魔法少女リリカルなのは  二人の黒騎士(凍結中)   作:孤独ボッチ

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 まずはお詫びからしなくてはなりません。
 コイツ折れたな、と思った方。
 一言もありません。
 申し訳ありませんでした。

 色々要因は重なりましたが、一番は完成しなかった
 からです。
 言い訳はこのくらいにして、本編どうぞ。


第47話 歪

             :美海

 

 私はユーリとの話を終えて、みんなのところに戻った。

 ユーリが、赤ドレスとお呼びでない人のところに移動したようだが、それはあっちの問題だ。

 それより、サッサと遣る事遣らないといけない。

 魔法陣はかなり広がってしまっている。

 あれが地球を覆い尽くしたら、エネルギーの搾り取りが始まって終わりだからね。

「どうだった?」

 フェイトが私が戻ってきた事のを見て、近寄って来る。

「有意義な話はないね。期待してた訳じゃないけど」

 まあ、念の為ね。

 視点が違えば、情報も多少異なるかと思っていたけど、収穫なしだ。

 やっぱり、バルムンクに頼る事になるね…。宇宙行きか…。始めて行くよ、宇宙。

「でも、救われる事はあるかな。ディアーチェなら、私と飛鷹君ぐらい宇宙まで送れるよね?」

 ディアーチェが怪訝な顔で私を見る。

「む?そこの小僧も連れて行くのか?」

「安心して、おかしな話だけど、戦艦の対処に送るだけだから」

「確かに、戦艦の対処を生身の人間にさせるのはおかしいが、貴様の遣る事だ。納得しよう」

 まあ、死ぬ気で遣って貰うだけだよ。

 彼のレアスキルならイケるでしょ。

「宇宙まで行くのはいいが、俺もチャンと宇宙で活動する魔法を教えて貰えるのか?」

 今度は飛鷹君が質問してくる。

 まあ、普通は宇宙で活動する魔法なんて知らないよね。

 ()()()()()()()()、水中用の魔法を改良する気だから。

 魔法式を即興で弄って、飛鷹君に提示してやる。

「これでイケる筈だよ」

「筈!?」

 いや、試してる時間ないからさ。

 これで嫌なら、不参加でもいいよ?

「いや、行く」

 どうやら腹は決まったらしい。

 飛鷹君が魔法式をデバイスに登録して、発動手順を確認し出す。

 みんながビックリした顔で、飛鷹君を見る。

 まあ、普通、魔法式があっても何度か練習して、漸くものになるものだからね。

 こういうところは、転生者って便利だ。

 飛鷹君は置いておいて、他の面々と手順確認だ。

「それでみんなにやって貰いたい事だけどね」

 まず、ディアーチェと一緒に魔法陣解析を遣って貰う。

 これは、なのはやフェイトも参加して貰う。

 ディアーチェの魔法知識は、私と同等と言ってもいい。

 この場に居てくれてよかった。僥倖というヤツだね。経緯は後で確認するとして。

 守護騎士は、解析を万が一邪魔する者が居ればそれの排除。

 まあ、魔法陣の無効化が可能なようであれば、そっちの協力にも駆り出す。

 私が魔法陣諸共片付ける積もりだけど、次善策は用意しておいて損はない。

 フェイト達は、一緒に行けない事に御不満のようだけど、一応の納得はしてくれた。

 守護騎士の反応は、まあ、不満そうだったよ。リインフォースは別だけど。

 ディアーチェは、淡々としたものだけど。

「私は付いて行きますよ。紗枝と祿郎のところへ貴女を無事に帰すのが、私の仕事です」

 リニスだけは、こう言って譲らなかった。

 両親の事を理由にするのは、ちょっとズルいな。そう言われると弱いからさ…。

『まあ、よいのではないか?主よ』

「バルムンク?」

 珍しいな、バルムンクがリニスの肩持つのは。

 最近、認めているような感じではあったけど、ここまでハッキリ支持するのは珍しい。

『駄猫でも、魔力の補充くらいにはなるだろう。ここで滅んだら、それまでのヤツだったという事

だろう』

 やっぱり、まだまだ仲良くなるまで、遠いみたいだ。

 リニスもガン無視して、私を見てるし。

 私は溜息を1つ吐いた。

「分かったよ。確かに、使える魔力が増えるのは有難い。おいで」

「はい!!」

 リニスは返事と同時に、猫形態に戻って、私の肩に乗る。

 そして、フェイト。羨ましそうに見ないの。

「それじゃ、飛鷹君。準備は?」

「ああ。イケる」

 魔法のチェックを済ませ、飛鷹君も私の傍へ。

「じゃあ、ディアーチェ」

「任された。完璧に送り届けてやる。コヤツが誇れるのは今のところ魔力量だけだが、私が使う

のだ。問題ないわ」

 ディアーチェも相変わらず偉そうな物言いだな。

 多分、はやてに許可なんて取ってないでしょうに、酷い言いようだ。

「それじゃ、カウント、行くよ!」

 私の声に、飛鷹君の顔に緊張が走る。

 

「3」

 

「2」

 

「1」

 

「「発動!!」」

 

 私と飛鷹君は宇宙活動用の魔法を発動。

 ディアーチェは、タイミングもバッチリに私達を打ち上げる。

 高速で上昇していく。

 あっと言う間に、宇宙空間に投げ出される。

「うわっと!」

 飛鷹君がバランスを取るのに手間取っている。

 私の方は、水中戦もやった所為か、別に問題なくバランスを保つ。

 リニスも私にしがみ付いて凌ぐ。

 超高速で飛び回る物体を確認する。

 私は舌打ちしたくなった。

 予想より速い!

