ダークソウルif 作:コッコ
レヴァンは必死に走り、スメラギの元に駆け付けると、スメラギは・・・大量の矢が刺さり、何かに斬られた様な斬り傷を残して死んでいた。
レヴァンはその姿を見て、目を見開き信じられなかった。
「スメラギ、殿?何故だ・・貴方程の者が・・・」
「ほぉ、懐かしい者を見たな?」
レヴァンは声の方向を向くと、年老いているが間違いなくガロン本人だとレヴァンは認識した。
レヴァンはガロンにロングソードの刃を首に向けた。
「貴様・・・!」
「かつての友に刃を向けるのか?ふふふ・・・面白いな」
「貴様は確かに友だ・・・だが、此所にいるスメラギも私の友だ!」
「なら何故、今更来た?もっと早く来れば助けられたであろうに?」
「くッ!
レヴァンはガロンの言葉に反論出来なかった。
もっと早く、事態に気付いていればスメラギは死ななかった。
不死から解放されなくとも、友と呼べる者が生きていてくれればそれで良かった。
レヴァンはその思いをしまい、ガロンの首を切り裂こうとした。
「間違った道に入ったならば、ガロン!貴様を殺してでも止める!!!」
「おっと」
レヴァンはロングソードを振るおうとした時、突如ガロンは何かを前に出した。
その何かは、気を失ったカムイだ。
レヴァンは慌てて刃を止め、身構える。
「人質か!」
「人質?違うな・・・こやつはわしの娘だ」
「ッ!?娘だと?」
「こやつには利用価値がある・・・ハイドラ神がそう御告げをくださったのだ。間違いない!ふふふ・・・ふっはっはっはっはっはっは!!!」
「(ハイドラ神?御告げ?狂ってしまったのか・・・それとも・・・)」
レヴァンはガロンの様子が可笑しい事に気付いた。
ガロンの言動は明らかに何かに操られている様に感じた。
もし、操られていなければただ、狂ったとしか言えない。
「さらばレヴァン・・・わしにはまだやる事があるのでな」
「逃がさん!」
レヴァンは追い掛けようとした時、横から黒い剣が振り下ろされた。
レヴァンは咄嗟に避けると、剣を振り下ろした正体に驚愕する。
「黒騎士!」
「・・・」
そこには、アノールロンドで何回も戦った黒騎士がいた。
黒騎士は巨体に似合わない鮮やかな技で、敵を葬る厄介な存在だ。
「くそ、こんな時に!」
レヴァンは身構えた瞬間、街の路地から二体の影が現れた。
「・・・おいおい、嘘だろ?」
レヴァンが見たのは・・・新たに二体の黒騎士だ。
矛と斧と剣の黒騎士が揃い、完全に不利な状況に陥った。
「やるしかないか・・・!」
レヴァンはロングソードとカイトシールドを構えると、黒騎士達は一斉に掛かってくる。
最初に攻撃してきたのは剣の黒騎士で、素早い斬激がレヴァンを襲う。
レヴァンはカイトシールドで防ぎ、反撃しようとした所で斧の黒騎士が後ろから斧を降り下げた。
多きな音と共に煙が立つも、レヴァンは間一髪の所で避けた。
しかし、次は矛の黒騎士がリーチを生かした凪ぎ払いをレヴァンに仕掛け、吹き飛ばされた。
「ぐはぁッ!」
レヴァンは壁に叩き付けられると、ロングソードを杖に、立ち上がろうとしたが、斧の黒騎士に吹き飛ばされて、また壁に叩き付けられる。
「はぁ・・・はぁ・・・くそ・・・此所までか・・・」
レヴァンは覚悟を決めた時、後ろから重い衝撃が走った。
倒れる前に後ろを見ると、そこには大剣を振り下ろし終えた四体目の黒騎士がいた。
「四体、目・・・こんな事があるのか・・・?」
レヴァンは疑問と自分の未熟さを悔しく感じながら消えていった。
残された黒騎士は、役目を終えた様に立ち去っていく。