ダークソウルif 作:コッコ
レヴァンは篝火で休み終えると、小屋を出て歩き出す。
人通りに溶け込んで歩き、悟られずにシュヴァリエから抜け出そうとした時、何者かが後ろから不意に斬りかかってきた。
レヴァンは避けて身構えると、そこには女神の騎士ロートレクがいた。
「ロートレク!」
「ククク・・・久しいな、レヴァン・・・お前に復讐霊として殺された日以来か?」
「やはり貴様も来ていた・・・また誰かを殺す気か?」
レヴァンは身構えながらロートレクに問うと、ロートレクは薄気味悪く笑う。
「貴様も知っているだろう?ある使命を果たせば不死からの解放が果たせると。その使命は主に二つ・・使命の課せられた少女を導くか、破滅させるか・・・俺は破滅させる道を選んだのさ」
「成る程な・・・つまり、まだ使命の果たせるか分からない少女を殺すつもりか?」
「ククク・・・そうだ」
ロートレクはそう言うと、レヴァンに斬り掛かり、レヴァンはロングソードを抜いてロートレクのショーテルを防ぐ。
だが、ショテールの特徴的な大きく曲がる刃が直接レヴァンに襲い掛かる。
「ぐッ!」
「どうした?俺を前の様に殺してみろ!」
ロートレクは二本のショーテルを次々に素早く振るい、レヴァンは防ぐのがやっとだ。
レヴァンは徐々に体力が削られていき、追い詰められていく。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「・・・つまらんな。俺を倒した気迫はもう、ないのか?」
「・・・分からん。だが、いつの間にかそんな気迫は捨ててしまった」
「成る程・・・つまり絶望に負けたか。なら、もう用はないな」
ロートレクはそう言うと、ショーテルを振るってレヴァンを切り裂こうとした時、多くの足跡が聞こえてきた。
「衛兵さん此方だよ、早く!」
「ちッ、邪魔が入ったか・・・レヴァン。また今度に決着を着けよう・・・」
ロートレクはそう言うと、走って何処かへ消えていった。
レヴァンは力無く崩れると、レヴァンの元へ続々と人がやってくる。
「おい、大丈夫か!」
「すごい怪我だぞ!早く、手当てを!」
衛兵の言葉に杖を持った男が、杖を掲げて光をレヴァンに移した。
レヴァンは暖かさを感じると同時に、みるみると傷が癒えてきた。
「大丈夫か!」
「あぁ・・・大丈夫だ・・・」
「いったい何があった?この少女が知らせなかったら死んでたぞ?」
レヴァンは見てみると、不安そうに見てくる少女がいる。
レヴァンはゆっくりと、近づくと背丈に合わせる様に屈む。
「そうか・・・お前が知らせてくれたのか」
「だ、だって・・・襲われてたから・・・」
「ふ・・・別に怒ってはいない。むしろ助かった・・・ありがとう。お前、名は?」
「く、クリムゾンだ!」
「クリムゾン、か・・・良い名だ。大事にしろよ」
レヴァンはそう言うと、立ち上がって去ろうとした。
衛兵は立ち去ろうとするレヴァンを呼び止めた。
「ちょっと待ってくれ!事情を聞きたいから・・・」
「事情は知り合いと戦っていた。それだけだ」
レヴァンはそう言うと、人混みに紛れて消えて行った。