「バルムンク!!完全開放!!」

『久方ぶりよ!!了解した、主よ!!』

 蒼い光が剣から、全身へと覆う。

 眩いばかりの蒼。

 それを感じ取ったのか、翼を持つ蛇の動きが鈍る。

 判断にラグが生じたか。甘い!

 私は戦艦に激突寸前の蛇の前に滑り込み、バルムンクを振るう。

 

 凄まじい衝撃音と共に、蛇が金属片を撒き散らしながら横を通過して行く。

 戦艦の直撃も避けられたな。

 

 私は庇った戦艦・アースラに笑ってみせた。

 

 

 

             :飛鷹

 

 まさか宇宙に行く事になるなんてな…。

 転生前なら有り得ねぇよ。

 それにしても、なんでアイツいきなり宇宙でバランス取れるんだ?

 俺が四苦八苦してバランスを取るコツを掴んだ頃には、アイツは一仕事終えていた。

「それじゃ、戦艦の面倒頼んだよ。どういう訳か、協力体制を敷いてるみたいだけど、手の平返す

事もあり得るからね」

「ああ!分かった!」

 今、協力してたって、安全になれば反故にする可能性はあるわな。

 どっちにしても、俺じゃ、アッチの相手は務まりそうもない。

 動きの速さが、尋常じゃない。

『飛鷹君!』

 目の前にウィンドウが開き、リンディさん呼び掛けてくる。

「大丈夫ですか?一応、状況の確認させて貰っていいですか?」

 もしかして、協力体制も条件付きかもしれないからな。

 リンディさんからの説明によると、実質あの蛇が片付くまでの間の協力関係みたいだ。

 となると、綾森の懸念が的中するかもな。

 まあ、結構、壊れてたり、ボロボロだったりするし、当初聞いた時よりは対処可能っぽい。

「いざとなれば、向こうを容赦なくやりますからね」

 俺は、地球にアルカンシエルを撃ち込もうとした戦艦を、チラッと見て言った。

 悪いが管理局より地球の方が大切だ。

 本当なら、管理局とは上手くやりたかったが、正直、気が合う奴等じゃない。

 害をなすというなら、敵対も辞さない。

「ええ…。そうなれば致し方ありません」

 リンディさんが若干無念そうだが、認めてくれた。

 リンディさんにしてみれば、説得したかったのかもしれない。

 

 俺は改めて、綾森と蛇の戦いに目を移した。

 敵対するまでは、アッチの戦艦も護らないといけない。

 

 

             :美海

 

「行くよ!バルムンク!!」

『久しぶりに遠慮なくやれるわ!!』

 バルムンクの咆哮と同時に、身体全体から蒼い光が物凄い勢いで放たれる。

 蛇が威嚇するように口を開けて、こちらに突っ込んでくる。

 どうやら無事敵認定されたらしい。

 私はすかさず精霊の眼(エレメンタルサイト)を起動する。

 今回は、これを使わないといけない。

 だが、それだけじゃない。

 神が鍛えた剣の力を舐めるなよ。

 凄いスピードではあるが、今の私は問題ない。

「リニス!しっかり掴まっててよ!振り落とされたら回収出来ないからね!」

『分かってます!』

 この僅かな遣り取りの間に、蛇が至近距離まで接近していた。

 私は軽く跳ぶと頭を踏みつける。

 黒い虚無が噴き出すが、蒼い光は物ともしない。

 頭に私の足がめり込む。

 蛇が悲鳴を上げるが、あちらも頭を素直に下げて尻尾を振り上げて、私を叩き墜とそうとする。

 だが、私は動じる事なく剣を薙ぐ。

 尻尾がアッサリと切り離され、蛇が悲鳴のような声を上げる。

赤い雨(ブラッティレイン)

