魔法少女リリカルなのは  二人の黒騎士(凍結中)   作:孤独ボッチ

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 偶々、リリカルなのはの設定を調べている最中に、自分の考えとまるで違う事が
 分かり、冷や汗を掻いております。

 それを踏まえて、再構築しましたが、上手く出来た…と言いたい。
 それでは、どうぞ。

 お詫び 第11話について

 翌日には修正しましたが、修正前を読んだ方、申し訳ありません。
 今後は、仕事の関係で一日二日はおいて、客観的に見れるように
 なってから、チェックを行い、投稿しようと思います。


第11話 魔力の夢

              :なのはの夢

 

 魔法の力が目覚めたからかな。

 それが夢だと、すぐに気付いた。

 なんか、映像と自分が明確に切り離されてる感じ。空を飛んで、空から見下ろしてるような?

 これは、多分実際に起こっている事。私はそれを体験している。

 

 ここは、森林公園かな?

 多分、池があるあたりだと思う。

 茶色い髪の子が、黒い塊と戦っている。

 茶色い髪の子は、変わった民族衣装みたいな服にマントを付けている。

 バリアジャケット?かな。

 

 黒い塊の方が優勢に戦いを進めてる。

 黒い塊は、体から黒い砲丸みたいなものを、撒き散らした。

 茶色い髪の子は、急いで走って黒い球から逃げる。

 動きが、物凄く悪い。飛鷹君の動きと比べると、落差がある。当たり前なのかもだけど。

 戦闘経験自体ないんじゃないかな。

 黒い球はそのまま、ボートや橋桁、地面や木々に突き刺さる。どれも一撃で、壊れて小さなクレーターを造っている。茶色い髪の子も避けるのには成功してるけど、地面に突き刺さった黒い球の衝撃で飛ばされた。

「うわっ!!」

 受け身も取れずに、転がっていく。

 黒い塊は、黒い球で追い打ちをかけていく。

 茶色い髪の子は、倒れたままで回避出来ない。

「危ない!!」

 私は聞こえないと分かってても、叫ばずにいられなかった。

 

『シールド』

 

 茶色い髪の子の前に、赤いビー玉みたいなのがひとりでに浮いて、魔力で盾を造る。

 もしかして、デバイス!?

 黒い球を、盾で防ぎ切ると同時に盾が砕ける。

 その隙に、茶色い髪の子は立ち上がり、駆けだす。森の奥へ。

 黒い塊は追っていく。スピードも速い。茶色い子はあっと言う間に追い付かれる。

 黒い塊は、自分から細長い鞭みたいなのを伸ばして、茶色い髪の子を叩く。魔法の盾は間に合っているが、衝撃まで逃がせないみたい。また、茶色い髪の子は吹き飛ばされる。

 まだ、デバイスが護っているみたいだけど、黒い塊が今度は小さい球を高速で飛ばす。

 あんなに大きな球を防いでいた盾が、たった数発で破壊され、茶色い髪の子を…打ち抜いた。

 腕や脚、脇腹から血が流れる。

「いやぁぁ!!」

 ダメ!それ以上やったら、死んじゃうよ!!止めて!!!

 

 茶色い髪の子が木に叩き付けられる。

 私は自分を抓ったり、引っ叩いたりして、目を覚まそうとした。

 私には無理かもしれないけど、飛鷹君なら。

 ぐったりして、動く気配がない。もしかして、打ち抜かれた衝撃で、気を失ったのかもしれない。

 何も出来ない自分が悔しかった。悲しかった。見ているだけの自分が情けなかった。

 

 黒い塊がニヤリと笑った。

 邪悪って多分、この顔の事を言うんだって思った。

 そして、一気に巨体をぶつけるように、茶色い髪の子に突っ込んでいく。

 その時、気絶したようにみえた茶色い髪の子が、顔を上げ、赤いデバイスを突き出す。

 黒い塊が驚いたような顔をする。

「妙なる響き光となれ!赦されざる者を、封印の環に!ジュエルシード!!封印!!!」

 魔法陣が展開し、眩い光が放たれる。

「グオォォォ!!」

 黒い塊に光の帯が絡み付いていく。

 気が付けば、黒い塊の下にも魔法陣が設置されている。

 凄い!これを咄嗟に狙ったんだ!

