ダークソウルif   作:コッコ

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放浪の英雄

~???side~

 

何時からだろうか・・・

 

彼が不死となって北の不死院に送り込まれたのは・・・

 

私は彼の恋人として心の満たされる愛を抱いていた筈なのに私は、彼を化け物として見てしまった・・・

 

私は彼が連れ去られてから心に取っ掛かりがある中で生活していたある日、私の瞳にダークリングが現れて故郷の皆は私を化け物だと口々に罵倒していく・・・

 

私はこの時、あの時の彼の気持ちがよく分かった・・・

 

化け物と呼ばれて恐れられた彼の孤独な気持ちと絶望を・・・

 

私は彼と同じ北の不死院に送られたが、長い年月故か牢の鍵が壊れており、外に出ることができた・・・

 

私は彼を探して北の不死院を歩いたが見つからず、代わりにいたのは不死人の成れの果てである亡者だった・・・

 

亡者を相手に慣れない戦いをしながら進むと、一つの巣を見つけて近付いた・・・

 

巣の上に立ってみたその時、大きな鳥に突然、掴まれて連れ去られた。

長い間、飛んでいた時に広場が見えるとそこで放り投げられる様に降ろされて鳥は何処かへ行ってしまった・・・

 

私はそこで心の折れた男からこの地は不死人がグヴィン王から火を引き継ぐ為の巡礼をする場所であり、私も巡礼をする立場に置かれた不死の一人になったのだ・・・

 

私は巡礼をしながら彼を探した・・・だが、彼はだいぶ前にやって来ていたのか所々の強敵は見かけず、偶然出会った者達からレヴァンが化け物を凪ぎ払う様に倒して進んでいったと聞いた・・・

 

私は巡礼を続け、アノール・ロンドを進み、王のソウル奪うべく武器を片手に奥底の王達の元へ向かい、王達のソウルを奪った。

これでレヴァンと再開できる筈だと考えて・・・

 

だが、彼と再開する事はなかった・・・

 

私が火を引き継いで次の世界へ行っても見つからない・・・

 

そこでも、引き継ぐ事に成功して次の試練を覚悟して燃やされていったが、次に目が覚めた場所は広い草原だった。

 

私はここが不死人の世界とは異なる場所で、彼がいるかもしれない世界だと直感した。

何故なら怪物殺しと彼の異名が広がっており、同一人物なのかは分からないが噂を頼りに彼を探す事にした

 

私は・・・この世界も旅をして彼を探しだして謝りたい、例え許してくれなくても・・・

 

私はファーナムの鎧兜を纏い、武器を手に彼を・・・レヴァンをこの世界で探し続ける・・・

 

~side終了~

 

レヴァンとフェリシアがヘルカイトと戦闘していた時、カムイ達は多数の蛇頭と亡者、一頭の鎧猪を相手に苦戦を強いられていた。

 

「くッ・・・数が多いです・・・!」

 

「亡者なら兎も角、蛇頭と鎧猪は厄介だ。蛇頭の攻撃と鎧猪の突進には気を付けるんだ」

 

カムイはソラールと背中を合わせて大軍を相手に戦っていると、亡者の一体が剣を片手に戦えないサクラの元に突進していく姿があった。

 

「サクラさん!!」

 

カムイはサクラの元に駆け付けようとするも距離が遠く、間に合わない。

サクラは恐怖で身動きが取れず、ただ亡者の振り下ろされる錆び付いた剣が振り下ろされるのを待っていた。

 

サクラは強く目を閉じて斬りつけられる痛みが襲われる感覚を待っていたが、何故かこない。

サクラは閉じていた目を開けて見ると、亡者の剣を別の剣の刃が止めていた。

 

「か弱い少女を相手に剣を振るうか・・・外道が」

 

その声の主は上半身に毛皮の付いた鎧と兜を被った戦士風の人物だった。

その人物の手に握られているのはクレイモアで、軽く背丈に届く刀身を軽々と片手で持って、亡者の刃を止める姿にサクラは呆気に取られていると、クレイモアが素早く振るわれ亡者を斬りながら吹き飛ばした。

 

「大丈夫ですか?怪我は無いようですが・・・」 

 

「は、はい!助けて頂いてありがとうございます!」

 

「そうですか・・・」

 

戦士風の人物は安堵した様に溜め息をつくと、助けに来たカムイがやって来た。

 

「サクラさん!」

 

「カムイお姉さま!」

 

サクラは走ってカムイの元に行くと、カムイに抱き付きカムイも優しく受け止めた。

 

「貴方はその子の姉ですか?」

 

「はい・・・サクラさんを助けて頂いてありがとうございます」

 

「・・・次は気を付けた方が良い。亡者を筆頭としたこいつらはどんな行動を取るか分からない・・・ノスフェラトゥと言う化け物の方が余程やり易い位に・・・。油断をすれば一瞬の内に命を狩られるんだから」

 

戦士風の人物はそう言うと、クレイモアと打刀を持って亡者の大軍に素早く接近し、武器を振るった。

クレイモアで豪快に、打刀で華麗にと、二刀流の剣術で先程まで沢山いた大軍が次々と減っていく。

 

「凄い・・・」

 

「ふむ・・・流石は放浪の英雄だ」

 

「放浪の英雄?」

 

何処から現れたのかジークマイヤーが感心する様に頷いて戦士風の人物を見ていた。

カムイはジークマイヤーの呟いた放浪の英雄と言う言葉に、ジークマイヤーは説明した。

 

「あの者の名はリクセラ。あんな鎧を纏っているが歴とした女性だ。あの者はとても強く多くの苦難乗り越える程の実力者なのだが、各地を放浪する癖があってな・・・だから放浪の英雄と呼ばれている」

 

「何故、放浪を?」 

 

「それが分からんのだ・・・。どうやら人探しをしているようだが、リクセラ自身はあまり人と話す様な人物ではない・・・あ、そうだ。これだけは行っておくが別に悪い存在ではない、不器用で人に対して厳しい口調になる事もあるが、実際は優しい人物だ」

 

ジークマイヤーがそう言い終わると、リクセラは最後に残った鎧猪に目掛けて持ち変えたグレートソードを縦に振るい一刀両断にして戦いを終結させた。


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