 高速で交錯したが、残念ながら私の攻撃ターンは終了していない。

 高速過ぎてあちらは小回りが利かない。故に読み易いんだよね、進路が。

 原作・赤屍さんはメスを使用しているけど、私の場合大量に保管している投剣だ。

 投剣の雨が蛇に降り注ぐ。

 虚無で呑み込むより早く、身体に剣が突き刺さる。

 蛇は虚無で瞬時に呑み込もうとしたが、それにもバルムンクの加護が宿っている。

 全開放とは私の身体は勿論、他の武器までもバルムンクの力を宿す事が可能になるのだ。

 その代わり、魔力を馬鹿食いするけど。

 虚無が瞬く間に吹き散らされて消え、刺さった剣のみが残った。

 刺さったままじゃ、再生も抜いてからじゃないと出来ない。

「焔丸三口」

 動きが鈍った隙に、三つの刃の付いた血の糸が蛇に突き刺さる。

「七獄五劫」

 蛇の体内に一気に炎を流し込む。

 宇宙空間なら兎も角、体内なら燃やせる。

 蛇が一瞬で膨張し爆散する。

 

「バルムンク!!」

『分かっておる!!』

術式解散(グラムディスパージョン)

 バルムンクに魔法を増幅させる。

 一気に蒼い奔流となって魔法陣へと迫るが、突然何かが庇うように滑り込む。

 術式解散(グラムディスパージョン)は、それに当たり拡散する。

 

「チッ!再生速度が早過ぎるでしょ…!!」

 流石にまだ再生は不完全ではあるが、魔法陣を背に蛇があっと言う間に自身を修復した。

 闇の書の件があるし、こいつもコアを一瞬で消滅させない限り、ダメかもしれないとは思って

いたが、この早さは予想外だ。

 コアは、ジュエルシード内の魔法使いみたいに逃がしてたな。

 コイツが再生する間に魔法陣を片付けるという案は、却下しなきゃいけない。

「なんですか!?あの非常識な再生能力は!?」

 リニスが驚愕して叫ぶ。気持ちは理解するよ。私も早く帰りたかったから、ガッカリした。

「諸共吹き飛ばすしかないかな…」

「はぁ!?」

 私の呟きにリニスが大袈裟に驚く。

 今も魔法陣は広がり続けている。

 すぐさま蛇が身体を反転させる。

 精霊の眼(エレメンタルサイト)でより深く情報を探りつつ、神経を研ぎ澄ます。

 それだけの時間を今の私は作り出せる。

 蛇がこちらに突っ込んでくるが、こちらと目が合った途端に少し反応したように見えた。

 気付いたか…。

 しかし、あっちのスピードが仇となる。

 気付いた頃には、こっちの間合いだ。

 一気に踏み込み、閃光のような光が2つ走る。

 蛇は咄嗟に身体を捻ったようだが、遅い。

 翼が蛇から切り離される。

 蛇は当然のように、すぐに修復しようとするが、そうならなかった。

 青白い光が切り口に残留していたからだ。

 スピードが目に見えて落ちる。

 当然だろう。あのスピードは翼があって出せるものだ。

 蛇と翼の構成要素を精霊の眼(エレメンタルサイト)で、既に暴いている。

 狙うは、丁度身体の中心。

 私の眼には、赤い光の珠が光っているのが見える。

 一気に勝負を掛ける。

 私の手から紅い紐状のものが幾つも伸びて、蛇に絡み付く。

「捕まえた!」

 蛇は驚いたように暴れるが、それが余計に身体に紅い紐を絡み付かせる事になっている。

 紅い紐は勿論、私の血だ。

 尻尾を伸ばし蛇が私を叩き墜とそうするが、逆に私はそれを足場にして踏み込む。

 私は剣を身体の中心へと突き込む。

 再び、蒼い光が剣に集中する。

「ニブルヘイム。術式凍結(フリーズグラム)

 蒼い光に2つの光が螺旋を描くように加わる。

 術式解散(グラムディスパージョン)を選択しないのは、属性を統一した方が負担が少ないからだ。

 余波だけで蛇は一瞬で凍結したが、魔法陣まではまだ届いていない。

 コアと魔法陣、諸共打ち抜く!

 コアを貫いたと思った瞬間に、凍結した身体が突然膨張する。

 氷の破片が飛び散り、刃となって飛んでいく。

「何!?」

 私の身体は、蛇の膨張の反動で吹き飛ばされる。

 見れば、納得という奴だった。

「魔法陣から魔力が吸い上げられてる!?」

「相当無理してるみたいだけどね」

 リニスの事態を正確に把握し、叫ぶ。

 いくらバルムンクが神の鍛えた剣だといっても、担い手がミスをすれば切れ味は活かせない。

 全く、精霊の眼(エレメンタルサイト)で確認したけど、無茶する仕様に変更されてるな。短時間でご苦労様って!?

 あちらさんに不利益がないだろうし、どうでもいいんだろうけどね。

 蛇が咆哮を上げると、姿形が変化する。

 蛇の頭を持つ巨人へと姿を変える。翼も相応の大きさになっている。

 無茶した甲斐がありますって?

 蛇は私達の顔を見てニヤリと嗤った気がした。

 

 何度か、魔法陣ごと消滅させようとするが、その都度、蛇と魔法陣のラインが強化される。

 流石にアレが関わっただけあって、当初の見込みを外されている。

 泥仕合になれば、こっちが不利だ。

 全く、格好が付かないったらない!