 黒い靄がドンドン払われていく。

 苦悶の叫びを上げる黒い塊。

「お前は、こんなところに、いちゃいけないんだ!」

 デバイスからの光が強まる。

『シーリング』

「グオォォオオアァァ!!」

 黒い塊の中心から青い菱形の宝石が、姿を現す。

 しかし、それは一瞬の事。

 黒い靄がテレビの逆再生みたいに、戻っていく。

「なっ!?」

 今度は茶色い髪の子が驚く番だった。

 

 元に戻った黒い塊は、光の帯とデバイスからの光を振り払う。

 バリンッという音を立て、拘束を外すと細長い鞭を力一杯振られる。

「うわあぁぁ!!」

 木々の隙間を縫うように、遠くへ吹き飛ばれる。

 物凄い音を立てて、何かが転がる音がする。

 お願い!私!目を覚まして!助けなきゃ!!

 

 私の願いが通じた訳じゃないだろうけど、黒い塊の動きが止まる。

 あんなに、容赦なく追撃してたのに、どうして?

 急に辺りをキョロキョロと見回す姿は、先ほどまでの凶悪さは感じない。まるで、天敵に狙われた野生動物みたいだ。

 黒い塊は、黒い靄を菱形の宝石の中に仕舞い込み、池に飛び込んでいった。

 

 茶色い髪の子は、傷付いた体を無理に起こそうとしていた。

「ダメだ…。待ってくれ。……らないと」

 力尽きたように、そのまま倒れると、光に包まれフェレット?に変わった。

 え!?嘘!?

 デバイスは力を失ったように、地面に落ちる。

 

 私は急に視界が暗くなり、何も分からなくなった。

 

 

              :なのは

 

「変な夢見た…」

 私は朝日と共に起き上がる。

 少しづつ目が覚めてくる。

「って!!夢じゃないよ!!!」

 私は急いで、携帯電話を手に取ると、登録しているナンバーを呼び出す。

 コール音が、もどかしい。早く出て!

『はぃ。飛鷹』

「飛鷹君!?なのはだけど!昨日の夢見た!?」

『夢?』

 もしかして、見てない!?

 私は昨日見た夢の話をした。

 飛鷹君は黙って話を聞いているみたいだけど、反応は何となく鈍い。

「飛鷹君!聞いてる!?」

『ああ、それ、森林公園なんだよな?俺さ、魔力反応があったから、昨日の夜森林公園行ったぜ。傷付いたフェレットも黒い塊もいなかった』

 え!?ホントに!?

「じゃあ、夢だったって事?」

『待て待て、魔力反応があったって言ったろ。なのはが言うんだから事実だろ』

 それに、公園内はかなり壊されていたようだ。

 でも、なんか信じて貰えて嬉しい。

『一応、リスティ刑事には、親父を通じて伝えて貰うよ』

 追加で情報も入れておく、って飛鷹君は言った。

 飛鷹君は、魔法の事を両親に打ち明けたみたい。二人とも納得して貰ったみたい。でも、なんか複雑そうな顔してたけど、どうしてかな?

 

 結局、朝の訓練は気になるから、森林公園でやる事になった。

 いつもは、ランニングしながら、海鳴臨海公園を見下ろせる丘まで行くんだけどね。

 

 飛鷹君(ともう一人の子)に助けられた後、すずかちゃんのうちでの話し合いの結果、私は本格的に魔法使いとしての訓練を飛鷹君に付けて貰える事になりました。正確には魔導士っていうらしいんだけど。

 当初はうちの道場でやる事を考えていたんだけど、飛鷹君が狭いし、私の魔力制御の失敗で吹き飛んだら、不味いって言って却下されたの。

 流石のお父さん達も、渋々納得したみたい。

 

 飛鷹君とは森林公園の入り口で待ち合わせている。

 私は、身支度を整えて、ジャージに着替えて出発する。

 

 

               :飛鷹

 

 なのはからの話で原作に突入したとみるべきだろう。

 でも、聞いた話だと、原作より思念体は過激になっているようだ。まあ、俺とか()()()()()()とかのバグキャラがいるんだから、このくらいの変化は予想出来るけどな。

 しかし、大きな問題が存在している。

 

 ()()()()()()()()()

 

 大抵のオリ主って、なのはと同じ夢を見る事で、原作開始を覚るけど、俺見てないよ!もうオリ主なんてもんに拘ってないけど、こういう差異って怖いぞ。どう変化したのやら…。まあ、出来る事をやっていくしか、ないんだけどな。

 

 なのはが、やっぱり森林公園での事が気になるそうなので、今日の訓練は、森林公園に行く事になった。

 別に、俺の事を信用してない訳じゃないだろうけど。

 

