ダークソウルif   作:コッコ

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運命の決定

マークスはレヴァンの隙を伺って、ゆっくりと動く。

レヴァンもマークスに合わせて動き、静かな戦いになっている。

 

「くッ・・・(やはり簡単には隙を与えはしないか)」

 

「どうした?来ないのなら此方から行くぞ?」

 

レヴァンの挑発ともとれる言葉に、マークスは釣られない様に我慢した。

 

"先に動いたら負ける"

 

マークスの脳内にその言葉が響き、そして昔教わった技パリィを思い出す。

パリィの驚異を幼い時に受けた事をマークスは未だに忘れていなかった。

 

「・・・」

 

「ふん、仕方がないな・・・なら、行くぞ!」

 

レヴァンはそう言うと、素早い動きでマークスに迫った。

 

「ッ!?」

 

マークスは咄嗟に獅子の盾で防ごうとするが、レヴァンは立ち止まって蹴りを入れて防御を崩した。

 

「はぁ!」

 

レヴァンは隙を突いて、マークスを攻撃する。

マークスは間一髪の所で、ジークフリートで防いだがレヴァンの攻撃は続く。

縦に横にと、大振りながら素早い斬激にマークスは防ぐのがやっとだ。

だが、マークスも一方的に攻撃される様にレヴァンから鍛えられていない。

 

マークスはローリングし、レヴァンの猛攻を避けると、今度はマークスが攻め立てる。

 

「せやぁ!」

 

「甘い」

 

マークスの攻撃はレヴァンに軽々と止められる。

だが、マークスは諦めずレヴァンにジークフリートを振るう。

しかし、レヴァンはマークスの技を紋章の盾で軽々と何度も止めていきそして、盾を振るってジークフリートを弾いた。

 

「しまった!」

 

「馬鹿が・・・パリィを忘れていたか?」

 

レヴァンはそれだけを言うと、銀騎士の剣の柄でマークスの腹を殴った。

 

「ぐはぁッ!」

 

マークスは倒れ込み、苦しむ。

 

「・・・終わりだ、マークス。戦いは決した」

 

「まだ、だ・・・まだ・・・戦える・・・」

 

「無理をするな・・・どちらにしろ、お前に勝ち目は無かった・・・」

 

レヴァンはそう言い放つと、マークスは気を失った。

兵士に動揺が走るなか、レヴァンは玉座の間の扉へ向かっていく。

 

「どけ」

 

レヴァンのその一言で、兵士は道を開けた。

そしつ、レヴァンは扉の前に立つとゆっくりと扉を開け放って入った。

レヴァンが奧に入ると、ガロンが斧を持って玉座に座っていた。

 

「・・・ガロン」

 

「ククク・・・来たかレヴァン」

 

ガロンは玉座から立ち上がると、レヴァンに向かって歩く。

 

「それで?わしを殺しに来たのか?」

 

「そうだ。お前は道を踏み外した・・・だから、王になる前の誓いにより、貴様を殺す」 

 

「やれる物なら・・・やってみせい!」

 

レヴァンはガロンのその言葉を聞くと、ガロンの胸に勢いよく銀騎士の剣を突き刺した。

 

「・・・終わった。ッ!?」

 

「ククク・・・どうした?」

 

レヴァンは信じられないと言わんばかりに、銀騎士の剣を抜いて構えた。

ガロンは胸を刺された筈なのに生きている。

レヴァンは冷や汗をかいた。

 

「貴様、不死になったのか・・・?」

 

「不死とは何か知らんが・・・近い物をわしは得ている。貴様には勝ち目はないぞ?」

 

「ふん、だったら死ぬまで斬ってやる!」

 

レヴァンは銀騎士の剣を振るおうとした時、突如吹き飛ばされた。

 

「ぐぅ・・・こいつらは・・・」

 

そこには金色の細長い鎧で巨大な兵士が三体立っている。

それは虚ろの衛兵その物で、手に持つハンマーが今にもまた炸裂しそうだ。

 

