ダークソウルif   作:コッコ

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はぐれデーモン

レヴァンは二人と別れた後、一人森の中を歩いていた。

道中、化物や盗賊の類と戦うが全く敵にならなかった。

 

「この世界は何なんだ・・・さっきの二人といい、人が正気でいる世界。こんなのは初めてだ・・・」

 

レヴァンは戸惑いつつ歩き続けていると、辺りが急に暗くなった。

レヴァンは空を見上げると、先程まで夕陽が輝いていたのに夜になっていた。

 

「夜か・・・」

 

レヴァンはその場に地べたに座り、うつ向いた状態で休む。

何れくらいか時間が経った後、レヴァンはいつの間にか眠っており、寝息を立てている。

 

「・・・」

 

レヴァンが寝ている時、回りを囲まれる気配を感じたレヴァンは、北騎士の剣を掴んで警戒する。

徐々に囲まれつつ、レヴァンはすぐに動ける様にしていると、気配の一人がやって来るのを感じた。

 

「誰だ?」

 

レヴァンがそう言うと、黒い鎧を着る若い騎士だ。

騎士には何処か威厳がある。

 

「驚かせてすまない。我々は暗夜王国軍の者だが、この辺りに見た事のない怪物が現れたと言う知らせがあってな・・・見てはいないか?」

 

「・・・いや、見てないな。そんな怪物がいるならすぐに気付くさ・・・」

 

レヴァンはそう言うと、騎士は宛が外れたとばかりに顔をしかめる。

 

「そうか・・・警戒させてすまなかった」

 

「いえ・・・」

 

騎士は馬に乗ると、多くの気配と供に消え、レヴァン一人が取り残された。

レヴァンはまた寝付こうとしたが、怪物と言う単語が離れず、嫌な予感しかしなかった。

 

「また、あの緑の奴じゃなければ良いが・・・ッ!?」

 

レヴァンは呟いた瞬間、何か振り下ろされる物を感じ、ローリングして避けた。

先程、レヴァンがいた場所には巨大な棍棒があり、棍棒を持つ者は醜い怪物だった。

 

「はぐれデーモン・・・!まさか、またこいつを戦う機会が来るとはな・・・」

 

レヴァンは先程の北騎士の剣を引き抜いて、カイトシールドを持って身構えた。

はぐれデーモンはまた巨大な棍棒を振るおうと、振り上げてくるが、レヴァンはその隙に後ろに回りこむ。

はぐれデーモンは棍棒を振り下ろすのを見計らって、レヴァンは北騎士の剣を連続で振るう。

 

大量の血が吹き荒れるが、はぐれデーモンは物ともせず、レヴァンの方を向いて少し飛ぶ。

レヴァンは素早く後ろに下がった瞬間、はぐれデーモンは飛ぶのを止めて落ちてきた。

 

はぐれデーモンとレヴァンの戦いは、激しさを増す。

 

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その頃、怪物を探していた暗夜王国軍は戦いの爆音を察知していた。

 

「何だ、この音は?」

 

「先程、あの者がいた場所ですね・・・」

 

「・・・まさか。全軍、急いで戻るぞ!あの者が襲われているかもしれん!」

 

騎士は襲われているかもしれないレヴァンを助けに向かう為に馬を駆ける。

 

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その頃、レヴァンははぐれデーモンを圧倒していた。

それもそうである。

レヴァンは北の不死院で、何度も死にながらはぐれデーモンの動きを看破している。

しかも、今のレヴァンは戦いの経験を持ち、今更はぐれデーモンに遅れを取りはしなかった。

 

「後、少しだな・・・」

 

レヴァンは、はぐれデーモンと決着を着ける為に、北騎士の剣を振るおうとした瞬間、多くの足跡が聞こえる。

 

「大丈夫か!?」

 

「ッ!?来るなぁ!!!」

 

レヴァンはさっきの軍だと分かり、すぐに止めようとしたが時既に遅く、はぐれデーモンは向かって行ってしまった。

 

「くそが!」

 

レヴァンは悪態をつきながら走って追い掛けると、そこにははぐれデーモンが巨大な棍棒を振るって軍を襲っていた。

あの騎士を筆頭に果敢に戦うも、はぐれデーモンは容赦なく襲う。

 

「ガロン様、早くお逃げください!この怪物は我々では手に終えません!」

 

「馬鹿者!私が此所で退けば、誰がお前達を守る!私は最後まで戦うぞ!」

 

騎士ことガロンはそう叫ぶと、黒い剣を手にはぐれデーモンに向かって行くと、斬り着ける。

相当に良い武器だったのか、はぐれデーモンは悶えて怯んだ。

だが、はぐれデーモンはすぐに立ち直ると、ガロンに向かって棍棒を振るう。

 

「ガロン様!!!」

 

「くッ!?」

 

ガロンは死を覚悟した。

この怪物の棍棒で、体がグチャグチャになるのを考え走馬灯が見える。

 

「(私は此所で死ぬのか・・・)」

 

ガロンはそう考えた瞬間、いきなり吹き飛ばされた。

ガロンは地面を転ぶと、吹き飛んだ方向を見た。

見た物は、はぐれデーモンの棍棒によって押し潰されたレヴァンだった。

 

「ッ!?そんな・・・私のせいで・・・」

 

ガロンはレヴァンが死んだと考えた。

普通の思考ならそう考えるだろうが、レヴァンは不死人。

死ぬ事を許されない呪われた存在であり、二つの世界の使命を果たした名も無き英雄だ。

 

そんな、レヴァンがはぐれデーモンの攻撃を受けただけで、死ぬ事はなく、すぐに立ち上がった。

レヴァンの立ち上がった姿に、ガロンを含め、軍全員が驚いた。

 

「はぁ・・・面倒な事をしてくれる物だ・・・この付けは後で払ってもらうぞ?」

 

レヴァンがそう言った時、はぐれデーモンは向かってくるが、レヴァンは北騎士の剣を振るう。

一線の元に切り裂いたレヴァン、はぐれデーモンは倒れ伏すと、消える。

 

「大丈夫か?」

 

「あ、あぁ・・・助かった・・・」

 

レヴァンから差し出された手をガロンは取ると、引っ張られる様に立ち上がらされる。

 

「さっきの攻撃を平気そうに・・・お前は何者なんだ・・・」

 

「・・・レヴァンだ。訳あって放浪の身だ」

 

「・・・あまり触れて欲しくなさそうだな。私はガロン。暗夜王国の王子だ」

 


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