ダークソウルif 作:コッコ
翌朝、レヴァンはフェリシアもフローラも起きていない明け方に出る事にした。
レヴァンは悲しませない様にとの配慮でもある。
「村を救って頂いたのにもう、お行きのですか?」
「あぁ・・・私はもう少し旅をしておきたくてね。フェリシアとフローラに黙って行ってしまった事を代わりに詫びといてくれませんか?」
「分かりました。この先を真っ直ぐに進めば道が現れる筈です。その道が見えればもう迷いません」
クーリアの指差す方向をレヴァンは見て、再びクーリアに向いて頭を下げた。
「ありがとう。では、また何処かで会いましょう・・・」
レヴァンはそう言うと、雪の広がる大地を真っ直ぐに進んでいく。
「・・・本当に不思議な人ですよね。あれだけ強いのに、どの国にも仕えないなんて・・・」
「何か訳でもあるのだろう・・・そうでなければ、常に逃げるような面影を見せたりしない・・・」
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レヴァンは真っ直ぐに突き進むと、道が見えたのを確認し、道の上に立った。
レヴァンは道を進んで旅に出る前に、クーリアから貰った地図を頼りに歩いて行く。
「ふむ、この先を進めば幾つかの中間を抜けると、シュヴァリエと呼ばれる街へ行くのか・・・」
レヴァンはそう呟きながら地図をしまうと、歩きだす。
ひたすら歩いて目指し、雪も見えなくなった土地まで来ると、異変を感知した。
【闇霊 人喰いミルドレッドが侵入しました】
レヴァンは非常に身震いした。
人喰いミルドレッド。
かつて、病み村で遭遇した闇霊だった。
ほぼ全裸だが、巨大な包丁で襲い掛かってきて、何とか倒しクラーグ戦を手助けした謎の女。
だが、レヴァンにとってはとてもトラウマな女である・・・何故なら。
「レヴァちゃーーーん!」
「来るな、近寄るな!ミルドレッドーーーー!!!」
何故かストーカー化しているのである。
「もう、中々見つけられなかったから心配したよ!」
「抱き付くな!気色悪い!!!」
「もう、そんなに私の事を惚れてるのね~」
「(は、話を聞いていない・・・)」
レヴァンは最初の世界からずっと、ストーカーしてきては何処だろうと現れてくるのだ。
闇霊なので倒せば済むが、すぐに戻ってくるので滅多な事では生者には戻らなかった。
ミルドレッドは何回も侵入しては、別の意味でレヴァンを襲ってくるのでトラウマになった。
「離せ、ミルドレッド!」
「離さないよ!今度こそ私の物にしてやるから!」
「ちくしょーーー!!!」
レヴァンは堪らず慌てて出した盗賊の短刀で連続で突き刺す。
流石のミルドレッドも痛みで放れるが、笑っている。
「もう、意地悪~。ふふふ」
「はぁ・・・はぁ・・・。一体、どうやって此所へ来た?」
「あぁ・・・それがねぇ・・・私も分からないけど、何故か飛ばされたのよね。生身ごと」
「な、生身・・・まさか」
「そう、今度は霊体だけじゃないわよ・・・」
ミルドレッドの言葉にレヴァンは非常に寒気を感じた。
ストーカーのミルドレッドが霊体ではなく、本体で来るとは思わなかった。
「それに、他にも来てたわね?太陽の戦士やら火防女やら・・・」
「待て!それはつまり、他の奴等も来ているのか?」
「多分ね・・・この先を行って左の道に行くと森があるから、そこを進んで行くと、貴方にとって始まりの場所へ行けるわよ」
ミルドレッドはそう言うと、自ら姿を消した。
レヴァンはミルドレッドの言葉が気になり進んでみると、確かに左に道があり、森がある。
「・・・行ってみなければ分からないか」
レヴァンは左へ進み、森へと足を踏み入れる。