僕の青春コンティニュー   作:青空 優成
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語弊力の無さをどうにかしたいこのごろ…(致命的


成田 蒼空とゲームスタンス

朝、学校に登校して、いつものようにスマホのソシャゲをしていると、ふいに声をかけられた。


「お…お、おはよう…成田」


「へ?……お、おはよう…?」


金髪ツインテに手を降られながら挨拶をされた。
ってえええ?!昨日あんなに「普段通りにな!」とか言ってて、そっちから挨拶してくるの!?
見ると、瀬川もガチガチに緊張しているようだ、手が震えてる。
手を振り合うこと、2秒ほど。
急に瀬川の顔が剣幕に変わっていくと…


「ちょ!はぁ!?何挨拶してきてるわけ!?昨日あんなに普段通りって言ったじゃん!」


(ええええええええええええええええ)


あまりに理不尽な罵倒が僕を襲う。


「いや、ええ…それは理不尽すぎないか…?」


そんなやり取りをしていると、周りのクラスメイトから
「え、なになに?」
みたいなひそひそ声が…
当然、僕達はただの友達であるわけで、やましい事なんか何も無いのに何か誤解されているようだ。


「っ!ああもうっ!」


瀬川はズカズカと自分の席の方に歩いていき、鞄をバンッ!と机に叩きつける。


(こっええええええええ……)


今少しだけ、ラスタを垣間見た気がした。
キレるとラスタもあんな感じになるんだよなあ…
現実の瀬川もそうなのか…うわあ…。


するとクラスメイトの確か…広末なんとか君がこの超絶孤高のぼっちである僕に話しかけてきた。


「な、なあ…お前、玉砕したの?」


「玉砕?」


よく意図が分からなかったのでとりあえず聞き返しておく。


「フラれたのかって話」


どうやら、恋愛絡みと誤解されたようだ…


「そんなんじゃないって…」


「そか、まぁ、なんか知らんが…頑張れよ」


ニカっと笑い元のグループに戻っていく広末君、リア充って感じだなぁ…と僕が関心していると、スマホからピコンッと通知が来た。


「さて、やるか」


また僕の平凡な一日が始まっていく_____。






カタカタカタと、コントローラーの音だけが響く部室にて、
ゲーム部員達は一心不乱に画面を見つめていた。
僕達が今やっているのは格ゲーで、有名なスマッシュ〇ラザーズ。
補足しておくと僕は全てのゲームが上手いわけではない、むしろ下手糞。だからこんな風に___


「えっとー…成田?アンタ弱すぎない?」


成績___0勝14敗。


「いやぁ…ははは、ってそういえば皆、キャラ変えないの?」


最初から今の試合までずっと皆同じキャラしか使っていない。
僕はといえば毎回ランダム設定だけど…。


「んー、まぁ持ちキャラっての?アタシはコイツが好きだからさ」


持ちキャラか…うん、分かる。


「私もこのキャラが一番使い慣れてるので…」


戦いは勝ちたいもんね…うん、分かる。


「自分は、えと…そ、そうですね、確かに同じキャラばっかり使っちゃってたかもしれません!ほかのキャラも使ってみます!」


ちさとがカーソルをランダムにセットする…え??


「ちさと、それ持ちキャラでしょ?ランダムにしたけど…いいの?」


僕がちさとのカーソルを指差して問う、
と笑顔で


「はいっ!もうそろそろ他のキャラにも慣れておきたいですし!」


と答えてきた。今


「あ、うん、慣れるためだよね」


少し寂しげに俯く僕、僕はゲームは楽しんでやりたい派で、ガチで勝ちに行ったり…する時もあるけど、なるべくワイワイとやりたい派でして、さっきからやられる度に「うわー」だの「ちょちさと待っー!」だの「くっそぉ!」だのを発しているのは僕だけだった。
ネトゲならワイワイと喋りながらやるのに、格ゲーや別ゲーになった途端、皆黙ってもくもくと打ち込む……
それが別に嫌だ!って訳ではないのだけど…やはり楽しさには欠けるというか、いや勿論楽しいけど…なんかチガウって感じで。


でもそんな僕に、ちさとは「それに」
と付け足して、もう1度微笑んで


「色んなキャラ使った方が楽しいですから!」


(~~~~~~~っ!)


「……よか、良かった〜。なんか皆持ちキャラばっか使うから僕だけ変なのかと思ってたよ…ちさと、だよね!楽しいよね!まあ持ちキャラを持つってのも大事だけどね!」


「そんな除け者なんて思ってませんでしたよ!?」


「お、思ってなかったのぜ……」


「瀬川!?思ってたでしょ!キャラがブレてるよ?!」


変な語尾になってる瀬川につっこむ。
するとチッ!と舌打ちされた。
(えーーーー)


