ダークソウルif 作:コッコ
レヴァンは身構えると、氷結デーモンは走ってきて剣を振るってくる。
攻撃方法は殆んど熔鉄デーモンと同じだが時々、強力な攻撃や鋭い氷を回りに出現させたり、巨大な氷の柱を突如、突き出してきたりする。
だが、レヴァンも負けずと、氷結デーモンが接近してきたら炎のロングソードで、近づけず遠くにいる時はロングボウと炎の矢で応戦する。
レヴァンが隙を突いて、後ろに回り込みつつ少しずつ攻撃していき、相手の体力を削り落としていく。
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村内では、外から響く戦いの音に不安を抱くクーリアと住民達がいた。
氷結デーモンの攻撃である、氷の柱が村内で見えると、村人に動揺の声が走る。
「クーリア様。本当にあの余所者はあの怪異に勝てるのですか・・・?」
「・・・怪物殺しの異名を信じるしかない」
「クーリア様!」
不安の中、クーリアの使用人が走ってきて来た。
「フローラ様が・・・!フローラ様がいません!」
「何だと!?・・・まさか」
クーリアは嫌な予感を抱きながら、戦いが行われている村の外を見る。
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「ちッ・・・思った以上に氷の攻撃が効くな・・・」
レヴァンはエスト瓶を飲みながら悪態をつく。
氷結デーモンは不死の世界では見られなかった氷属性を放ち、レヴァンに襲い掛かってくる。
何の耐性もないレヴァンには、とても辛い戦いだった。
「・・・ん、あれは・・・クーリア殿の・・・」
レヴァンは戦いの場にあの水色の少女を見つけた。
少女は岩に隠れ、ガタガタと震えており、今にも泣き出しそうになっている。
「不味い・・・氷結デーモンが気づく前に何とかしなければ・・・」
レヴァン身構えた時、氷結デーモンは向かって来ようとしたが、何を思ったのか氷結デーモンは少女の方へ振り向いた。
「ひぃッ!」
「グオォォォォォ!」
「逃げろ!!!」
氷結デーモンが少女の存在を知ると、真っ直ぐに少女へ向かっていく。
少女は逃げるが、突然少女の前に氷の柱が現れて阻む。
氷結デーモンは追い付くと、少女に無慈悲に剣を振り上げた。
「父さん・・・!」
少女はそう言うと、氷結デーモンは剣を振り下ろした。
少女は死を覚悟して目を瞑っていたが、何時まで経っても痛くなく、様子を見る為に目を開けた。
そこには、咄嗟に出した巨人の盾を両手に持って防ぐレヴァンの姿があった。
「怪我はないか?」
「は、はい・・・」
少女の言葉を聞いたレヴァンは安心した様に頷くと、氷結デーモンと向き合う。
「氷結デーモンを倒すまでは出られない・・・だから」
レヴァンはそう言い掛けると、巨人の盾をしまって少女を抱き抱えた。
「しっかり掴まってろ。振り落とされたら死ぬと思えよ?」
「はい!」
レヴァンは右に炎のロングソード、左に少女となり、戦いずらくなった。
氷結デーモンはお構いなしに突っ込んできて、レヴァンへ攻撃してくる。
レヴァンはローリングが出来なくなったが、華麗なステップで避けていき、氷結デーモンを攻撃していく。
レヴァンが何度か攻撃すると、氷結デーモンは怯んだ。
「(今だ・・・!)」
レヴァンはそう思うと、炎のロングソードを連続で叩き込む。
レヴァンは体力が続く限りに振るい、氷結デーモンがまた攻撃して来ようとしたが、レヴァンが強攻撃を一撃当てた瞬間、氷結デーモンは攻撃を停止してゆっくりと倒れていく。
「グオォォォォォ・・・!」
氷結デーモンは倒れると消えていき、レヴァンの元にソウルが集まる。
【氷結デーモンのソウル】
レヴァンの頭にそれが過ると、完全に倒したと判断して少女を下ろした。
「・・・それで。何故、あんな所にいた?」
「・・・」
「黙っていたら分からんぞ?」
「・・・ごめんなさい。私、フェリシアが羨ましく思って・・・それで、村の外で落ち着くまで妬んでいました・・・」
「それは・・・お前も俺のファンなのか?」
レヴァンは問うと、少女は頷いた。
「・・・そうか。だが、お前は妹に自慢できるぞ」
「え?」
「お前は私の戦いを間近で見れた。それは、本では体感出来ない事だ。危なかったが、それでも、中々味わえない経験になったのは間違いない」
レヴァンはそう言うと、少女の頭を撫でた。
少女は顔を紅く染めながら嬉しそうに微笑む。
「さて・・・戻る、ん?」
レヴァンは戻ろうとした時、地面に何か落ちている物を見つけた。
レヴァンは近づいて拾ってみると、それは氷結デーモンの使っていた剣だった。
【氷結の剣】
頭に名前が過ると、レヴァンは少し振るってみる。
普通に振るうと、氷結の剣は何の反応もないが、両手に持って振り下ろすと氷が一直線に伸びた。
「す、凄い・・・」
「あぁ・・・まさかの良い拾い物だ。さぁ、戻ろう」
レヴァンは少女の手を引きながら歩いて行く。
「そう言えば、お前は何と言う名前だ?」
「フローラ・・・フローラと言います・・・」
フローラは名乗ると顔を少し紅くしている。
レヴァンは風を引いているのかと考え、少し足を早めるのだった。
【氷結デーモンのソウル】
この世界に名も無きデーモンが迷い混み、豪雪の中で氷を操るデーモンへと変異した。
この世界ではイレギュラーである、不死人による影響なのだろうか。
【氷結の剣】
氷結デーモンから取れた氷を操れる剣。
とても凍てつく剣であり、並みの者が使えば心までも凍りつく。