「飛鷹く~ん!おはよう!」

 なのはの声が聞こえてくる。

「おはようさん」

 俺もなのはに挨拶を返す。

 なのはは急いでやってきたようだ。何時もより、息が切れている。

 

 最初に念の為、森林公園を広域サーチを掛け、更に念を入れてランニングしながら探す。

 そこかしこに警官の姿が見える。リスティ刑事流石だな。もう、動いてくれたか。

 やっぱり、フェレットの姿は、見付ける事が出来なかった。

「無事に、ここを離れたのかな…」

 なのははまだ少し心配そうだが、納得出来たようだ。

 今朝、なのはに言ったように、俺は魔力感知した段階で、現場に急行している。が、間に合わなかったのか、発見出来なかった。

 

「あの…。もしかして、怒ってたりする?」

 並んで走っている時に、不意になのはから話し掛けられた。

「え?なんで?」

「なんか、難しい顔してるから」

 どうも、機嫌が悪く映ってしまったらしい。いや、信用して貰ってる事は知ってるし、分かってるよ。大丈夫だよ。怒ってないから。

「違う違う、俺、間に合わなかったし、夢も見なかったなってね」

「……」

 なのはも、どう言っていいか考えているようだ。

『なのは嬢が夢を見たのは、可能性として、なのは嬢がまだ魔法の制御が未熟だから』

 いきなり会話に参加するスフォルテンド。

 どういう事だ?

「お前、原因分かるのか」

『そりゃ、分かるだろ?』

 当然のように言う、俺のロクでもない相棒。

『まだ、幼く未熟な奴は、無意識にそういう魔力波長を受信しちまうんだよ。加えて、なのは嬢の場合、もう一つ可能性がある』

 俺が夢を見なかったのは、見た目は子供、頭脳は大人を地でいってるからなのか?

『なのは嬢は、たった二週間程度で、ミッドにいる並の魔導士より、魔力制御が出来てる。幼さだけなら、受信する可能性は低い。つまり、一番デカい原因は、なのは嬢は他人の魔力と同調出来るってものだ』

「同調?」

 なのはの頭にも、俺の頭にもクエッションマークが、幾つも浮かんでいる。

『幽霊が見えるメカニズムを説明するのに、ラジオのチューナーを例に挙げられるだろ?つまり、なのは嬢はどんな周波数でも、合わせられるチューナーって事だ。同調する事で、魔力をより詳しいレベルで感じられるんだよ』

 それって、今回以外で役立つ事があるのか?

『なのは嬢が収束砲を使えば、相手の制御を離れた魔力でも、再利用して使う事が出来るだろう』

 え?それって、原作より威力が上がるって事っスカ。ただでさえ、殺し技最終形態が。

「その、なんとか砲は兎も角、つまり、茶色い髪の子は私に、何かメッセージを送った訳じゃなくて、私が勝手に同調?して見ただけって事かな?」

『その理解でいい』

 魔力を持ってる主人公に助けてメッセージでも送った、とか思ってたよ俺。

『他にもエリアサーチの精度が、他の魔導士の比じゃなくなるな。なにしろ、専門機器も使わずに、人物特定が出来るんだからな』

 ああ!アッサリ俺の正体がバレたのは、そういう事だったのか。

 ドラゴンボールの気じゃあるまいし、魔力では人物の特定は個人では出来ない。次元航行船のセンサーでもない限りは、魔力反応を感じる程度なのだ。流石主人公ですね。

 

