ダークソウルif 作:コッコ
レヴァンはリョウマ達に連れられて白夜王都へやって来た。
相変わらず賑やかな町並みであり、暗夜との一触即発の雰囲気等は無かった。
「相変わらずだな。この雰囲気」
「この国は平和を愛し、民を愛する国だからな。出切れば戦争は避けたいが・・・」
リョウマは暗夜との戦争を危惧していた。
スメラギが殺されたとはいえ、やはり平和を保っていた白夜を戦争の渦に入れるのは酷なのだろう。
「戦争はさせはしないさ。私がな」
「それはどう言う意味だ?」
「・・・秘密だ」
レヴァンはそう言うと、リョウマはまだ疑問を浮かべていたが白夜の王城へ向かっていく。
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白夜王城の玉座の間へ行くと、そこにはミコトが立って待っていた。
「お帰りなさいリョウマ」
「はい。母上、今回の暗夜との紛争で懐かしい人を連れてきました」
「懐かしい人?」
リョウマはそう言うと、後ろを見せる。
そこにはレヴァンがおり、ミコトは一目見ると微笑んだ。
「レヴァンなのですね。お久しぶりです」
「お久しぶりです。ミコト殿」
「まさか貴方が手を貸してくださるなんて・・・本当にありがとうございます」
「いや、世話になった借りを返しただけです・・・」
レヴァンとミコトは親しそうに話していると、奥から誰かがやって来た。
「ミコト様」
「あら、サイゾウさん。どうしました?」
「今日、レヴァンが訪ねてきたと息子から聞きまして。一目見たくてきました」
そこには老いた男がいた。
老いた男を見たレヴァンは、まさかと思い聞いた。
「まさか、フウマ公国で会ったサイゾウ殿か?」
「おぉ、覚えてくださったか!あれから月日が経って、わしは歳を取りまして息子に家督を譲って隠居したのですが・・・息子と会って流石に驚いたでしょうか?」
「同じ名前だからな・・・もしかして、家督を継ぐ者がサイゾウと名乗るのが習わしなのか?」
「えぇ・・・息子は五代目。息子の晴れ舞台を見れたのも貴方のお陰です」
四代目サイゾウは深々と頭を下げる。
「いや、当然の事をしたまでだ。目の前で命が散るのを見たくないだけでな」
レヴァンは少し、悲しそうな雰囲気を出した。
不死の世界ではレヴァンは多くの人や英雄の死を見てきた。
その中にアイテムを買って親しくなったり、共闘して敵に挑んだ者もいるが最後に正気を失ってレヴァンに襲い掛かり、殺した。
「何か訳がありそうですね・・・」
「あぁ・・・」
「・・・あの!立ち話はこれくらいにしましょう。レヴァンさん、今日はゆっくり休んで行ってください」
「はい」
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レヴァンはかつて宛がわれた部屋を与えられると、レヴァンは武器を出して手入れを始める。
こうしていると、昔に戻った様な感覚を受ける。
「・・・ふぅ」
レヴァンは一息ついた時、誰かの気配を感じ取った。
「・・・誰だ?」
レヴァンは打刀を手に襖を開けると、誰もいない・・・と、思ったら縁側の右側に少女がいる。
少女は気弱なのか、かなりビクついている。
「・・・どうした?」
「いえ、此所を通ろうと思いまして・・・す、すみません!」
「いや、脅かした此方が悪いんだ。すまない、驚かせたな」
レヴァンはそう言って襖を閉めようとした時、庭に何かの気配を感じ取った。
それは人の気配ではなく、明らかに異形の物だった。
「・・・部屋に入ってろ」
「へ?」
「入るんだ。襖を閉めて静かになるまで出てくるな」
「は、はい!」
少女は言われた通り、部屋に入って襖を閉めた。
レヴァンは打刀を鞘から抜くと、構えた。
すると、奥からハベルの鎧と武器を持った闇霊が現れた。
「闇霊か・・・それも、ハベルと来たか」
闇霊はレヴァンを確認すると、重い足取りだが向かってきて大竜牙を振り下ろす、大きな爆発音と共に庭に大きな窪みができるも、レヴァンには当たらなかった。
レヴァンは闇霊の後ろに回り込んで打刀で斬りつけるが、ハベルの鎧の防御力で弾き返された。
「ちッ、やはり威力が足りないか・・・なら、これならどうだ」
レヴァンは打刀をしまい、新たに黒騎士の特大剣を取り出した。
異様な大きさが目立つ黒騎士の特大剣を闇霊に向かって振るうと、攻撃が当たった闇霊は少し怯んだ。
レヴァンはこの期を逃さず振るい、闇霊の攻撃は避けていく。
そうした戦い方をして、遂に闇霊を倒した。
「ふぅ・・・」
レヴァンは一息ついていると、襖が開けられた。
少女が怯えながら覗いている事からそうとう怖かったのだとレヴァンは思った。
「あ、あの!今の爆発や金属音は何ですか!」
「・・・知らない方が良い」
「は、はい・・・」
レヴァンの言葉の意味を何か察したのか、少女は返事をすると向こうからバタバタと走ってくる音が聞こえてくる。
「どうした!」
「ね、姉様!」
少女の姉なのか赤い短髪が特徴の少女が白夜の槍である薙刀を持って、走ってくるのが見えた。