相手じゃ、逃げる事なんてでけへんよ」

 みんなの顔が曇る。

 私は慌てて手を振って、みんなの所為やないと言うた。

 管理局もこのまま物理的に逃げたら、追ってくるやろうし、そしたらグレアム小父さん

にも迷惑が掛かる。

 事によると、なのはちゃん達にも迷惑が掛かるかもしれへん。

 みんなともキチンと友達になったしな。

 そんな不義理はでけへん。

「それにな。癪やん」

「「「「「癪?」」」」」

 私は頷いた。

「逃げるやなんて、負けたみたいやん。キチンと罪を償って、みんなで護らなあかん。

私は今回護られるだけやったけど、今度は私がみんなを護る番や。なのはちゃん達の為

にも、美海ちゃんの為にもな」

「アイツの?」

 ヴィータ、顔に不満が滲み出とるで?

 負けて悔しいんは分かるけどな。

「美海ちゃんには、王様の魔法は夜天の魔導書に取り込んでもろうたからな。私も王様

の力を受け継いだと言ってええと思う。なら、王様の想いを汲んでやらなな。

 なのはちゃん達もサポートしたいと思うし」

 なのはちゃん達の下りは、みんな肯定的やな。

 まあ、こればっかりは時間掛けなな。

 2人は現場志望やし、私は2人のサポートとして幹部候補生っていうのになろうと、

思うとる。

 美海ちゃんは私自身も友達になったと思うとるし、何より王様が最後まで心配しとった

からな。

 代わりに、私が美海ちゃんのフォローも出来るようになりたい。

 2人よりはよ出世して、みんなをフォロー出来る立場を目指す。

 そう言えば、飛鷹君と美海ちゃんどないするんやろか?

 飛鷹君は、多分、なのはちゃんと一緒に行くやろうけど…。

 肝心の美海ちゃんはどうなんやろう?

 王様の杖は、不思議な事に夜天の魔導書に魔法をコピーした段階で、いつの間にか

なくなっとった。

 形見としてとっておこうと思ったんやけどな…。

 それはそうと、後でフェイトちゃんに確認しとかな。

 そんな私の気持ちも、みんなに伝えて、みんなに一定の理解はしてもろうた。

 最後にみんなもいつもみたいに、一緒に付き合ってくる言うてくれた。

 これから頑張らなな。

 

 そういえば、美海ちゃんと飛鷹君はどないするんやろか?

 

 

           :美海

 

 結果的に言えば、3人娘は管理局に入る事にしたようだ。

 フェイトは知ってたけど、改めて後日、残り2人の進路を聞いた。

 入る理由はそれぞれ。

 頑張ってってところだけど。

 意外だったのは、飛鷹君だった。

 彼はどうも修行するらしい。

 勿論、嘱託魔導士の資格を私同様取るらしい。

 これで、本当に…って言うのは止めて置こう。

 フラグだし。

 私の交渉はどうだったのかって?

 成功したよ。

 誰かが、外交は戦争だと言ったそうだけど、まさにその通り。

 ()()()()()()()()()()

 根回し(主にグレアム爺さんとリンディさんが担当した)して、いざと望んで快く承知

してくれた。

 いや、話が分かる人で助かったよ。

 2・3面白い話をしたら、分かってくれたよ。

 で、基本、私はフェイトからの要請がないと出ない。

 

 

 で、そんなこんなで月日が流れて。

 私と飛鷹君は屋上で、リインフォースといた。

 3人が中学校の制服のまま、駆け込んでくる。

「嘱託を待たせないでよ。アルバイトなんだからさ」

 私が茶化すと、3人共、冗談交じりに怒った。

「時間通りだよ!美海!ちょっとサボったら、またリニスが怒るよ!?」

 こんなに早く来れた事に不審を感じたらしいフェイトが、少し後半ホントに怒り気味に

言った。

「美海ちゃん結局、引っ張りだこで私等より稼いどるやないか!」

 これははやて。

 勿論、本心ではないのは分かるが、引っ張りだこなのは私の所為じゃない。

 グレアムの爺の所為だ。

「いくら楽しみだからって、サボりはダメだよ!?」

 これはなのは。

 楽しみは嫌味だろう。

 随分と擦れたね、君は。

「俺の方は、前の授業が歴史だったからな。早く終わったんだよ」

 1人いい子になったのは、飛鷹君。

 あの歴史教師は、平気で10分前に授業を終わらせる。

 彼も中学生になって、逞しくなった。

 なんでも、なのはのお兄さん達の仕事で、見事に歌姫を護り抜いて、頬にキスして

貰ったらしい。

 その後、なのはにその頬を殴られたらしいが。

 この2人は、ある事件を境に随分と()()()()()()

 なのは達はといえば、進路はバラバラになった。

 なのはは武装隊へ。

 そこから戦技教導隊入隊を狙う。

 フェイトは捜査官へ。

 そこから執務官を目指している。

 はやては幹部候補生として、あちらこちら研修しているとか。

 はやてが一番、夢に近いと言えるかな。

 私と飛鷹君は相変わらず嘱託魔導士のままだった。

 そろそろ入局しないとフェイトが拗ねるが、嫌な事は出来るならやりたくないものだ。

 飛鷹君は、奥義を習得するまでは入局しないと言っているそうだ。

 どうも、なのはの家の武術の奥義習得を目指しているらしい。

 守護騎士は基本武装隊の仕事をしているようだ。

 最近では、少しくらいは話が出来るくらいに関係が改善されている。

 事務的な話だけど。

 そして、今日は珍しく全員が顔を合わせて、同じ仕事に取り組むのだ。

「それじゃ、ここでいつまでも話してる訳にはいかないからな。そろそろ準備しようぜ」

 飛鷹君が正論を言う。

 みんなで円陣を組むように立つと、デバイスをそれぞれ取り出す。

 ああ、みんなで一緒にやるの?

 気恥ずかしいものだね。

 

「「「「「セ~トアップ!!」」」」」

 

 青空に魔力光が輝いた。

 

 

           :医師

 

 目の前に金髪の少女が寝ている。

 アリシア・テスタロッサ。

 意識は収容された時から戻らない。

 管理局から碌に事情を説明されていない。

 検査では異常は見られない。

 あとは精神的なものとしか考えられない。

 少しでも原因の手掛かりが欲しいのに、管理局からは何もない。

 しかも、この少女だけでなく、この前、有名人も同じ状態で運ばれてきた。

 貴重な子供時代を、こんなところで寝て過ごすなんてね。

 どうにかしてやりたいが…。

 私は取り敢えず、異常がないかを調べる。

 今日も異常は見当たらない。

 溜息を吐いて、私は部屋を後にした。

 

 その時、私は気付かなかった。

 この少女の指がピクリと動いたのを。

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 これで取り敢えずキリよく終わったと思います。
 散々、書き切る覚悟と書いたのに、忸怩たる思いですが、
 立ち止まる事にしました。
 廃棄するかどうかはまだ分かりません。
 
 次は美海が1人だけオリ主として存在したら?
 という感じで書きます。
 でも、最初、少し暗い展開になるのは避けられないと思い
 ますが…。

 もし気が向きましたら、次のやつも覘いてやって下さい。
 ありがとうございました。

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