ダークソウルif 作:コッコ
シュヴァリエを抜け、元の装備に変えたレヴァンは日が出ているのに気が付いた。
「抜けたか・・・早く白夜へ行かなければ」
レヴァンは足を早める。
ロートレクの事もあって何時、少女が殺されるか分からないからだ。
レヴァンは足を早めて歩いていると、桃色の花を枝全体に咲かせた木々の道に入った。
レヴァンは歩き続けていると、気配を感じ取って立ち止まった。
「何者だ?」
レヴァンはそう言うと、多数の東方の隠密の服装をした男達が現れた。
男達はそれぞれ暗器らしき武器を構えている。
「我らの国に無断で足を踏み入れるとは・・・何者だ!」
「(国?私は知らずに他国に足を踏み入れてしまったのか?)」
「聞いているのか!」
「聞いている・・・無断で立ち入ってしまったのは申し訳ないが、先を急いでいる。通して貰うぞ」
レヴァンがそう言うと、男達はいきなり斬り掛かってくる。
レヴァンはロングソードを抜くと、暗器を弾き返して男を斬った。
「き、貴様!」
「お前達が先に仕掛けたのだろ?」
「うるさい!皆の者、掛かれ!!!」
指揮官らしき男がそう言うと、一斉に飛び掛かってきた。
レヴァンは男達をあしらって行くと、次々に切り裂いていく。
時に剣で時に盾で、防ぎ殺しながら徐々に指揮官に向かっていく。
「お、お前達!相手は一人だぞ、何をしているんだ!」
「無駄だ。お前達では相手にすらならんぞ」
そう聞こえると、男達の後ろから頭目らしき男が現れた。
「部下がとんだ失礼をしました。レヴァン殿・・・」
「ほぉ・・・どうやらお前は私を知っているようだな?」
「はい・・・我々、忍びは常に情報網を張り巡らせておりますから。私はコタロウ・・・この国、フウマ公国の公王でございます」
コタロウはそう言うと、深々と頭を下げた。
「王がそんなに頭を下げて良いのか?」
「多くの怪物を殺した貴方様は英雄。私は王でも、英雄ではありませんから・・・」
「英雄・・・か・・・」
レヴァンはかつて、英雄と呼ばれた者達と戦った事を思い出した。
特に深淵歩きのアルトリウス、竜狩りオーンスタイン。
この二人はとても強かった・・・オーンスタインはスモウとタッグだったがそれでも強かったと言える。
それに比べてレヴァンはこの二人と比較して、自分は英雄の器ではないと感じた。
「英雄と呼ばれる程の事ではないさ・・・」
「そ、そうですか?」
「あぁ・・・では、先に行っても良いか?急ぎなんだ」
「はい」
コタロウの許可を得たレヴァンは歩いて行く前、コタロウの目を見ていた。
コタロウは・・・とても野心家だとレヴァンは感じ取った。
レヴァンはこれまでの戦いの中で、信用できる人間か信用できない人間かの区別が付けられる様になっていた。
嘘をつく人間を瞬時に感知するが、わざと罠に掛かって抜け出し、命乞いをさせた後にアイテムを貰ったりした。
「・・・ん?何だ・・・」
レヴァンは歩いている時に、目の前で戦いが起こっていた。
コタロウの言っていた忍びの服装をしているが、戦い合ってる者達は全員同じ服装をしている。
「はぁ・・・はぁ・・・これまで、か・・・」
「逃がしはせんぞ・・・サイゾウ・・・覚悟!」
忍びの一人がサイゾウと呼ばれた男を殺そうとした時、腕にナイフが刺さった。
「ぐわぁッ!?」
「な、何だ!」
戸惑う忍び達の元に現れたのはクレイモアとカイトシールドを持ったレヴァンだった。
「やれやれ、数人でリンチか・・・お前達、殺されるか覚悟は出来てるな?」
レヴァンは言い終わると同時に、殺気を出した。
レヴァンの殺気はとても強大で、気絶する忍びもいた。
「ひ、ひぃッ!?た、退却!」
忍び達はレヴァンを恐れ、逃走するとサイゾウの元に行く。
「大丈夫か?」
「は、はい・・・お陰で助かりもうした・・・」
「なら良い。私は白夜へ急いでいるので失礼・・・」
「おぉ、白夜ですか。なら、私が案内いたしましょう」
サイゾウの言葉にレヴァンは反応して振り替える。
「白夜への道を知っているのか?」
「はい・・・私は白夜王家に仕える忍び。四代目サイゾウですから」
四代目サイゾウと名乗ったサイゾウは、ニッコリと笑うのだった。