ダークソウルif   作:コッコ

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ヘルカイト

カムイ達は城内に入ると、中はボロボロでとても静かだった。

 

「・・・中にも侵入している様だな。跪を引き締めて掛からなければ死ぬぞ」

 

レヴァンはそう言って歩き出し城内を歩いて行く。

カムイ達も続いていき静かな城内を歩いていると、物陰から体格の大きな剣と盾を持った蛇の怪物が現れた。

 

「レヴァンさん!?」

 

「こいつらは蛇頭だ。気を付けろ。剣以外に魔法や頭を使った攻撃を仕掛けてくるぞ」

 

レヴァンはそう言い終わると、蛇頭はカムイ達に攻撃を始めた。

蛇頭はまずレヴァンの元に近づくと、大きく剣を振るうがレヴァンはカイトシールドで弾き返して隙を作るとクレイモアで吹き飛ばした。

 

「先ずはこれ良しか・・・」

 

「凄いです。あの技は・・・パリィですか?」

 

「ほぉ、パリィをご存じでしたか?」

 

レヴァンは感心した様に言うと、カムイは頷く。

 

「私が暗夜でマークス兄さんが見せてくれた技です・・・」

 

「・・・そうか」

 

レヴァンはそれだけを聞くと先に進んでいく。

道中、何度も蛇頭と交戦するが支障もなく進み続けていると、大きな霧の掛かった部屋を見つけた。

 

「・・・見つけた」

 

「え?此所にいるのですか?」

 

「そうだ。奴はこの先の霧の中に潜んでいる・・・中に入れば倒すか、死ぬまで出られない」

 

レヴァンはそう言うと、回りは緊張した雰囲気に包まれた。

 

「無理をしなくてもいいぞ。どのみち、今のお前たちじゃヘルカイトとやり合うのは・・・無謀だ」

 

レヴァンはそう言った時、仲間達は沈黙する。

暫くその空間が広がっていた時、後ろから何か大きな音で向かってくるのを聞いたレヴァンは振り向くと、そこには鎧猪が突進してきており、レヴァンは避けようとした。

 

しかし、レヴァンは後ろを見た時、フェリシアがおり避ける事が出来ずにそのまま直撃してヘルカイトのいる部屋へフェリシア共々放り込まれた。

 

「レヴァンさん!フェリシアさん!」

 

カムイは叫んだ時には既に遅く、二人は霧の中へ消えていた。

 

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レヴァンとフェリシアは鎧猪の攻撃で霧の中へ入り込んだ。

レヴァンはすぐに立ち上がると、辺りを警戒する。

 

「ヘルカイトは・・・いないな」

 

レヴァンはヘルカイトがいない事を確認すると、近くで倒れているフェリシアの元へ駆け寄った。

 

「起きろフェリシア」

 

「へ・・・?レヴァン様・・・?」

 

レヴァンはフェリシアの言動を聞くと、安堵し立ち上がらせた。

 

「気を付けろ。既に霧の中だ。・・・何処からヘルカイトが来るか分からんぞ?」

 

「は、はい・・・!」

 

レヴァンとフェリシアは警戒しながら身構えていた時、突然屋根が壊れ、巨大な何かが落ちてきた。

そこにいたのはヘルカイトで、大きな雄叫びを挙げてレヴァンとフェリシアに対峙した。

 

「行くぞ!油断するな!」

 

レヴァンはそう言ってクレイモアと火に強い竜紋章の盾を持って向かっていく。

ヘルカイトはその姿を見ると、レヴァンに向かって噛みつこうとしてくるが、レヴァンは咄嗟に避けてヘルカイトを切りつけた。

ヘルカイトは怯まず翼を振るうと、レヴァンは吹き飛んでしまった。

ヘルカイトはそのレヴァンの隙を突こうとした時、フェリシアが暗器を投げ、ヘルカイトに刺さり注意がフェリシアに向いた。

 

「グオォォォォォ!!」

 

ヘルカイトは雄叫びを挙げると、口からブレスを吐こうとした。

だが、レヴァンは咄嗟にヘルカイトにクレイモアを突き刺し、ヘルカイトを怯ませるとレヴァンはフェリシアを崩れた残骸の影へ行くと、フェリシアを伏せさせる。

 

「フェリシア。此処に隠れていろ、すぐに決着を着けてくる」

 

「嫌です!私も」

 

「今のお前では実力不足だ。酷な話かもしれないが隠れていろ。・・・大丈夫だ、すぐに戻る」

 

レヴァンはそう言って走りだすと、ヘルカイトと戦い始めた。

レヴァンはヘルカイトに苦戦しつつも勇敢に戦い、遂にヘルカイトを撃破寸前まで追い詰めた。

 

「とどめだ!」

 

レヴァンはとどめを刺す為にクレイモアを両手で持って振るう寸前、ヘルカイトの攻撃がレヴァンより早く当たろうとしていた。

 

「(間に合わないか!)」

 

レヴァンはヘルカイトの攻撃を受けようとした時、ヘルカイトの目に突然、暗器が刺さりヘルカイトは怯んだ。

レヴァンはその隙をついて強力な一撃をヘルカイトに当てると、ヘルカイトは呻き声を挙げながらゆっくりと消えていった。

 

【飛竜のソウル】

 

レヴァンはそう頭に過ると武器を下ろし、暗器の飛んできた方向を見た。

そこには息を切らしてへたれ込んでいるフェリシアがおり、レヴァンは額を押さえて唸った後、大きく息を吸って怒鳴った。

 

「この馬鹿者が!!!」

 

かつてレヴァンが呪術の教えを受けていた人物の口癖でフェリシアを怒鳴ると、フェリシアはビクッと硬直させた。

 

「死にたいのか!下手をすればお前の命は無かった!あれだけ隠れていろと言った筈だぞ!」

 

レヴァンの説教にフェリシアは涙目になりながら話す。

 

「で、ですが・・・あのままだったら死んでたのはレヴァン様の方ですよ!」

 

「うッ・・・」

 

レヴァンはフェリシアの正論に何とも言えない状況に陥ってしまった。

レヴァンは不死の身であるとはいえ、同じ不死以外の仲間たちには伝えていない・・・いや、伝えたくなかった。

レヴァンが不死であり、死ねば死ぬほど亡者に成り下がると聞けば幾らカムイでも化け物と考えると恐れたからだ。

 

だから、レヴァンはフェリシアに対して何も言い切れなかった。

 

「・・・はぁ・・・もう良い・・・目的は果たしたんだ。カムイ達の援護に向かうぞ」

 

「は、はい!」

 

レヴァンはクレイモアとカイトシールドを手に歩き始めると、フェリシアも続くのだった。


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