ダークソウルif   作:コッコ

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山羊頭のデーモン

レヴァンが駆け付けて来ると、砦付近は地獄絵図その物だった。

山羊頭のデーモン三体が白夜兵を蹂躙して回っている。

山羊頭のデーモンの持つ二つの事件は大剣は軽々と白夜兵を切り裂き、白夜兵を恐怖させた。

 

「くッ・・・レヴァン殿はまだか!」

 

「伝令が無事に行けたのならもうすぐ来る筈です!」

 

「なら、レヴァン殿が来るのを信じて怪異を何としても止めるのだ!」

 

モズがそう指示した時、山羊頭のデーモンの一体がモズ達に向かってくる。

モズ達は身構え備えていた時、山羊頭のデーモンの頭に何かが突き刺さり吹き飛ばされた。

 

「待たせたな」

 

声のする方向には、竜狩りの弓を持ったレヴァンが立っていた。

 

「レヴァン殿、ご無事でしたか!」

 

「ふ、当たり前だ」

 

レヴァンはそれだけを言うと、山羊頭のデーモンを見ると立ち上がってきた。

他の二体も現れ、三体に囲まれる様にレヴァンは真ん中に立った。

 

「ちッ、面倒だが相手をするか」

 

レヴァンがそう呟いた時、山羊頭のデーモンの一体が向かってきた。

山羊頭のデーモンの大剣をレヴァンは避けると同時に、黒騎士の矛で切り裂く。

山羊頭のデーモンは血が大量に吹き出すが、倒れる事なくレヴァンに向かってくる。

 

レヴァンはまた攻撃を仕掛けようとしたが、後ろから二体目の山羊頭のデーモンが襲い掛かった。

レヴァンは咄嗟に避けると、三体目が襲い掛かる。

 

「くそ、これではあの時と同じだ・・・」

 

レヴァンは虚ろの衛兵の事を思い出す。

黒騎士の矛を構え直したレヴァンは、三体の山羊頭のデーモンと対峙する。

 

「レヴァンさん!」

 

「なッ!?カムイ!」

 

レヴァンはカムイ達が此所までやって来るとは思わなかった。

山羊頭のデーモン達はカムイに気付いたのかゆっくりと向かっていく。

 

「カムイ様!異形の者が近づいてきました!」

 

「くッ!」

 

カムイ達が戦闘体勢に入ったのを見たレヴァンは大きく叫んだ。

 

「逃げろ、カムイ!」

 

「え?」

 

山羊頭のデーモンは目にも止まらない速さで近づきカムイに大剣を振り下ろそうとした。

 

「ッ!?」

 

カムイは目を力強く閉じたが、一向に痛みがこない。

カムイはそっと、目を開けて目に入ったのは。

 

「大丈夫か、カムイ?」

 

ジークフリートで大剣を防ぐマークスの姿だった。

マークスは素早く離すと、山羊頭のデーモンを切り裂いた。

ジークフリートの力は強大な為、山羊頭のデーモンは堪らず倒れた。

 

「マークス兄さん!」

 

「僕達もいるよ」

 

マークスに続いてカミラ、レオン、エリーゼがやって来た。

 

「皆さん!来てくれたのですか」

 

「えぇ、何か可笑しいと思ったから追い掛けてきたわ。そしたらパッチが逃げてたのを見つけたの」

 

カミラはそう言うと、猫を掴む様にボロボロのパッチがぶら下がっている。

 

「そういや、いなかったな」

 

「いないと思ったら・・・」

 

ジョーカーとギュンターは呆れて物を言えないと言う様に見ている。

パッチは震えながらカミラに懇願する。

 

「あ、あの。もう案内したのですから離してください!」

 

「そうだったわね」

 

「カミラ王女、少し待ってくれないか?」

 

そこに、返り血だらけのレヴァンがやって来た。

レヴァンの後ろには山羊頭のデーモン二体が転がっている。

 

「あら、随分と仕事が早いわね」

 

「慣れてるからな・・・それより、久しいなパッチ」

 

「げッ!旦那!」

 

「パッチと知り合いなの?」

 

「あぁ、昔の事だがこいつに崖を落とされてな。まさかカムイを騙してないだろうな、と考えてな」

 

レヴァンの言葉に暗夜の兄妹やカムイの臣下達はパッチを睨み付けた。

 

「いやいや、まだ騙してない!」

 

「まだ?」

 

「いや・・・その・・・」

 

パッチは口ごもっていると、白夜側から援軍がきた。

 

「どうやら白夜の援軍だな。さて、私は今は白夜側なんだ。相手をして貰うぞ?」

 

「くッ・・・カムイ。此所からすぐに逃げろ」

 

「でも・・・!」

 

「早く!・・・私達もすぐに追い付く」

 

マークスの言葉に、カムイは悲痛そうな表情で臣下を連れて逃げた。


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