ダークソウルif   作:コッコ

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北の城塞からの自由

騒動から数日が経った頃、レヴァンは時より北の城塞に入り込んではカムイの様子を見る様になった。

カムイはフローラ、フェリシア姉妹とジョーカーとギュンターそして、リリスと呼ばれる少女と共に暮らしている。

 

幽閉の様な生活なのに、とても幸せそうにカムイは笑っている姿を見て、レヴァンは白夜へ帰すと言う考えが徐々に薄れつつあった。

 

「・・・私はどうすれば良いのだろうな。スメラギ・・・」

 

かつて救えなかった友の事を呟くと、レヴァンは北の城塞へ歩いていく。

 

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レヴァンはいつも通り忍び込むと、フェリシアとフローラが歩きながら話しているのを見つけた。

 

「カムイ樣、大丈夫かしら・・・」

 

「大丈夫ですよ!きっと、カムイ樣ならこの城塞から自由になれますよ」

 

「・・・そうだと良いけど」

 

「(城塞からの自由?・・・行ってみるか)」

 

レヴァンはカムイの元へ向かう。

自由とは何の事かを知る為に。

 

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レヴァンは塔へやって来ると、レオンとエリーゼとカミラがいるのが見えた。

レヴァンはもう少し近づこうとした時、金属音がレヴァンの耳に届いた。

 

「あれは・・・」

 

レヴァンが見た物は、マークスとカムイが戦っているのだ。

マークスは馬に乗りカムイに訓練用なのか青銅で作られた剣を振るい、カムイも青銅で作られた剣を持ち防ぐ。

レヴァンはどう考えてもカムイが不利だと思った。

自らが鍛えたマークスを相手に対して、カムイはまだ未熟な所があると判断した。

 

その結果を踏まえると、カムイの方が不利に見える。

 

「・・・はぁ、またこの気配か・・・」

 

「レオン?」

 

「あの時の気配がする・・・気を付けて」

 

レオンはレヴァンの気配を感じたのか、レヴァンの方を見てくる。

だが、今回は逃げなかった。

レヴァンはカムイの実力を見てみたいと思い、止まった。

レオンはレヴァンの考えを察したのか溜め息をついてカムイの方へ向いた。

 

「はぁ・・・今回は大丈夫そうだよ」

 

「あら、何でなの?」

 

「逃げようとしないからだよ」

 

レオンはそう言うと、二人の戦いを見詰める。

相変わらずマークスが優勢だが、徐々にカムイが押し返してきて遂にカムイがマークスに一撃を与えた。

 

「見事だ、カムイ。強くなったな」

 

「ありがとうございます・・・マークス兄さんのおかげです」

 

「・・・いや、お前の才能だ。いずれお前は、この暗夜王国一の剣士になるかもしれないな」

 

「そんな・・・まだまだ私なんか・・・」

 

「いいか?私はお前こそが・・・この闇に包まれた国に、光をもたらす者になってくれると信じている」

 

「兄さん・・・」

 

マークスはカムイが暗夜に光をもたらすと言う言葉に、レヴァンは同感する。

カムイは確かに何か魅力を感じる。

カムイの笑顔はレヴァンを希望へと運んでいるのだ。

 

「全く・・・剣の腕で全てが決まる訳じゃないだろ、兄さん達」

 

「レオンさん・・・」

 

「ふっ・・・負けず嫌いだな、レオン。お前には類い稀な魔道の才能があるんだ。そこを極めればいい」

 

「・・・それで兄さんが、認めてくれるならね」

 

「あ、そんな事よりレオンさん」

 

二人の話にカムイは割って入った。

 

「何だよ、そんな事って。大事な話じゃ・・・」

 

「えっと・・・法衣が裏返しですよ」

 

「えぇッ!?」

 

カムイの言葉にレオンは驚いて法衣を見る。

 

「寝起きだな、レオン」

 

「わわっ・・・酷いよ、兄さん達!分かってたなら、早く言ってよ!」

 

「はは・・・すまんすまん。だが、そう言う」

 

レオンは慌てて走って行き法衣を直している。

レオンのその姿にカムイ達は微笑んでいる。

見るからに幸せそうな兄妹達にレヴァンは邪魔してはならないと、立ち去ろうとした時。

 

「待てレヴァン」

 

マークスに呼び止められた。


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