 

 

             :なのは

 

 美海ちゃんと飛鷹君が宇宙まで飛んで行く。

 ここでお見送りは少し、いや大分寂しいし、悲しい。

 能力的なものだ分かっていても、割り切れないものがある。

 隣にいるフェイトちゃんも、同じ気持ちだと思う。

「これ!そこな小娘共!我等には我等の仕事があろうが!呆けるな!」

 はやてちゃんが…違うんだよね?ディアーチェさん?が私達を叱り付ける。

 そうだよね。私達も任された事はある。それをやらないと!

 フェイトちゃんも同じ気持ちみたいで、目が合うと頷いてくれた。

「あやつは、自分で片付ける気だろうが、おそらくそうはならん」

 え?どういう事?

「どうしてですか!?」

 フェイトちゃんが私より早くディアーチェさんに尋ねる。

「あやつの今の魔力量は今の基準で言うと、AAといったところだ。明らかに魔力量が不足して

おるわ。それを腕前だけでカバーするのは厳しかろう。それに敵はアルハザードで造られたもの。

イレギュラーは発生するものとして考えておくべきだ。あやつはそれを見越して、あの小僧を

伴ったのだろうがな」

 無茶をする人達を止める役割の他に、飛鷹君はそんな理由で連れて行かれたんだ。

「あの!その解析といざとなった時は、手伝わせて下さい」

 考え込んでいると、突然声が掛かった。

 声の方を向くと、ユーリちゃんだった。

「ふむ。よいのか?有難くはあるが…」

 ディアーチェさんは、なんの感情もない声で言う。

「疑う気持ちも分かります。仕事を見て決めて下さい」

 ユーリちゃんはそう言うと、何処に仕込んでいたのかデバイスを取り出して、コンソールと

ウィンドウを出して、凄い勢いでパネルを指で操作し出した。

 物凄いスピードで凄い量の魔法式を記述していく。

 凄い!

 ディアーチェさんがウィンドウを覗き込む。

 因みに、ユーリちゃんが使っているデバイスは、通常の杖型のデバイスだった。

 実用的な感じで、クロノ君の持っているデバイスに似ている。

 同じメーカーなのかな?

「成程、取り敢えずの信用はしてよいようだな」

 私達も見てみると、緻密に魔法陣の術式が組まれていた。

「尤もこれは私が関わっていた頃の術式です。彼が関わった以上、変更されているでしょうが、

参考程度にはなる筈です」

 ディアーチェさんが、ふむと頷くと私達を見た。

「それでは我等も加わるぞ」

 私達は頷くと、フェイトちゃんは私の肩に手を置き、私は自分にしか出来ない同調を使用する。

 フェイトちゃんの魔力と並列化して、魔法陣まで手を伸ばす。

 ディアーチェさんが魔力で補助してくれる。

 ユーリさんのウィンドウを横目で見つつ、同調して探った魔法陣の情報に修正を加えていく。

「待て!そこで止めろ!」

 ディアーチェさんが突然大声を上げて、作業を止める。

「どうしました!?」

 ユーリさんが声を掛ける。

「ここの記述…。魔法式を弄れば完成前でも無理をすれば、エネルギーをこの星から引き出す事

が可能なのではないか!?」

 私とフェイトちゃんは横目で、ユーリちゃんはじっくり検証するように見る。

「成程。そうですね」

 ユーリちゃんも同意して頷く。

 その恐れは当たっていた。

 いきなり魔法式が変わったから。

「これはディアーチェさんの予想が当たりですかね。これでは一気に魔法陣を消し去るのは、

難しいでしょう」

「直接、干渉して魔法陣を無力化していくのが、妥当か…。となれば、直接赴かねばな」

 私とフェイトちゃんは顔を見合わせる。

「私達も!!」

 私がディアーチェさんに志願を申し出ようと、声を上げた。

 だが、ディアーチェさんに手で落ち着けと言いいたげに、手で制される。

「寧ろ、小娘共は引き摺ってでも連れて行くわ。問題は直接の書き換えを、誰がやるかだが…」

 ディアーチェさんが言い淀んで、チラリとユーリちゃんを見る。

「私しかいないでしょうね。大丈夫です。拒否するつもりはありません。裏切りが心配でした

ら、お二人が私を撃てばいいでしょう」

 ユーリちゃんが決意を籠めて、そう言い切った。

 ユーリちゃんの覚悟を見て、ディアーチェさんが頷く。

「決まりだな。それでは守護騎士連中は、3人が宙へ上がったら、高度を上げられるだけ高く

飛んで待機だ」

 今まで黙っていた守護騎士達が、頭ごなしに命令されて、ちょっと嫌そうだったが、今は

何か文句を言う時ではないと思ったのか、了承してくれた。

「何も暇が確定している訳ではないぞ?もしや、地味で一番キツイ仕事やもしれん」

 ディアーチェさんが、意地の悪い笑みを浮かべて言った。

 守護騎士達が全員、嫌そうな顔をした。

 なんかディアーチェさん、揶揄うの楽しんでるんじゃ…。

「ほれ!小娘共!サッサと一か所に集まらんか。宙まで纏めて打ち上げてやる。幸いな事に

宇宙で活動する為の魔法は、あやつが組んで公開したからな」

 ああ!飛鷹君に見せてたね!