「其奴らは新しくわしが登用したアレサンドラ、ルカ、レギムだ。今のお前の相手に相応しい三人だ」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

アレサンドラ達は無言で、レヴァンに向かってくる。

レヴァンは虚ろの衛兵は一対一に持ち込んで倒したが、いきなり三体は流石のレヴァンでも勝ち目は無かった。

レヴァンはせめてガロンだけでもと走り出したが、ルカがガロンとレヴァンの間に飛んで、立ちはだかった。

 

「レヴァンの処分を任せたぞ」

 

「待て!くッ!」

 

レヴァンは虚ろの衛兵の猛攻に苦戦を強いられていく。

虚ろの衛兵の重い振り下ろしを避ければ、別の虚ろの衛兵が攻撃をくわえてくる。

そして、三体同時の回転攻撃をレヴァンに仕掛けてくる事もあった。

 

「くッ・・・此所まで来て・・・」

 

レヴァンはエスト瓶が尽き、傷だらけで倒れ込んだ。

アレサンドラ、ルカ、レギムは容赦なく迫りハンマーをレヴァンに一斉に振り下ろした。

 

______________

_________

____

 

「此所は・・・」

 

レヴァンが目を覚ました場所は火継ぎの祭祀場の篝火の近くだった。

レヴァンは起き上がると、辺りを見渡した。

祭祀場は以前より人がおり、見知った者達も大勢いた。

 

「おぉ、気が付いたか!」

 

「貴方は・・・ジークマイヤー殿か?」

 

「そうだ。覚えていてくれたか!」

 

ジークマイヤーはカタリナと言う国の騎士で、玉ねぎの様な鎧を纏っている。

しかし、その玉ねぎの様な鎧・・・カタリナの鎧はとても性能が高いので暫く使っていた事がある。

 

「貴方も呼ばれたのですか?」

 

「うむ、何でも少女を導くか破滅させろと言われてな。私は導く方にしたよ。貴殿は?」

 

「・・・導く方です」

 

「そうか!ならば、この世界でも共に助け合っていこう!」

 

ジークマイヤーはそう言うと、レヴァンは頷いてから別れた。

ジークマイヤーの他にもルカティエル、アンドレイ、レア等と戦いや準備等に手を貸してくれた人物達もいる。

だが、中にはペイト、クレイトン、パッチ等と言動が怪しい者達もいる。

 

「何だ、そのしけた面は?」 

 

「ッ!?貴様は、ロートレク!」

 

レヴァンはロートレクが後ろにいた事に警戒し、銀騎士の剣に手を掛けた。

 

「おいおい、待てよ。今は敵対するつもりはない」

 

「・・・何故だ?」

 

「出口を見てみろ」

 

レヴァンは出口を見てみると、出口は霧に覆われている。

 

「あれのせいで出れなくなってやがる。今、ここで殺りあっても特はしない」

 

「・・・何故、閉じられている?」

 

「あのルティカて、言う火防女が一斉に呼び寄せたんだよ。そろそろ、本格的に運命が動き出すなどどうだのと」

 

「・・・」

 

レヴァンはルティカの元へ歩いていく。

ルティカの元へ来ると、ルティカは来る事を知っていたかの様に振り向いた。

 

「そろそろ来ると思ってましたよ」

 

「ルティカ。何故、此所へ?」

 

「それはですね。もう、変えられないぐらいに運命が進んだのですよ」

 

「変えられない?」

 

「・・・今まで自由に行動できたのは、準備期間であり人の運命を変え期間でもありました。でも、もう期間は終わり人の運命はもう変えられません。遂に本格的な戦いなるのです。導く者と破滅させる者との」

 

ルティカはクスクスと、笑う。

 

「・・・つまり、時が来るまで」

 

「大人しくしていてくださいね?」

 

ルティカはそう言うと、遠くを見つめて話さなくなった。


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