 暫く走ると、リスティ刑事がいるのが、見えてきた。

「チィース」

「おはようございます。リスティさん」

 リスティ刑事は声で振り返る。

「君達か、飛鷹君、挨拶はキチンとしたまえよ。なのは君を見習え」

 うるせぇよ。

「で?どうです?」

「菱形の宝石も、化け物も、フェレットも見当たらないね。破壊の痕跡がなきゃ、帰るところだよ」

 俺は一応確認をとる。

「ジュエルシードっていうらしいですけど。危険物ですから…」

「分かってるよ。制服警官に見付けても、直接触れるなと言ってある」

 遺失物扱いにもなっているので、交番に届けられても、警官が見付けても確保する体制を整えているそうだ。

「それでも、確実じゃないですけどね」

 リスティ刑事は眉間に皺を寄せる。

「厄介だね。魔法って奴は」

「なので、基本回収は俺がやります」

()()()()()()と一緒にかい?」

「あんまり、期待出来ないと思いますよ」

 奴はロボットが出てきた時、手を貸さなかった。なのは達を助けに来た筈なのにである。

 安易に味方と判断する訳にはいかない。事によると、あのロボット暴走は奴の差し金、という事もあるかもしれない。

「それが、確実かな」

 俺は無言で頷いた。

「それはそうと、打ち明けたそうだね」

「ええ、まあ…」

 俺は曖昧に濁した。

 流石に転生者である事まで、明かさなかったけど。

 打ち明けた時、やけにアッサリと納得してくれて、拍子抜けした。

 俺の苦悩って一体。

「彼も喜んでたよ」

 あれ?そうだったの?表情に一切の変化がなかったけど。

「不思議そうな顔をしているね。彼はこの街でベテランの刑事だよ。彼も慣れてる」

 そもそも、海鳴署ではFの符丁で呼んでいる事案があるらしい。不思議のF、HGSの羽のF、由来はそんなところらしい。俺もそういうカテゴリー扱いされるそうだ。

 

 この警官の数では、魔力制御訓練をやる訳にはいかないので、体力作りのみとなった。

 引き続き、放課後に捜索範囲を広げて、探す事に決めた。

 

 

               :美海

 

 私は、通学路からかなり外れた河川敷に来ている。

 ここで、ユーノ君とお別れする予定である。

 本当はあんな映像バラ撒いた事に、文句を言うつもりだったのだが…。

 

 なんでも、私が夢を見たのは、ユーノ君の所為ではなかったらしい。

 リニスから説明を聞いたが、ベルカ時代そんな事なかったけどな。

 残る原因は、私が魔力と同調したというもの、なにしろ本人が枕付近にいた訳だからね。ってそれでも、おかしくない?今まで一度もないんだよ?

「多分ですけど、美海がミッド式魔法を習得した事も原因だと思いますよ?」

 リニス談である。

 ミッド式は脳内に魔法領域と魔法演算領域の二つがある。ベルカ式は魔法演算領域のみである。魔法領域を作成した事で、魔力をより深く感知出来るようになったのでは?という事らしい。

 魔法領域は、目に見えない本棚とでも考えればいいと思う。その分だけ、記憶領域に余裕が出来て、新しい魔法を入れられるという訳だ。外部記憶装置の方がいいかな?

 魔法領域が必要になる理由は、演算領域では幾つもの魔法を併用しながら戦うミッド式には、不向きになってきた為のようだ。時代が進むにつれ、必要とする魔法が増えているそうだ。だがら、魔法領域に魔法を格納し、演算領域で規模・威力計算を行う仕組みが、出来上がったようである。

 ベルカ式では、記憶領域に魔法を格納し、演算領域で計算を行う。

 私は記憶領域だけで、事足りるけどね。ミッド式って無駄な術式多いからじゃないの?でも魔法領域もあれば、もっと便利ですけどね(爆)。

 

 河川敷を選んだのは、聖祥に通う子が通らないからだ。それに、死角になる遮蔽物もあるしね。

 私は、騎士甲冑を纏うと、ユーノ君が入ったケージを開けて、ユーノ君を出して起こしてやる。

 リニスも人形態になって貰う。

 うっかり猫形態の時に鉢合わせして、バレるなんて御免被りたい。

 

 化成体作成の要領で、鴉に監視させたけど、フェイトちゃん達も、早速動き出したみたいだし。

 

 流石にユーノ君には、ちょっと申し訳ないよ。

 

 

               :ユーノ

 

