ダークソウルif 作:コッコ
レヴァンとロートレクが対峙する中、二人は動く事なく静かにゆっくり動きながら身構えている。
レヴァンは間合いをジリジリと詰めていく中、ロートレクはレヴァンが間合いを詰める分、下がる。
「・・・」
レヴァンはロートレクの隙を伺い続けていると、突然ロートレクが切り込んできた。
レヴァンは氷結の剣で、ロートレクのショーテルを防ぐがやはり、ショーテルの曲がった刃で傷つく。
「どうした?それだと前の様に負けるぞ?」
「ちッ・・・はぁ!」
レヴァンはロートレクに対して攻勢に出た。
氷結の剣を両手で持ち、連続で切り着ける。
ロートレクは二本のショーテルで巧みに防ぎ、カウンターを繰り出したりする。
一進一退の攻防。
レヴァンとロートレクの戦いは激しさを増していく。
戦うレヴァンの姿をミコトは不安な面持ちで、黙って見ている。
「ロートレクさん・・・」
レヴァンは氷結の剣を振り上げると、勢いよく振って氷の攻撃をロートレクに仕掛けた。
ロートレクは避けきれず氷の攻撃を受けたが、致命傷にはならなかった。
「ふん・・・その奇妙な剣は、デーモンから取り上げたのか?」
「分かるのか?」
「そんな禍々しいデーモンのオーラを纏った剣・・・デーモンの武器しかないだろ?」
ロートレクはそう言うと、ショーテルを振るう。
レヴァンは避けたが、ロートレクはもう一本のショーテルで攻撃してきた。
レヴァンは氷結の剣で防いだが、氷結の剣は飛ばされてしまった。
「くッ!?」
「ククク・・・武器を無くしたなレヴァン?」
「まだ、武器はある・・・」
レヴァンはそう言うと、ソウルから新たに雷を纏ったサイズとカイトシールドを取り出した。
レヴァンはその二つを持って、ロートレクに向かっていく。
「はぁ!」
「ちッ!」
ロートレクは受けずに避け、ショーテルで攻撃するもカイトシールドが完全ではないにしろ、防ぐ。
レヴァンは勢いに乗ってサイズをロートレクに振るっていく。
ロートレクは少し間合いを下げた時、ロートレクは瞬間的に横に避けた。
ロートレクの顔にボルトが横切り、レヴァンの手にはクロスボウがある。
「ちッ、ちょこまかと武器を変えやがって!」
「それが私の戦い方だ。武器を変え、敵をどんな手段を使ってでも倒す・・・私達の専売特許だろ?」
「ふん・・・確かにな・・・」
ロートレクは二本のショーテルを構えると、レヴァンはサイズをしまい、黒騎士の斧と盾を取り出した。
「何て大きな斧なの・・・」
「大きい!」
ミコトは唖然とし、カムイははしゃいでいる。
ロートレクは少し、たじろいで下がっている。
「さぁ・・・決着を着けようか?」
「・・・ふん」
レヴァンは黒騎士の斧を肩に担ぐ様に構え、ロートレクも構える。
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その頃、スメラギは雷神刀を持って、兵士と共にミコトとカムイの元に向かっていた。
「待っていろ・・・ミコト、カムイ!」
スメラギは必死に走って来てみると、部屋は半壊しその部屋の中央で乱戦を繰り広げるレヴァンとロートレクがいる。
スメラギは唖然としていたがすぐに正気になり、ミコトを探すと、ミコトとカムイが部屋の隅にいた。
「ミコト!カムイ!」
「スメラギ様!」
スメラギは二人に駆け寄ると、ミコトとカムイを抱き締めた。
「良かった・・・無事で、良かった・・・」
「スメラギ殿!」
二人が無事で安心しているスメラギに、戦いながらレヴァンは叫んだ。
「早く二人を連れて逃げろ!こいつは私が相手をする!」
