ダークソウルif 作:コッコ
レヴァンは部屋前に戻ると、縁側にミコトが座っていた。
レヴァンは近づくとミコトは気付いたのか、レヴァンの方へ顔を向けた。
「レヴァンさん」
「ミコト殿。こんな所で何をしているのでする?」
「・・・少し、カムイの事で相談が」
ミコトの言葉を聞いたレヴァンは、ミコト、隣に座って話を聞く事にした。
「それで相談とは?」
「はい。実は、カムイを御披露目に出そうと思っているのですが・・・民はカムイを受け入れてくれるのか心配なのです。白夜の王族と言えど、暗夜の王族として育っていたのは事実・・・カムイを御披露目に出して反発が無いのかと・・・」
「・・・うむ、確かに難しい事かもしれん。しかし、カムイは貴方とスメラギ殿の娘だ。民もきっと受け入れてくれる」
「・・・はい」
ミコトはやはり不安は抜けないのか、暗い表情を見せるがもレヴァンに少し微笑む。
レヴァンはミコトのその微笑みを見て、とても綺麗だと無意識に考えた。
「・・・レヴァンさん」
「何だ?」
レヴァンはミコトの方を見た時、肩にミコトが寄り添いレヴァンは体が少し跳び跳ねた。
「少しだけ、このままでいさせて下さい・・・」
「・・・あぁ」
レヴァンは寄り添うミコトを受け入れ、暫くの間だけその状態でいた。
「私はどうすれば・・・?」
その二人の様子を困った様に見ているジークマイヤーに気付かないで。
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翌朝、御披露目当日となりレヴァンは城下にやって来ていた。
城下は屋台や人で賑わい、カムイ達も楽しんでいる中、レヴァンは屋台の男に呼び止められた。
「ちょっとそこの人!良かったら見ていかない?」
「うむ、少しだけなら」
レヴァンは屋台の品を見てみると、御守りなのか色々な物袋が売られている。
「これは何の袋なんだ?」
「これは縁結びの御守りだよ。色々な物を祝いの日に売ってるけど、中でも恋が叶うかもしれないこの御守りが一番売れてるよ」
男はそう言うと、赤い御守りをレヴァンに見せた。
恋愛と聞いて、レヴァンは昨晩の事を思い出して少し恥ずかしくなる。
「おッ!まさか、お客さん。もしかして意中の人でもいるのかい?」
「むぅ・・・」
レヴァンは恥ずかしさばかりに顔を背けると、男は笑って恋愛の御守りを渡した。
レヴァンは仕方なく受け取ってお金を出すと、男は笑いながら言う。
「まいど!恋が叶う事を祈りますよ!」
「少し静かになれ」
レヴァンはもう、恥ずかしくて堪らないでいると、向こうの広場にミコトが白夜の兄妹達と見慣れぬ水色の長髪の少女がいた。
どうやら御披露目が始まった様でカムイもそこにいる。
「特に反発がないが・・・逆に受け入れらているじゃないか」
レヴァンは安心した様にそう呟いた瞬間、カムイの腰に差してあったガングレリが突然騒ぎだし、抜けていった。
ガングレリの飛んだ方を見ると、そこには黒いフードを被った男がガングレリを取り、地面に勢いよく突き刺した。
刺さった瞬間、地面は爆発して多くの民が吹き飛ばされた。
しかも、幾つかの岩がカムイの元へ向かって飛んでいる。
「カムイ!」
レヴァンは走ったが到底間に合わず、カムイの死が決まったと思った時、ミコトがカムイを庇って倒れた。
レヴァンは立ち止まって動揺した。
ミコトがカムイを庇って死にかけている。
レヴァンは動揺を抑えてすぐに駆け付けた。
「ミコト殿!」
「・・・レヴァン、さん」
「ミコト殿!しっかりしてくれ!」
「レヴァン、さん・・・お願い・・・です・・・私はもうすぐ死ぬでしょう・・・だからカムイ・・・を・・・守って・・・ください・・・」
「分かった!分かったから死なないでくれ!」
レヴァンはそう叫ぶが、ミコトは優しく微笑むと今度はカムイの方へ見る。
「カムイ・・・」
「お母様・・・!」
「良かった・・・貴方が無事で・・・私は・・・貴方の事を・・・本当に・・・娘として愛していました・・・」
「嫌です!死なないでください・・・!」
ミコトの言葉にカムイは泣き崩れる。
「レヴァン・・・」
「何ですか・・・?」
「最後に一つだけ・・・私は・・・貴方の事が・・・す・・・きでした」
レヴァンはそれを聞いて、目を見開いた。
そして、レヴァンはミコトに告げた。
「私も好きだった・・・」
「ふふ・・・これで思い残す事はもう・・・ありません・・・どうか、カムイの事を・・・よろしく・・・お願いします・・・」
ミコトはそれだけを言うと、息を引き取った。
カムイはミコトが息を引き取った事を知ると、深く泣いた。
レヴァンは悲しみを堪えて立ち上がると、フードの男を殺気を含んで睨み付けた。
「貴様は生かして帰さん・・・殺してやるぞ・・・!」
レヴァンはそう言うと、二つの石を取り出すと光に包まれた。
すると、レヴァンの姿が竜の様な鎧に包まれその手に剣と盾が握られている。
その姿にリョウマ達は驚いていると、レヴァンが動いた。
そして、男とレヴァンはぶつかった。