 ユーリちゃんがそれを聞いて、慌ててデータを纏めてデバイスに記録して、私達のところへ

急ぐ。

 3人が集まると、ディアーチェさんは、すぐさま魔法の構築を開始する。

 凄い速いし、綺麗な魔法だな…。

 美海ちゃんの魔法とは違った綺麗さだ。

 ディアーチェさんの魔法は芸術品って感じで、美海ちゃんのは機能美って感じかな?

 気が付けば魔法は完成していた。

「それでは、行ってこい!!発動!!」

 

 美海ちゃん達と違って、カウントなしで私達は宙へと飛ばされた。

 

 

             :美海

 

 私が見込み違いに歯噛みした時、下から3つの魔力反応が上がって来るのを感じた。

 この反応、フェイトとなのは…それにあのユーリ!?

 こっちが時間掛かってるから、なんか強硬手段に出るつもりとか!?

 蛇も気付いて、そちらに目を遣ると、手を上がって来るフェイト達に向ける。

 私は舌打ちして、庇うような位置に素早く移動する。

 蛇がニヤリと嗤ったが、構わない。

 こっちの弱点にでもなると思ったら、大間違いだ。

 丁度、3人が宇宙空間に放り出される。

 3人は危機を予想していたのか、同時に連携してシールドを展開する。

 前の形態の砲撃なら、あれで防げただろうけど、曲がりなりにも地球の魔力を上乗せしている

今の状態では防げない。

「バルムンク!!リニス!!」

『承知しておる!!』

「お任せ下さい!!」

 頼もしい言葉が返ってくる。

 そろそろ不味い残量の魔力が少し回復する。

 リニスがパスを通じて魔力を供給してくれている。

 蒼い光が一時的に増す。

 気合一閃。

 バカげた威力の砲撃が、バルムンクの一閃に吹き散らされ、巨人と化した蛇の片腕から肩を

綺麗に吹き飛ばした。

 蛇がダメージにのたうつように暴れると、魔法陣からラインが伸びる。

 

 だが、次の瞬間、破砕音が響き、魔法陣のラインが切断される。

 

 見れば、ユーリが魔法陣の書き換えを行っていた。

 

「魔法陣は私達が書き換えます!!魄翼を頼みます!!」

 全く、任せろと言って置いて、助けて貰ってれば世話がないわ。

 これ以上、みっともない事は出来ないね。

 

 私は怒り狂う蛇に不敵に笑った。

 

 

 

             :クロノ

 

 飛び去る被疑者を見送るなんて、本来有り得ないけどね。

 逃走の心配がない為とでも書くしかないか。

 僕は1つ溜息を吐く。

「すみません、執務官。でも…」

 アミティエ元・捜査官が僕の溜息に反応して、頭を下げる。

 僕は手で彼女の言葉の先を制する。

「君の意図は分かるよ。それに彼女は、君の予想通りに進めば逃走しないだろう」

 アミティエ元・捜査官は力強く頷くと、それでもと頭を下げた。

 アルフは、こっちの話は聞いていないようだ。

 フェイトのところに応援に行くべきかで、悩んでいるんだろう。

 アルフはリニス…あの使い魔より実力は下になる。

 魔力供給とは別に、自身の魔力を貯蔵して主に供給するなんて離れ技は、まだ出来ないだろう。

 そんな事を考えていると、通信が入って来る。

 アースラからか!?

 慌てて通信を繋ぐ。

 だが、ウィンドウが開くと、そこにはグレアム提督の姿があった。

「提督!?」

『レティに頼んで、状況は確認させて貰っている。状況は切迫している。そちらにアリアとロッテ

を送った』

 リーゼ達を?

『ちょっとした届け物の為だ。元々は闇の書対策に造っていたものだが、それも必要なくなった。

だが、無駄にはならなかったようだ。君に使ってほしい』

「デバイスの類ですか?」

 グレアム提督が頷く。

『氷結の杖・デュランダルと、それに接続して威力を増幅するパイルスマッシャーだ』

 デュランダルは兎も角、パイルスマッシャーは開発中の砲撃支援デバイスだった筈だ。

 完成していたのか…。

『デュランダルと接続させれば、強力な凍結魔法を超長距離の相手にも当てられるとの事だ』

 実証はされてない訳ですね。

 すぐ傍で転移反応があり、リーゼ達が姿を現す。

 随分と素早いな。

 当然と言えば当然だけど。

「お待たせ!クロ助!」

「挨拶は悪いけど省略するわ」

 ロッテとアリアが巨大なデバイスを支えながら言った。

 でも、1つ言いたい。

「これ、僕1人で支えられるのか?」

「「……」」

 おい!