「思ってたわよ!いつまで経っても下手くそだし一つのキャラに絞って使い続ければもっと上手くなれるのに!とか思ってたわよ!ああっもう!」


ちょっと怒り気味に言ってくる。
それを聞くと僕はぺこりと頭を下げて


「いや、それについてはごめん、確かに僕、ゲームとか下手くそで上達も遅い…けどゲームは僕にとってはなんていうのかな、娯楽なんだ、瀬川や皆みたいにガチでやり込むのもそれも一つの楽しみ方だとは思うし、ガチゲーマーだからなんだとかは全然思わないし絶対思わない。むしろ尊敬する。けどそれでもやっぱり僕はガチでやるよりかは自分なりに楽しんでいきたいんだ。それでもし不快にさせてしまうようなら僕はこの部活を辞める、みんなにそんな思いや迷惑かけてまで居たくはないし」


僕が思ってるゲームスタンスを皆に伝える。
少しの間空白の時が流れ…(やっちまったかな…はは)なんて思って、ずっと頭を下げたままにしていると、
肩にポン、と手を置かれる。


「なに言ってんですかそら、自分も下手くそですし、むしろそらのゲームスタンスには自分も同感ですよ!でもでもっ、それでもやっぱり自分、好きなゲームや好きなキャラが居ると一心になっちゃうんですけどっ!だから、謝る必要なんてないですよ、そら」


と、ちさとが言ってくれる…
に続いて松田さんも


「そうですよ!誰にだってゲームスタンスの違いはありますよ!かくいう私のゲームスタンスは成田君のとは少し違いますが、どんなゲームでも一番を目指す。です!でも私も成田君のゲームスタンスを否定したりはしないので悪しからず!だから謝るなんてないですよ、顔をあげてください」


顔を上げると、ちさとと松田さんの2人が僕に微笑んでくれていた。
あ、この感じ……


(ネトゲでもあったなぁ…)


なんて、少ししみじみとして、それと2人の言葉が心に染みて、泣きそうになる、が流石にそれはマズイと思い堪える。
横を見ると、頬をポリポリとかいて、気まずそうにする瀬川。


(俺が下手くそで上達しないのが悪いのに、瀬川は何も悪くない)


そう思って瀬川に声をかけようと___


「あ、あたしも言い過ぎたわよ、ごめん」


__したら謝られてしまった、ああ僕!何してんだ!瀬川は何も悪くないだろう!


「いや、気にしないで、むしろ瀬川にボコボコにされて逆にスッキリしてるから」


とフォローになってないフォローを入れると、若干青ざめた瀬川がぷるぷると僕を指指し


「ど、ドM…キモッ」


「瀬川がキモリになってしまった!」


「誰がポケ〇ンよ誰が!」


瀬川がバンバンと机を叩いた所で、改めて、


「それで、僕…ゲーム部に居てもいいんでしょうか?その、下手くそだし、向上意識も無いですし…皆高みを目指して奮闘してるのに、僕だけ…」


今度は俯かず、しっかりと皆の方を向いて、何を言われてもしっかりと受け止めるべくする。


皆、少し俯いて考える…。
瀬川とちさとはすぐに


「自分もそらと同じようなゲームスタンスなので…なんとも言えないですです…」
「あたしは格ゲーはガチだけど、それ以外は特にって感じだし…部長次第かな…」


じぃっと、松田さんを見る3人。
少し俯きながら考え続ける松田さん…
真剣に、真剣に考えてくれている…
ドキドキと宣告を言い渡される被告の気持ちになりながら、
答えを待つ。
そして、答えを待つこと数分、すうっと息を吸ってから、僕の目を見つめてながら、告げてきた。


「成田君には言ってませんでしたが…、この部活には他にも部員が居ます、部長の私、そして瀬川さんに天ケ谷さん、最近は来てないけれど、三橋君に染谷さん…」


「そして、皆…天ケ谷さんも含めて向上心がある、得意、不得意関係無しに。確か楽しむことも重要だけど、仮にも部活だから…、結果は残さないといけない…部活を立ち上げた時の条件なの…。だからゲーム大会なんかにも参加して結果を残してるし…。だから、向上心は欲しいかな…って」


言い終わったのか、僕の発言を待つ松田さん。
僕は全てしっかりと聞き、それを受け止めた上で、
もう1度しっかりと考える。


__向上心を持てば、このゲーム部に残れる。
この、僕なんかが…ぼっちである僕が、
同じゲーム仲間、ギルメンと楽しく、時に競いながら、
一緒の空間で楽しめる。
夢みたいだ、ずっとずっとそんな現実を求めていたじゃないか。
でも__
それでも__
僕は_____
僕は胸を張って、笑顔で、それはもうしっかりと松田さんも見つめて、
こう告げたのであった。



「僕にとってはやはりゲームは娯楽であってスポーツではないんです…だから、すいません!!」


_____馬鹿だ。僕は馬鹿だ。
その求めていた現実を自分から断るなんて。


悲しげ表情をして、松田さんは、「そう」と呟き、
手をパン!と合わせて


「………それじゃ、今日の部活はここまでにしましょうか…」


こうして、馬鹿な僕のゲーム部生活はたった1日で幕を閉じたのであった。



無言の腹パンを何度も喰らいたい位に語弊力の無さが滲み出始めている…が、楽しめてかけているので問題ない(ないのか?)
最後までお読みいただきありがとうございます!
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