ダークソウルif 作:コッコ
Darksideの方が非常に難産になっており、更新が遅れます。
楽しみにして頂いておられる読者様にご迷惑をおかけしますm(_ _)m
レヴァンは凍えそうな風の中、歩いていた。
錆びた指輪を填めて足場の悪さを克服し、雪の大地からの脱出を目指していた。
何れくらい歩いたか分からないが、もう太陽が昇っても良い頃合いなのに昇らないと言う事は、暗夜王国内にいるのだとレヴァンは考えた。
「意外と寒い物だ・・・この辺りに集落は無い物か・・・」
レヴァンは途方に暮れながら歩き続けていると、明かりがちらほらと見えた。
「集落、か・・・?とにかく行ってみよう・・・」
レヴァンは歩きだそうとした時、足下に矢が突き刺さった。
レヴァンは北騎士の剣の代わりに炎ロングソードとカイトシールドを構えた。
「そこを動くな!」
声が聞こえると同時に、小数の武装した兵士に囲まれた。
数人が弓を構えて警戒している。
「貴様・・・何者だ。暗夜の者でもなさそうだな?」
「私は・・・ただの旅人だ。この辺りを旅していたのだが、道を見失ってしまったんだ。すまないが何処か休める場所をくれないか?」
「部族の掟により、村へ余所者を入れる訳にはいかん。早々に帰れ!」
兵士がそう言うと、レヴァンは集落もとい村へ行く事を諦めた。
「なら、せめて道を教えてくれないか?」
「いいから、帰れ!」
レヴァンは道すら教えてくれないのかと思い、とにかく離れようした時、後ろから声が掛かった。
「待て旅人よ。・・・一晩だけなら休んで行っても良いぞ」
「クーリア様!この者は余所者ですぞ!」
「だが、この者を道も知らずに行かせてしまっては凍え死ぬのは明白・・・万が一の責任は私が取る」
「・・・分かりました」
村の長と思われるクーリアの説得を受けて、兵士達は村に戻って行く。
「すまないな。この村を守る為に余所者を入れない様になっているんだ」
「いや、お陰で助かった。こんな雪の中を歩き続けたくはなかったからな・・・」
「そうか・・・では、着いてきてくれ」
クーリアはそう言うと、歩いて行きレヴァンも着いていく。
村に入ると、レヴァンを警戒する様に見てくる村人。
レヴァンは居心地の悪さを耐えながらクーリアに着いて行くと、大きな屋敷に着いた。
「此所だ」
クーリアはそう言うと、扉を開けて入る。
「ただいま」
「お帰りなさいお父さん!」
「お帰りなさい父さん」
クーリアの元に二人の少女がやって来る。
茶髪の少女はクーリアに抱きつき、水色の少女は側まできた。
茶髪の少女はレヴァンに気づいたのか、戸惑いながらクーリアに聞く。
「お父さん。その人、誰?」
「あぁ、一晩泊める事になった・・・名前は?」
「レヴァンだ」
「何・・・!あの、怪物殺しの?」
クーリアはレヴァンの名を知っている様だった。
クーリアは不安そうにレヴァンに聞いてくる。
「まさか、この辺りに怪異がいるのか?」
「いや、私は客将を止めて旅をしていた。その時に、迷い混んでな・・・」
「そうですか・・・良かった・・・」
クーリアは安心する様に安堵した。
少女二人は首を傾げてキョトンとしており、レヴァンは二人の様子に可愛らしさを感じた。
「まぁ、ともかく・・・部屋の用意してきますね」
クーリアは屋敷の何処かへ行くと、レヴァンと少女二人が残された。
レヴァンは黙って待っている。
「・・・」
「あ、あの・・・!」
「何だ?」
「わ、私、フェリシアと言います!あ、あの・・・怪物殺しのレヴァンですよね!?」
「フェリシア・・・!」
フェリシアと名乗った少女を水色の少女が咎める。
「そうだが?」
「そうなんですね!私、大ファンなんです!」
フェリシアはそう言うと、何処からか本を持ってきて見せてくる。
本のタイトルは怪物殺しレヴァンと言う、タイトルだ。
レヴァンはいつの間にこんな本が出回っているのかと、疑問に思った。
「わ、私!この本の貴方のお話が好きなんです!それで」
フェリシアの熱弁は続いていき、水色の少女も溜め息をついている。
レヴァンは熱弁するフェリシアに兜越しで苦笑いしつつも、話を最後まで聞いた。
「そうか・・・ここまで言われると、恥ずかしくなるな・・・」
「えへへ・・・」
レヴァンはフェリシアの頭を撫でながら言うと、嬉しそうにフェリシアは笑う。
「レヴァン殿。部屋の用意が整いましたのでご案内させて貰います」
「すまない。では、部屋へ・・・」
レヴァンは部屋へ行こうとした時、レヴァンは足に誰かに抱き付かれた感覚を感じ、下を見るとフェリシアが足に力強く抱き付いている。
「フェリシア?」
「嫌です、行っちゃ嫌です!」
「離れなさいフェリシア!」
水色の少女がフェリシアを引き離そうと掴むが、フェリシアは離れない。
クーリアも手伝うが、フェリシアは宙吊りになっても離れない。
「フェリシア・・・!離れなさい・・・!」
「嫌ですーーー!」
「すみませんレヴァン殿・・・」
クーリアはレヴァンに申し訳なさそうに頭を下げて謝る。
「はっはっはっは!いえ、大丈夫です。フェリシア、一緒に行くか?」
「はい!」
レヴァンはフェリシアを持ち上げると、クーリアに案内されながら部屋へと向かっていく。