魔法少女リリカルなのは  二人の黒騎士(凍結中)   作:孤独ボッチ

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 ようやく、もう一人のオリ主の視点の話です。
 では、どうぞ。


第3話 世界の不思議とロリコン容疑

             :飛鷹

 

 俺の名前は、飛鷹 浩介となった。

 俺は飛鷹という苗字が気に入っている。クラスメイトにも苗字で呼ばせているくらいだ。

 某・米のXな記録を捜査する捜査官のように親にまで苗字で呼ばせるほどの強者じゃないが。

 物心ついて、自分の意識が戻った時、初めて苗字を聞いて少しビビったのを覚えている。

 父親が刑事だと聞いて、苗字が飛鷹と聞いた時。

 

 もしかして、謎の生物Xと闘う刑事の相棒じゃないよね、と。

 

 まあ、結果は違ったけどね。当然。

 親父は、ぺルソナ4の堂島刑事に似た感じの人だった。そしてスゲー仕事人間。真面目に殆ど家にいないよ。まあ、でもそれ以外は普通の家庭だ。

 オリ主らしく、なのはちゃんが一人ぼっちの時に公園で会って、話せた。

「もう暗くなるよ。家に帰ったほうがいいよ」

「……」

「何か、帰りたくないような事あった?」

 ベンチに一人で座っているなのはちゃんの話を聞いて励ましたよ。

 最後はさ。

「話、聞いてくれて、ありがとう」

 ってさ。少しだけど笑ってくれたよ。

 断っておくが、俺はロリコンじゃない。なのはちゃんは可愛かったが、将来嫁にすべく唾を付けたかった訳じゃない。これから始まる戦いに絡む為だ。なのはと言ったらバトル!だからさ。その為に、特典はほぼ、戦闘系能力を願ったんだからさ!

 順風満帆、順風満帆。

 などと思えたのは、この時までだった。

 

 

 分かっているが、敢えて言わせてもらう。

 この世界、本当にリリカルなのはの世界なんですか!?

 魔法文化ないんだよね!?

 何かこの前、鍛錬してたらさ、変な超能力的な能力使う羽が生えた人いたよ!転生者かと思ったけど、どうも違うらしいし! 

 親父にそれとなく訊いたら、病気の一種で近づくなって言われたよ! 何?病気?そんなのリリカルなのはの設定にあったっけ!?

 しかも最悪なのはさ、あれからなのはちゃんに会えなかったんだよ。大丈夫なのか俺!?もしかして無自覚の踏み台化でもしたのか!?だったらどうにかしなきゃだけど、どうすりゃいいのかわからなかったわ!いきなり、家も知らない筈の俺が喫茶・翠屋に行けば不自然だし、下手すりゃストーカー扱いされる。それこそ踏み台の所業だ。

 

 結局は、小学校に上がる頃に再会出来たけど、向こうは俺の事を覚えていなさそう。

 ここから仲良くなればいいか。 

 こんなところで諦める俺じゃないぜ。

 

 なんて言ってる間に小学三年生だよ。

 三年生で、アリサ・すずかコンビがなのはちゃんの友達に加わってから、何故か二人は俺を警戒してるみたいで、あんまり話させてくれないんだよ。逆になのはちゃんが申し訳なさそうに、二人の見えない位置から手を合わせて謝っているくらいだ。二人の過剰反応だと話もしてくれてるみたいだし。

 なのはちゃん、いい子だよ。

 因みに、三人が仲良くなったキッカケは原作通りだった。

 

 この世界の疑問はそれだけではない。

 他ならぬ、なのはちゃんだ。

 なのはちゃんは運動神経が小学生の時は悪かった筈だよね。なのにさ、バスケットボールとかやると、時々すずかちゃんすらかわしてスリーポイントシュート決めたりするんだよ。動きも俊敏だし、50m走とかでも順位は上位にいる。偶々、聞こえた事だが彼女は家の独自の剣術を習っており、かなりの腕前なんだとか。特典持ちの俺からすると、年の割に強いって程度だけどさ。でもね。

 

 君、ホントに、なのはちゃん?