「それは私に協力させて下さい」

 背後から声が掛かる。

 声を掛けてきたのは、アミティエ元・捜査官だった。

「見たところ、照準補助もないようですし、お役に立てるでしょう」

 よく見ると開発中だけあって、パイルスマッシャーには照準補助のシステムが見当たらない。

 確か、聞いた話だとゴーグルのような照準補助が、付いていると言っていたけど…。

「「……」」

 おい!

『すまんな、クロノ。リーゼ達で使う想定だったのでな。君ともう1人で運用して貰う積もり

だったのだよ』

 グレアム提督が見かねたのか、口を開く。

 それなら最初から、そう言ってくれればいいじゃないか!

 僕はリーゼ達を睨むと、2匹は同時に目を逸らした。

 知ってって揶揄ったな…。この非常時に!

「程よく力が抜けたでしょ?」

 相変わらずあらぬ方向を向いているロッテの代わりに、アリアが言った。

「どういう事だ?」

「気付いてなかっただろうけど、かなり余裕のない顔してたわよ?」

 僕の質問にアリアが端的に答えてくれる。参ったな、そんな自覚なかったけど…。

 確かに、管理局員である僕が、この現状で何も出来ないという事に忸怩たる思いだった。

 もしかしたら、それが表情に出ていたのかもしれない。

 全く、まだまだ未熟だな、分かっていた事だけど。

 相変わらず僕は、この2匹に頭が上がらないようだ。

「アミティエ元・捜査官。協力を依頼する」

 僕はリーゼ達に敢えて礼を言わず、アミティエ元・捜査官に言った。

「はい!ご協力させて頂きます」

 アミティエ元・捜査官は敬礼しかけて止めた。

 もう、彼女は罪を償ったとしても管理局に戻らないだろう。

 彼女が受けた仕打ちを考えれば当然だけど。

「デュランダルは、もうセットしてあるから」

 リーゼ達が、アミティエ元・捜査官にパイルスマッシャーを渡す。

 彼女は、リーゼ達が2匹で持っていたデバイスを軽々と保持する。

「それじゃ、援護射撃の為の状況確認から始めよう」

 アースラは暴走した局員の対応で忙しい…。

 とすれば、話せそうなヤツに訊くしかないか。

 

 僕はそう言うと、アースラではなく飛鷹に念話を送った。

 

 

             :飛鷹

 

 綾森は信じられない事に、あの蛇の化け物相手に圧倒していた。

 蛇の自己再生がなければ、とっくに勝負はついていただろう。

 俺はと言えば、情けない話だが戦艦で凌ぎ切れない攻撃を打ち落とすのみになっている。

 まだ、十分に動ける戦艦は庇う必要がないが、あの蛇にコテンパンにやられたヤツは、

シールドも安定して使えない始末だ。

 まあ、これも任された仕事だ。全うするさ。

『飛鷹!聞こえるか!?』

 うん?

 突然に念話が入る。

 俺は飛んでくる羽状の刃をシールドと剣で払い落としてつつ、応えた。

『ああ!どうしたんだ、クロノ?』

『そちらの状況を確認したい』

 俺は現状をありのままクロノに教えた。

『そうか。こっちから援護射撃が可能になった。これからそっちにいるみんなに伝える』

 援護射撃?地上から?

『でも、言った通りとんでもなく速いぞ、アイツ』

『聞いた。甘く見ている訳じゃない。協力者も大丈夫だろうと言ってるしな』

 協力者って、もしかして…。残ってたのって元・特別捜査官の姉の方か?

 まあ、クロノが大丈夫と判断したんなら、大丈夫だろう。

 今更、向こうが裏切るメリットもないだろうしな。

『そうか。アイツが誤射でどうにかなるとは思えないが、なのは達を誤射しないようにして

れば問題ないだろう』

『流石にあまり動かないなのは達を誤射する程、間抜けじゃない』

 ならいいんじゃないか?

 

『みんな!聞いてくれ!地上から援護射撃を行う。こっちには正確な眼がある。誤射はしない』

 すぐにクロノが全員に念話を送った。

 

 だが、俺も備える積もりだ。

 何が起きるか分からないしな。

 俺は強力な再生能力の所為で、埒が明かない状態になっている戦いを見詰めた。

 

 

             :ユーリ

 