「しかし!」
「早く!」
レヴァンは叫んだ瞬間、ロートレクに重い蹴りを受け、倒れる。
ロートレクはその隙を突いて、カムイに向かっていく。
「死ねえぇぇぇぇぇぇ!!!」
ロートレクのショーテルがカムイに向かって振り下ろされる。
だが、カムイは危機を感じたのか避けた。
「カムイ!」
「痛い・・・痛いよ・・・!」
しかし、ショーテルはカムイの目元を斬り、カムイの目元は血を流している。
「ロートレク・・・貴様!!!」
レヴァンは立ち上がってロートレクに走っていく。
だが、レヴァンの足ではロートレクの元に行くまでに次の攻撃がカムイを襲うのは明白。
レヴァンは何とか間に合わせようと、必死に走り続ける。
「ちッ、仕留め損ねたか・・・だが、これでおしまいだ」
ロートレクの言葉を聞いたミコトは、目元を押さえて痛がるカムイを庇う様に被う。
「させるか!」
次にスメラギが雷神刀をロートレクに振るって、ロートレクは下がった。
「くッ!猪口才な!」
ロートレクはスメラギに向かってショーテルを振るうが、スメラギは素早い動きで避け、ロートレクを逆に斬った。
「ぐぉッ!何故だ・・・何故、ただの人間が・・・そんな強力な武器を・・・!!!」
「ただの人間と言う訳ではないさ・・・ロートレク」
ロートレクはスメラギに斬られた傷を押さえながら振り向くと、グレートソードを振り下ろす直前のレヴァンがいた。
「・・・深い絆を持った家族を守ろうとした武人だから持つ事が許されているんだ」
レヴァンがそう言い終わると、グレートソードは振り下ろされ、ロートレクはグレートソードの下敷きになった。
グレートソードが退かされると、ロートレクは消えかかっている。
「くそ・・・また、貴様に負けるのか・・・」
「私は守るべき者がいるなら、負ける訳にはいかないからな・・・」
「ふん・・・口ではそう言っているが・・・私を殺した後、奧にいた女神に何をした・・・?」
ロートレクの言葉に、レヴァンは驚愕する。
何故、グヴィネビアを殺した事を知ってる口調で言ったのか、レヴァンは震えながらロートレクを睨む。
スメラギ達は黙っている。
「何の事だ?」
「惚けるな・・・私は、奧にいた女神の存在は知っていた・・・だが、途中で貴様に殺されて終わったがな・・・あの時のお前の目は・・・ソウルを喰らうデーモンその物だった・・・」
「黙れ・・・」
「否定するか・・・?否定しても神殺しの罪は」
「黙れと言っている!!!」
レヴァンはロートレクにそう怒鳴ると、ロートレクは愉快そうに笑う。
「ククク・・・貴様の怒鳴り声・・・久しぶりに聞いたな・・・では、また何処かで会おう・・・」
ロートレクはそう言うと、消えていった。
レヴァンは震える体を必死に抑えると、傷ついたカムイの元へ向かっていく。
カムイは目元を押さえて酷い痛みに唸っている。
「痛いよ・・・」
「大丈夫だ。ミコト殿、少し離れて」
「は、はい!」
ミコトは離れると、レヴァンはタリスマンを手にし祈る様に屈む。
すると、カムイは光に包まれ、カムイは痛みが無くなったかの様に寝息をたてた。
「・・・ふぅ。これで大丈夫の筈だ」
レヴァンはそう言うと、ミコトはカムイに抱く。
「カムイ・・・!良かった・・・あぁ、カムイ・・・」
「今の術は?」
「奇跡と呼ばれる物です。前いた国で使われた物です・・・」
レヴァンはそう言うと、ゆっくりと倒れ込んだ。
「レヴァン!」
「・・・大丈夫です。少し、疲れた・・・だけ、です・・・」
レヴァンはそう言うと、静かに目を閉じて気を失った。