 僕は軽く体を揺すられる感覚で目を覚ました。

 そう言えば、結局眠らされたんだっけ。

 僕はフェレットのまま、二人に顔を向けた。

「おはようございます?」

「うん、おはよう」

「おはようございます」

 うん、朝で間違いないようだ。恐らく、一夜明けたところだろう。

 黒いバリアジャケットの人も使い魔(恐らく)の人も、なんだか雰囲気が暗い。

「実はね、協力するって言ったけど、出来なくなったんだ」

 黒いバリアジャケットの人が、申し訳なさそうに言った。

 使い魔の人も辛そうに頭を下げた。

「どういう事でしょうか?」

 責めるつもりは毛頭ないけど、事情を聞いておきたかった。

「私達の目的の人物が、どういう訳か、この世界に現れたんだよ」

 そう、彼女達は()()()()()()()()()()()()と言った。

「もしかして、その人物はジュエルシードを?」

 黒いバリアジャケットの人は苦々しく頷いた。

「鴉を使って監視させたんだけどね。件の人物は昨夜の内に一つ確保したよ」

 鴉!?いや、今はジュエルシードだ。

 まさか、次元犯罪者!?だとすると不味い。早く取り返さないと。

「これだけは、教えてください。その人物は次元犯罪者ですか?」

「違います!!」

 使い魔の人が、すごい剣幕で否定する。

「私達は、もし犯罪行為をするようなら、止めるつもりだけど、話によっては一時協力するかもしれない。全てが終わったら君に返す、なんて安請け合いは出来ない。恨み言なら聞くし、恨んでくれてもいい。ただし、恨むなら、私だけにして欲しい」

「っ…マスター!!」

 僕と目線を合わせるように、しゃがみ込み、揺らぎのない目が僕をジッと見つめている。

 この人には覚悟がある。自分の目的を果たす為なら、他人に恨まれても、それで傷付けられたとしても、やり遂げるだろう。

「分かりました。残念です」

 僕もしっかり相手の目を見て答えた。

「裏切っといて、と思うかもしれないけど、君は帰った方がいいと思うよ。君は戦闘に向いてない」

 心配してくれているのは、よく分かった。だけど、僕もこのまま帰れない。

「ありがとうございます」

 だから、せめてお礼を言った。心を込めて。

「じゃあ、これ」

 黒いバリアジャケットの人は、何かを放って寄こす。

 僕は、反射的にキャッチする。フェレットでは抱き締めるような格好になる。

 一度、地面に置き見てみると、ジュエルシードだった。

「いいんですか?」

「私なりのケジメだと思って貰えばいいよ。私は必要なら他を確保するから」

 それは彼女達は語外に、いつでも集める事が出来ると言っている。

 思念体とは戦闘になった上で、言っている筈だ。

 彼女は、会ったその日に言っていた。()()()()()()()()()()()

「敵対するような事に、ならない事を祈ります」

 僕は本心から告げた。

「うん。それじゃあ、気を付けて」

 そう言って、彼女達は去って行った。

 

 僕は覚悟が足りていないのかもしれない。僕に戦闘は向いてない。認めるしかない。この世界に彼女達みたいな人が他にいるなら、協力をお願いしよう。

 

 例え、それがどんなに勝手でも…。僕が始めた事なんだから。

 

 

               :飛鷹

 

 放課後。

 俺は安達達に、帰る事を告げると扉に体を向けた途端に、なのはに腕を掴まれる。

「は!?」

「飛鷹君!帰ろう!!」

 ズルズル引きずられて行く。

 俺は、安達達の方を振り返ると、全員で合掌していた。縁起でもないから止めろよ!!

「おかしい人を亡くしてしまった」

 何故、そのネタを知ってる!?いや、おかしくないか?

 気が付けば、俺は腕を掴まれたまま、校門を出ていた。

 

 

               :アルフ

 

 アタシはご主人様のフェイトと一緒に97管理外世界に来ている。

 勿論、あの鬼婆の頼みでだ。

 フェイトは、この世界に来てから、ほんの少しだけ明るい。

 

『ジュエルシードさえあれば、ようやく終わるのよ』

 

 鬼婆はそう言っていた。

 フェイトは、鬼婆のやっている事が終わり、元の優しい母親に戻ると思っているようだけど…。

 アタシはそうは思えないけどね。フェイトの喜びに水を差したくなくて、言ってないけどね。

 アイツからは、愛情の匂いがしないんだよ。

 

「アルフ。そっちはどう?」

 私の目の前に、ウィンドウが開きフェイトが映る。

「こっちは一つ見付けたよ!」

「私も一つ。昨日のと合わせると、もう三つ集まった」

 アタシは笑顔を向ける。ご主人様の為に。

 

「早く、届けてあげるんだ!」

 

 フェイトの嬉しそうな声に、アタシは心の中で不安を感じた。

 




 飛鷹が夢を見なかったのは、純戦闘魔導士としての側面が、強調された為です。
 美海が夢を見たのは、魔法の才能がMAX状態であるからです。
 なのはちゃんと同等に、魔力を感知する事が出来ます。
 因みに、フェイトちゃんは寝てません。テンションが上がって、そのまま探し続けました。

 更に封印の呪文ですが、輪が環になっていますが、ワザとです。

 いつになったら、原作1話が終了するのか?
 多分、1話が終了したら、サクサク進むと思います!(大風呂敷)

 我慢して、付き合ってやってください。

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