ダークソウルif 作:コッコ
カムイ達は外へ出ると、中規模の暗夜王国軍が向こうに陣取っている。
カムイ達はすぐに戦闘体勢を整える為に配置に着く。
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その頃、暗夜王国軍を率いる青年は真剣な顔でテンジン砦を見ている。
その青年の側に重厚な鎧とその上に紋章が描かれた青い布を身に付ける騎士が歩いてきた。
「緊張しているのかサイラス?」
「オスカー殿。・・・正直に言えば緊張しています」
「そうだろうな・・・戦場では常に緊張していた方が良い。そうすれば油断無く戦える」
オスカーの言葉にサイラスは微笑むと、暗夜王国軍に号令を出うとした時、ある人物が目に入った。
「なッ!?まさか、カムイなのか・・・!」
「カムイ?あの暗夜を裏切ったと言う王女か?」
「・・・カムイは俺の親友です。まさか、いきなり戦う事になるなんて」
サイラスは悲痛そうに言うと、オスカーはカムイの方を目にやると、逃走騎士を身に付けるレヴァンが目に入る。
「(あの者・・・ただ者ではないな。恐らく、一番危惧しなければならない存在だな)」
オスカーはそう思うと、腰に差してあるアストラの直剣に触れる。
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カムイ達は戦闘準備を調え暗夜王国軍と対峙すると、向こうから一騎の騎士が現れた。
レヴァンは警戒してファリスの弓を取り出して構えている。
「おーい、カムイ!俺だサイラスだ!」
「え・・・?」
「知り合いか?」
「・・・いいえ」
カムイは疑問の表情を出して答えた姿を見たレヴァンは、カムイはサイラスの記憶も無くしているのではと考えた。
サイラスはカムイの親友だと名乗るが、カムイはやはり見に覚えがないのか疑問の顔を深める。
「くッ・・・やはり覚えていないか・・・だが、それならやり易いだろう・・・全軍、攻撃!」
「来るぞ・・・」
レヴァンはそう言うと、暗夜王国軍が一斉に向かってくる。
カムイも命令を下すと、暗夜王国軍へ攻撃を開始した。
互いの軍は互角の乱戦状態になり、レヴァンはひたすら撃破する。
レヴァンは進み続けていると、向こうから上級騎士の鎧を身に纏った騎士が現れた。
「・・・上級騎士の鎧と言う事は、アストラの出身か?」
「いかにも、私はアストラのオスカー。貴殿に勝負を挑ませて貰う」
「オスカーだと・・・!」
レヴァンは名前を聞いて、驚きの声を挙げた。
かつての恩人が今、レヴァンの前に立ちはだかっている。
レヴァンは少し、肩を震わせながら聞く。
「オスカー殿・・・何故、貴方は暗夜に与する?」
「ある少年に剣を教えていてな。その少年はまだ未熟練でまだ離れる訳にはいかない」
「そうか・・・一つ、貴殿に言っておきたい。あの時、出してくれた恩を仇で返すようだがすまない」
「出してくれた恩?・・・まさかあの時の!」
「レヴァン。あの不死院に長い間閉じ込められ続け、貴方に救いだされた者です。・・・さぁ、戦いを始めましょうか?」
レヴァンはそう言うと、銀騎士の剣と紋章の盾を取り出して構えた。
オスカーの使う武器はアストラの直剣で、聖属性の着いた魔法剣を使う。
レヴァンは少しでも戦いを有利にする為に魔法に強い紋章の盾を選んだ。
「その盾は・・・私の物か?」
「次に会った時に貴方は亡者になっていました。だから、この盾を形見として私が使っているのです」
「成る程な。同じ盾を持つ同士の戦いか・・・悪くない」
レヴァンとオスカーは対峙すると、二人は戦いを始めた。
「レヴァン殿は何処へ行かれたのだ!」
レヴァンとオスカーが戦いを始めた同時刻、ジークマイヤーとソラールは奥へ行ってしまったレヴァンを探していた。
だが、何処もかしこも暗夜兵や白夜兵でごった返していて発見は困難だった。
「レヴァンなら大丈夫だと思うが・・・一人だからな・・・」
「ソラールさん、ジークマイヤーさん!」
二人の所へカムイが走ってやって来た。
「はぁ・・・はぁ・・・レヴァンさんを見かけませんでしたか?」
「いや、我々も探しているのだが・・・」
ソラールがそう言い掛けた時、奥の方が徐々に静かになっているのを感じて見てみると、白夜と暗夜の両兵が戦いを止めて何かを見ている。
「何でしょうか?」
「分からん・・・」
カムイ達は人だかりの方を見ていると、激しい金属音が聞こえ、カムイ達は顔を見合わせてから人だかりの奥へ行くと、レヴァンとオスカーが激しい勝負をしていた。
互いに攻撃を避けては攻撃し、攻撃を受けたら盾で防ぐ等と繰り返しているが、激しい戦いであった。
「あの鎧は、アストラの上級騎士の物か」
「上級騎士?」
「アストラと言う地で身分が高い騎士が使う鎧だ。その鎧があると言う事は我々と同じ境遇の者だろうな」
ソラールがそう言うと、レヴァンとオスカーの戦いは更に激しくなり始めた。
「とにかく止めないと!」
「だが、どうやって?相手はレヴァンとそのレヴァンと互角に戦う騎士だぞ?」
「下手に邪魔立てすれば逆にやられるな」
「そんな・・・」
カムイは不安そうにレヴァンを見ると、オスカーと鍔迫り合いになっていた。
「強いな・・・やはり、お前が使命を為したのか?」
「使命はなしたさ・・・だが、そこには・・・新たな絶望しか存在しなかった!」
レヴァンはそう言うと、オスカーに強烈な蹴りを入れて吹き飛ばした。
オスカーが体勢を崩すと、レヴァンはすかさず斬りつけるが、オスカーは紋章の盾で防いだ。
「絶望しか無かっただと?どう言う事だ・・・!」
「・・・聞かない方が良いさ」
レヴァンはそう言うと、オスカーに銀騎士の剣を向けるのだった。