ダークソウルif 作:コッコ
レヴァンは男に向かっていくと、素早く剣を振るう。
だが、男は容易くレヴァンの攻撃を受け止めるとガングレリでレヴァンを攻撃する。
レヴァンは盾で防ぐと、剣で攻撃する。
激しい攻防戦が続く中、後ろから大きな気配が迫って来るのを感じたレヴァンは振り替えると、白と青を協調した竜らしき生き物が迫っていた。
「くそ、増援か!」
レヴァンは向かえ討とうとした時、遠くからリョウマの声が聞こえた。
「止めろレヴァン!その竜はカムイだ!」
「何!?」
レヴァンは驚いて竜の方を見た時、既に竜は男の元に向かっており、戦闘になっていた。
「くそ!」
レヴァンは走って向かうが間に合わず、男はカムイによって倒された。
しかし、カムイはいっこうに戻る気配はなく、暴れまわっている。
「止めろカムイ!」
レヴァンは呼び掛けるが、カムイは高い雄叫びを挙げてレヴァンに向かって突進してきた。
レヴァンはローリングで避けると、今度は水の様なブレスを吐いてくる。
レヴァンはブレスを防ぐと、カムイはまた突進してきて今度は吹っ飛ばされた。
レヴァンは体勢を整えて立ち上がると、カムイは雄叫びを挙げて暴れまわっている。
「どうすれば・・・」
レヴァンはカムイを止める為に考えていると、何処からともなく歌声が聞こえてきた。
レヴァンは見てみると、そこにはリョウマ達と共にいた水色の長髪をした少女が歌いながら近づいている。
「何をするつもりだ・・・?」
レヴァンはそう呟いた時、カムイが少女を押し倒して首を前足で掴んだ。
レヴァンは咄嗟に前に出ようとしたが、カムイの様子がおかしく徐々に大人しくなっている。
そして、カムイは激しい光と共に元の姿に戻った。
カムイは暫く気を失っていたが、すぐに意識を取り戻した。
「・・・私は、何を?」
「気が付いたか?」
「・・・レヴァンさん、なのですか?」
カムイのその言葉を聞いてレヴァンは安堵すると、輝きだし元の逃走騎士に戻った。
「・・・いったい何があった?いきなり竜化して暴れだしていたぞ?」
「・・・お母様の死を見て、急に体が熱くなって・・・」
「もう良い・・・無理に思い出すな」
レヴァンはそう言うと、リョウマ達がやって来た。
「カムイ!」
「リョウマ兄さん」
「・・・ふぅ、無事だったか」
リョウマは安堵する様に呟くと、継ぎにミコトの遺体のある場所へ行く。
ミコトは静かに眠っており、カムイとリョウマ達は深く悲しんでいる。
「母上・・・!」
「母様!」
「グスッ・・・母様・・・」
リョウマとヒノカとサクラは涙を流して泣いている。
そんな中で、タクミは悲しみと苛立ちがあったのか、カムイを睨みつけながら言う。
「くッ・・・お前のせいだ・・・お前のせいで母上が!」
「ッ!?」
「タクミ!」
タクミの言葉にカムイはショックを受けたのか表情は更に暗くなる。
無理もない事だった。
旗から見れば、カムイが持っていたガングレリで死んだのだ。
責めてしまうのも無理はない。
「・・・貴公。これは・・・破滅側の陰謀なのだろうか・・・?」
「・・・分からん。だが、その可能性はあるだろうな・・・」
レヴァンはミコトの遺体を見詰めながらそう言う。
「・・・無理をしなくても良いのたぞ?」
「すまない・・・だが、泣いている暇は、無いんだ」
レヴァンは肩を震わせながらそう言うと、ジークマイヤーは察したのか無言になった。
レヴァンは兜越しで涙を流していたが、レヴァンは気配を感知して振り返った。
「・・・」
「ど、どうしたのだ?」
「・・・何かいる」
レヴァンは銀騎士の剣を取ると、気配のする方へ構える。
その様子が見えたのか、リョウマがやって来た。
「どうした?」
「・・・何かが来る様だ。警戒していてくれ」
レヴァンがそう言った時、赤い人形の物体が現れた。
だが、その姿を見たレヴァンの背が凍り付いた。
赤い人形の物体は走って迫ってきた。
「レヴァちゃーん!」
「み、ミルドレッド!」
レヴァンの聞いた事のない声に、リョウマを筆頭とした兄妹達は唖然とした。
レヴァンは迫りくるミルドレッドを避けて掴み、投げ飛ばした。
ミルドレッドは投げ飛ばされはしたが、また走ってくる。
「ジークマイヤー。あれは何なんだ?」
「あぁ・・・まだ追い掛けられていたのか・・・あの赤い者はミルドレッド。レヴァンに何故か惚れた食人鬼だ」
「食人鬼だと!」
「まぁ、別にレヴァンさえいれば無害だが、その代わりレヴァンが犠牲になる」
「・・・大変ですね」
ジークマイヤーはそう言うと、サクラの同情とも取れる言葉が出た時、レヴァンは遂にミルドレッドに捕まった。
「離せミルドレッド!今はこんな事をしている暇はない!」
「レヴァちゃん!貴方、浮気してたでしょ!浮気は許さないわよ!」
「何が浮気だ!付き合ってすらいないだろ!」
「もう、照れちゃって///」
その後、レヴァンは何とかミルドレッドを引き剥がすと息を切らしながらレヴァンはミルドレッドに問う。
「はぁ、はぁ・・・それで何の用だ?」
「ふふ、実はね・・・暗夜王国軍が迫ってるのよ」
「何だと!?それは本当か!」
「あら、貴方は誰?」
「この白夜王国の第一王子リョウマだ。何故、知らない?」
「レヴァちゃん以外の男には興味ないの。それよりもどうするつもりなの?」
ミルドレッドの問いに、リョウマは応えた。
「無論、迎え撃つ!暗夜にこれ以上、好き勝手はさせん!」
リョウマの答えに兄妹達も賛同の声が挙がり、戦う事になった。
リョウマ達は行こうとした時、石像が突然割れて何かが飛び出してきた。
その何かとは、黄金とも取れる色の剣だった。
「これは・・・夜刀神!白夜に伝わる伝説の刀だ」
「伝説の刀・・・」
レヴァンは夜刀神を見ると、確かに普通の武器とは違う力を感じ取る。
まるで、火の様に温かく篝火の様だった。
夜刀神はそのまま降りてくると、カムイの元へ飛んできた。
「夜刀神がカムイの所へ・・・!」
「私が・・・」
「カムイ。この刀はお前の力になる・・・受け取るんだ」
レヴァンはそう言うと、カムイは夜刀神の柄を掴んだ。
夜刀神はまるでカムイに合わせた様に安定し、カムイも扱いやすそうに見える。
「ふふ、これで面白くなってきたわね」
「・・・ミルドレッド。お前は何処の陣営だ?」
「あら、私は貴方がいるならどの陣営でも構わないわよ?でも、今回は敵になっちゃうかな」
「どう言う事だ?」
「私はね・・・暗夜王国に属してるの」
「何だと?」
ミルドレッドの言葉にレヴァンは驚きを隠せなかった。
ミルドレッドが暗夜所属になるとは思ってもいなかった。
「まぁ、すぐに抜けるけど・・・貴方が暗夜に来るならずっと暗夜よ」
「・・・それはカムイが決める。白夜か・・・暗夜かは、な?」
「ふふ、そう言うと思ったわ・・・じゃぁね」
ミルドレッドはそう言うと消え去り、レヴァンは迫る戦いに不安を抱く。