 

 正直、彼女が魔法を得たら、俺いらないじゃないの?って思っちゃうよ。  

 

 いや、俺は負けん。きっと俺にも二次小説のオリ主のような事が出来る筈だ。

 決意を新たに、俺は戦士の休息をする事にする。

 

 便所に行くと、男子数人が密談していた。

(そうだよ。休息は便所だよ。悪いか!)

「やっぱり、月村だよ。やっぱり女の子は優しくなくちゃ」

「バニングスの良さが分からんとは甘いな」

 クラスメートは便所で女の子の品評会をやっていた。何やってんだ、お前ら。便所で。

「おお、飛鷹か。お前は聞くまでもないよな」

 クラスでよくツルむ安達がそんな事を言った。

「何が?」

「いやぁ、今、クラスの女子で誰が一番可愛いか話してたんだよ」

 察しはとっくについてるよ。マセガキ。

 しかし、何故便所なんだよ。

「他で話すと漏れるからな、話が」

 ああ、女子ネットワークね。怖いよね。

「ここだと比較的安全なんだよ」

 絶対じゃないのね。

「で?何が聞くまでもないんだ?」

「お前、高町好きだろ?モロバレ過ぎて訊くまでもないってこと」

「そりゃ、誤解だ」

 俺はロリコンではない。

「俺はお前ほどの勇者を知らないよ」

 実感が籠った声を出したのは、武藤だった。

「俺がサッカーチームにいるの知ってるだろ?」

 武藤は所謂、スポーツの出来る人気者だ。そして、こいつは高町 士郎率いる翠屋JFCに所属している。正確にはコーチらしいけど。

 頷いてやる。

「偶にさ。高町が応援っていうか、マネージャーっぽい事してくれるんだけどさ」

 ほう、そいつは初耳だ。

「俺が高町の応援にさ、手振って応えたわけ。そしたら、高町も結構手振り返して応えてくれてさ。したらさ、コーチが笑顔でこっち来てさ。顔が笑ってるのに、目が笑ってないんだよ。こえーのなんのって。その後、マンツーマンでしごきだよ」

 武藤は目が虚ろになっている。地獄を思い出したんだろう。不憫な。

 君の人生に幸あれ。敬礼。

「高町のこと、好きだって男がいるって知ったら殺されるんじゃないか?」

 武藤はポツリとそう言った。

 誤解だって言いましたよね!? 

「いやいや、アイツの兄貴もこえーぞ」

 お調子者の浜口も口を挟む。

「この前、銀行で強盗あったろ?」

 そういえば、ニュースですぐ逮捕されたって言ってたような?

「実はさ。俺、かーちゃんと一緒にその時、銀行居たんだよ」

「「「「「マジかよ!?」」」」」

 全員の声がハモった。そんな経験普通しないからな。

「そしたらさ、高町の兄貴が美人と一緒に来ててさ。銀行強盗がカウンターに行った瞬間にさ。全員倒しちまったんだよ!」

 は?

「ホントに人って鍛えると消えるんだな!テレビとかであるじゃん!速過ぎて見えないってやつ!あれだよ!」

 飛天御剣流ですか?それ?

「何か高町の兄貴も高町可愛がってるみたいだしな。あそこの男二人有名みたいだぞ」

 安達を筆頭に俺にいい笑顔でサムズアップ。

 意味わかんねぇよ。なんでサムズアップだよ。

「「「「「成仏しろよ」」」」」

 何?俺、無実の罪で殺されんの?

 

 それでも、俺は生き抜いて見せる、この世界で。

 

 某・黒の剣士みたいに走り出したくなったが、俺の場合そんな事をしても問題は解決しないので止めた。

 

 

         




 飛鷹は転生一年生なので、明るいです。
 美海はHGSの事は覚えています。リリなのが元はスピンオフだという事も覚えている為、不思議な事が起こっても、特別反応しません。故に触れません。でも、無印は覚えていない。人間、重要な事は忘れるけど、どうでもいい事は覚えてますよね。
 次、主人公・なのはちゃん視点の話になります。原作開始までもう少し掛かります。

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