ダークソウルif 作:コッコ
レヴァンとサイゾウは共に白夜を目指して歩いていた。
サイゾウは負傷してはいるが、歩けない訳ではないので早足で歩く。
「大丈夫か?」
「はい。この位の傷・・・大した事はありません」
「そうか・・・ッ!?伏せろ」
レヴァンはそう言うと伏せ、サイゾウもレヴァンに合わせて伏せた。
レヴァンの見る先には、フウマ公国の忍びと思われる忍びが巡回している。
「どうやら捜索の手が広げられたらしいな・・・」
「その様ですね・・・どうしますか?」
「・・・任せろ」
レヴァンはそう言うと、木に隠れてファリスの弓を構えた。
ファリスの弓を引くと、忍びの一人に矢を当てた。
「な、何だ!何が起こった!」
混乱する忍び達に、レヴァンは移動しつつファリスの弓で次々と仕留める。
巡回していた忍びを仕留めると、レヴァンは手招きしてサイゾウを呼ぶ。
サイゾウはレヴァンの合図を見て、レヴァンの元に向かうと静かに進む。
忍びの巡回は白夜へ行く程、厳しくなりレヴァンの弓だけでは対処できなくなった。
「数が多すぎるな・・・」
忍びの警戒は時間が経つにつれ厳しくなり、逃走も困難になりつつあった。
レヴァンはどうするか考えていると、サイゾウがレヴァンの元に来る。
「私に考えがあります」
「考え?」
「はい。それは・・・」
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「奴等はまだ見つからんのか!」
「申し訳ございません!味方が近くに倒れていたので近くにはいると思うのですが・・・」
「早く見つけて殺せ!・・・そうでなければ私が殺されるからな・・・」
コタロウは焦っていた。
フウマ公国に侵入したサイゾウを始末しようとしていたら、レヴァンがこの国に足を踏み入れたと報告を受けた。
レヴァンは人が襲われたりしている事を黙って見捨てないと、コタロウは聞いており万が一、レヴァンがサイゾウに接触しコタロウに襲われたと言えば、必ず殺しに来ると、考えていた。
「くそ・・・」
コタロウは命を危機を感じながら怒りと焦りでうろうろしていると、忍びが報告に来た。
「報告します!サイゾウを発見しました!」
「よし!私、自ら始末する!それまで押さえていろ!」
「御意!」
忍びは了承すると走っていき、コタロウは不敵に笑う。
コタロウはサイゾウの元へ急いで来ると、サイゾウが取り押さえられた状態でいた。
「ふっはははは!無様だなサイゾウ!これで、おしまいだ!」
コタロウはそう言いながら忍びの暗器手裏剣をサイゾウに突き刺した。
しかし、サイゾウは刺されると同時に消えてしまった。
「なッ!?」
「写し身・・・そんな事も見破れぬとはなコタロウ」
コタロウは振り向いた瞬間、首に重い一撃を受け、気絶した。
サイゾウは気絶したコタロウを見ていると、激しい爆発音と共に忍び数人が飛んできた。
「やれやれ・・・片付いたか・・・」
「はい。これ以上の殺生は無用です。行きましょう」
「こいつもか?」
レヴァンはコタロウに指を指して言うと、サイゾウは笑いながら言う。
「これで懲りたでしょう。また何かするつもりなら、私が責任を持って倒します」
サイゾウはそう言うと歩いて行き、レヴァンも着いて行く。
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レヴァンとサイゾウはフウマ公国を抜け白夜領に入ると、平たい道を真っ直ぐに進んでいた。
「もうすぐ王都へ着きます。頑張ってください」
「あぁ・・・」
レヴァンはもうすぐ白夜へ着くと聞いて、一つ疑問に思った。
使命を課せられた少女は誰なのか分からなかった。
このまま行っても分からずじまいで終わりそうになると、レヴァンは少し焦る。
「どうしました?」
「いや・・・何でもない・・・」
レヴァンは歩いていると、道の先に大きな街が見えてきた。
「レヴァン殿。白夜の王都へ着きました」
レヴァンがかつて旅した世界の王都が神々しいなら、白夜の王都は幻想的な所だった。
自然と街が合わさり、街の中心となる城が更に引き立たせた所だった。