 魔法陣を書き換えても、すぐに修正が掛かる。

 先程から鼬ごっこが続いている。

 なのはさんもフェイトさんも、勿論書き換えを行っている私も額に滝のような汗が流れる。

 一向に劇的な改善が出来ない。

 時間稼ぎにはなっていると思うけど…。

 実際、書き換えは任せて下さいと言った手前、情けない。

 なのはさんの同調があるから、美海さんの助けになっているけど、単独だったらお荷物になって

いたかもしれない。

『みんな!聞いてくれ!地上から援護射撃を行う。こっちには正確な眼がある。誤射はしない』

 クロノさんが念話で伝えてくる。

 ならば、この機に私達も動きましょう。

 私はチラリと美海さんを見る。

 彼女の魔力量は、あの強力な剣を扱うには魔力量が明らかに不足している。

 彼女の使い魔が、魔力の譲渡を行っているようだけど、焼け石に水になっている。

 やはり、当初の彼女の予定通りに両方を同時に殲滅しないと、ダメだろう。

 それには、まず魄翼の魔法陣への干渉を緩め、魔法陣を一気に書き換える。

 それで初めてあの再生能力に隙が出来るだろう。

 ならば…。

 私が思考の海を漂っている間に、なのはさんとフェイトさんがお互いを励まし合っていた。

「援護射撃…だって。これで美海ちゃんも遣り易くなるんじゃないかな?」

「うん!あともう少しだね!」

 私はそこに割って入る事にした。

 私のプランを実行する為に。

「ここで、私達も動きましょう」

 私の突然の言葉に、2人が怪訝な顔で私を見た。

「動くって。でも、この状況で1人でも抜けたら…」

 フェイトさんが懸念を言う。

「でも、このままでは美海さんも消耗戦ですし、私達も持ちません。魔法陣の書き換えは私と

なのはさんで遣ります。フェイトさんは美海さんの援護を」

 援護射撃がどの程度当たるかは兎も角、そちらにも意識を削がれるなら、美海さんもすの隙

を突こうとする筈だ。

 その為の戦力としては彼女が一番いいだろう。

 この中で闇の書の騎士達を除けば、彼女が一番付き合いが長いようですし。

 フェイトさんは少し悩んでいるようだ。

「フェイトちゃん。大丈夫!少しの間くらいユーリちゃんと粘ってみせるから!それに向こう

の干渉が緩くなれば、私達だってもっと楽になるんだから!」

 なのはさんが笑顔で、悩むフェイトさんに言う。

「なのは…」

 フェイトさんは呟くように言った後、しっかりと頷いた。

「分かった!じゃあ、ここはお願い!」

 そう言うと、背を向けて飛び出して行った。

「頑張ってね!」

「なのはも!」

 

 正直、少し2人が羨ましいです。

 私も、イリスとああいう関係であれば、こんな事にはならなかったのでしょうか?

 

 

             :キリエ

 

 私は呆然とするイリスを見詰めていた。

 ユーリの言っていた事。

 あれはおそらく真実だ。少なくとも彼女が信じる真実である筈だ。

 私も一応は捜査官だったから、それが分かる。

 後悔しないように行動しようと、私はここまで来た。

 大切な人の為なら、恨まれても構わない。

 彼女の覚悟は、私には痛いものだった。

 だって、私にはそんな覚悟はなかったんだから。

 思えば、お姉ちゃんにもそれはあった。

 私は甘えていただけか…。

「イリス。行こう、終わらせる為に」

 イリスがこっちを見ずに、鼻を鳴らす。

「何言ってるのよ。なんとかなるんじゃないの?あのもう片方の化け物が動いているんだから」

「違うよ」

 きっぱりとした私の言葉に、イリスが初めてこっちを見た。

「アンタは私に使われたのよ?なんで私に関わるのよ。何?涙ながらに謝罪でもしてほしい訳?」

 イリスが投げやりにそう言った。

 私は首を横に振った。

「私は嘘でも救われたから。気が楽になったから。だから、騙されたけど、謝ってほしい訳じゃ

ない。多分、私はこんな経験しないと気付かなかったと思うから…。不満ばかりで自分では何も

変えようとしなかっただけだって。今はイリスがそうなんじゃない?」

 イリスの顔が怒りに染まる。

「ハァ!?私がアンタと同じですって!?ふざけないでよ!!」

 私は怯まずにイリスの目を見返す。

「ユーリから聞いたでしょ?貴女なら嘘じゃない事だって分かったんじゃないの?」

「っ!!」

 イリスが、初めて私の言葉に返答を詰まらせる。

「イリスは今までの自分の想いが間違いだって、認めたくなくてここにいるんじゃないの?」

「アイツが裏切った事実は変わらない!!」

「そう思うなら、納得いかないなら、とことん話し合わないとダメだよ。ここにいたら、話す

機会すらなくなるかもしれないんだよ?」

 私はイリスに手を伸ばす。

「私は今度こそ貴女と友達になりたい。だから、手伝いをさせて。今度は私の意志で」

「アンタ…常軌を逸した馬鹿ね」

「知らなかった?」

 私の言葉に、イリスが苦笑いを浮かべる。

「私の身体の制御ユニットへ入って」

「正気?」

 イリスが驚く。

 身体の制御ユニットへ入るという事は、私は身体の自由を無くす事を意味するから。

 それでも私はハッキリと頷いた。

「アンタと友達になるかは、保留にしとく。でも、ユーリには言いたい事が増えたわ。今度は

魄翼ごしじゃなく直に殴ってやる」

 イリスはプイッとそっぽを向いてそれだけ言った。

 素直になるには時間が掛かる。

 こういうところは私達は似ているのかもしれない。

 

