ダークソウルif 作:コッコ
レヴァンは暗夜の王子ガロンに礼がしたいと連れられて歩いていた。
レヴァンはこの世界の状況を知るには、ガロンに着いて行った方が、妥当だと考え着いて行く事にし、歩く。
「それにしても、長い事歩いた筈なのに何故、夜のままなんだ?」
「この暗夜は、常に暗闇で覆われている。暗いが今は朝だろう」
「・・・常に夜の国か」
レヴァンはグヴィネヴィアの事を思い出した。
レヴァンはかつて、グヴィネヴィアの元に到達し、グヴィネヴィアを殺して王の器を奪った。
その時は心がやさぐれていたとレヴァンは思っている。
グヴィネヴィアを殺した時、辺りは全て夜になり、敵の配置も大きく変わってしまった。
まるで、アノール・ロンドが元から夜の世界であったかの様に。
「・・・」
「どうした?」
「・・・何でもない。少し、昔を思い出してな」
レヴァンはそう言って歩くと、徐々に明かりが見えてきた。
その光りの照らす場所は街であり、とても幻想的な光景だった。
「彼処は暗夜の街か?」
「あぁ、暗夜の王都だ」
「中々の光景だな」
「だが、あの光りは裕福な者達の光で、貧し者には手が入りにくいんだ・・・何とかしたい物だが」
ガロンはそう言いながら溜め息をついた。
裕福な者達にしか得られない光・・・。
レヴァンにとってはとても理解しがたいが、暗夜の暗闇を目の当たりにして納得もする。
レヴァンは王都に入ると、そこは光り溢れる街並みで人が溢れ返っている。
レヴァンはこんなに人を見たのは、本当に久しぶりの事で、呆然としてしまった。
「・・・」
「どうした?」
「いや、何でもない・・・」
「そうか・・・では、城に行こう。お前への礼があるしな」
_____________
________
____
レヴァンは暗夜の王城にガロンと共に入城すると、奥から金髪の少年がやって来た。
その少年はガロンと何処か似ており、レヴァンは首を傾げる。
「父上。お帰りなさいませ」
「うん、元気にしていたかマークス」
「(息子だったのか・・・)」
王子が子を持つのは珍しくはない、政略結婚等で結婚して子を成せば良いのだ。
それに、中年の王子もいた事も歴史書に書かれてもいた。
「父上。この御方は誰ですか?」
「この者は私の命の恩人だ。礼をしたくて私が招いた」
「初めまして。私はレヴァンと言う・・・よろしく」
ぎこちない挨拶をするレヴァンにマークスも挨拶しかえす。
「僕はマークスです」
幼いながらも、しっかりとした挨拶にレヴァンは関心していると、兵士の一人がやって来た。
「ガロン様。王がお呼びです。至急、来るようにとの事で」
「父上が?分かった、すぐに行く。レヴァン殿。すまないが客間で待っていてくれないか?すぐに戻ってくる」
「はい」
ガロンはそれを聞いて、急いで何処かに向かっていく。
一人残されたレヴァンの元に知らせに来た兵士が話しかけてきた。
「客間へは私が案内致します。どうぞ、此方へ」
「あぁ・・・」
レヴァンは兵士に連れられて客間へと向かうのだった。
________________
__________
_____
レヴァンは客間に通されると、椅子に座って待っていた。
ガロンはどうやら遅くなってしまっている様で、中々来なかった。
レヴァンはそれでも待っていると、部屋の外が騒がしくなった。
「・・・外が騒がしい」
レヴァンは扉を開けて見ると、騎士や兵士に使用人と騒がしく動いていた。
レヴァンは気になって使用人の一人に聞く。
「何があった?」
「王が・・・王がお亡くなりになられました!あぁ・・・早く他の重臣達にも知らせないと!」
使用人はそう言うと、走って行く。
話通り、この国の王が死んだのだと理解し、レヴァンは部屋の中に入りガロンを待った。
暫くした後、ガロンがやって来た。
だいぶ窶れており、今にも力無く倒れそうだ。
「・・・すまない。遅くなった」
「いや、それよりも大丈夫か?相当、参ってしまっているぞ?」
「・・・父上が亡くなってな。私が王として、暗夜王国を治める事になった。だが、私は父上の様に正しく治める事が出来るのだろうか・・・」
ガロンは王座を受け継ぐ自信が無さそうにレヴァンに言う。
レヴァンはガロンをかつての自分と重ね、言う。
「・・・やらなければならないだろ?」
レヴァンはガロンを咎める様に言う。
「やらなければ、この国の統治者がいなくなり。苦労の絶えない国になるのは必然。もし、貴殿が間違った道を進んだら・・・私が殺してでも止めてやる。だから、王座を引き継げ。他人のお前からすれば、口だけの言葉だがな・・・」
「・・・いや。今の言葉で、目が覚めた・・・民の為にも、私が王にならなければな・・・」
ガロンは立ち上がり、決意を露にした目をする。
「すまないが礼は後で渡させて貰う。今は、王家の臣下達を落ち着かせなければならない」
「分かった」
ガロンはまた何処かへ行ってしまい、レヴァンは一人で、客間で過ごした。