 私は笑顔でイリスを迎え入れた。

 

 

             :美海

 

『みんな!聞いてくれ!地上から援護射撃を行う。こっちには正確な眼がある。誤射はしない』

 突然の執務官殿からの念話。

 ちょっと、怖いアドリブなんだけどね。

 こっちでいざとなったら修正するしかないか。

赤い奔流 (ブラッディストリーム )

 魔力節約の為、向かってきた蛇に投剣が奔流のように襲い掛かり、蛇の上半身を飲み込む。

 だが、投剣は翼の起こした力の波に吹き飛ばされる。

 直撃の瞬間に翼を閉じて、身体をガードしたんだろう。

 それでも無傷とはいかず、翼がボロボロになっていたが、すぐさま再生させて、再度突撃して

くる。全く、力に余裕があるとゴリ押しが可能っていうのが、嫌だよ。面倒で。

「美海…そろそろ、決めないと魔力が!」

 それがありましたね。

 まさか、魔力量でここまで泣かされる日がくるとはね。

 もう少し、成長すれば魔力量も…って、そんな事考えてる場合じゃないね。

 こっちに向かってきていた蛇が、急に進路を変更して、魔法陣へと向かう。

「「っ!!」」

 ユーリとなのはが目を見開く。

 よく見るとフェイトがいない。

 これを好機と見て、魔法陣にちょっかい出す奴を始末しようとしたか。

「美海!」

 分かってるよ。

 私は空斬糸を造り出し、一瞬で蛇を絡め捕る。

 止める為に、魔力でブーストし、力を籠めて無理矢理停止させる。

 巨体を止めるのはキツイ。

「子供とはいえ、女のお相手中に余所見するなんて失礼千万だよ」

 私は不敵に笑ってやる。

 蛇は怒ったように唸り声を上げて、糸を振り払う。

 そうだ。こっちに集中しろ。

 狙い目は、干渉力が弱まった瞬間。

 それまでは、耐えないといけないけど、何度か無茶してリニスの魔力を再成でなんとかして、

私は自己修復術式の権限を弄って、遣り繰りしてるけど、そろそろ限界っぽい。

 無言で私と蛇が向かい合う。

 その時、丁度私と蛇の中間を、デブリとなった戦艦の破損パーツが横切る。

 通過したタイミングで私と蛇が同時に動く。

 だが、私より速く動いた影があった。

「ハアァァァァーーー!!」

 フェイトだった。

 気合一閃。

 フェイトの三又槍は蛇と魔法陣のラインを断ち切った。

 魔力を武技のみで切断する。

 フェイトは、もう完全に会得していた。

 ラインを断ち斬られた蛇は、即フェイトに反撃した。

「「フェイト!!」」

 振り抜いた直後でフェイトは隙だらけだった。

 会得したと言っても、すぐに他の動きに繋げる事までは出来ていない。

 フェイトがシールドを展開するけど、それじゃ防げない。

 魔力の高い魔導士が、よくやるミスだ。

 今から剣で腕を斬り落としても、腕がフェイトのところに飛んでいったら、意味はない。

 地球から冷気の砲撃が、蛇へと直撃する。

 執務官の援護か!ナイス!

 僅かに拳の速度が落ちる。

 今のうちに!

 私とリニスが咄嗟にフェイトに飛び付く。

「ファランクス!!」

 展開出来るだけの障壁を多重展開させる。

 自身の身体が凍結するのも構わずに、蛇の拳が振り抜かれる。

 障壁の幾つかが砕ける衝撃と共に、私達は吹き飛ばされた。

 幸か不幸かデブリにぶつかり止まりそうだが、このままじゃ、フェイトをクッションにして

しまう。

 私は咄嗟に身体を入れ替え、フェイトを庇う。

 衝撃を緩和しようとして、目を見開く。

 クッソ!咄嗟で魔力を障壁に回し過ぎた!

 昔ならこんなミスしなかったのに!

 余計な魔力を使えば、宇宙で活動する魔法に支障をきたす程に、消費していた。

 意を決して、目を閉じて出来る限りの対ショック姿勢を取る。

 だが、1人と1匹を庇った事で、態勢が若干崩れる。

 受け身も取れずにデブリに激突してしまった。

 

 痛みには慣れていた筈だが、流石に頭部はきつかった。

 私の意識を失ってしまった。

 

  

 魔力大量消費に伴い、生命維持に必要な魔法の魔力保持の為―

 

 自己修復術式発動一時停止。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  




 本当なら、全て片付くまで書くつもりでしたが、無理のようです。
 次は本来ならサブ投稿を書くのですが、次も黒騎士になります。
 今、あと2万字くらい書いているので(汗)

 最早、チェックしきれないので、やむなく切りました。

 次は早く出来上がる筈です。多分…おそらく…。

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