ダークソウルif   作:コッコ

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森の中へ

レヴァンは森の荒れた道を進んでいた。

枝や草の踏まれる音が響きながら突き進むと、横から斧が振り下ろされレヴァンはローリングして避ける。

 

「ッ!?亡者!」

 

「・・・」

 

レヴァンはこの世界では見る事のなかった亡者に動揺を隠しきれなかった。

亡者は斧を振り上げてレヴァンを襲うが、レヴァンは避けて炎のロングソードで切り裂いた。

 

「・・・まさか、亡者まで現れるとはな・・・」

 

レヴァンは亡者に警戒しながら森を進む。

何度か亡者と戦っていると、分かれ道が現れた。

 

「どっちだ・・・ん?」

 

レヴァンは下にメッセージの書かれたサインを見つけた。

左の内容は間違いと書かれ、右は正解と書かれていた。

普通の神経ならサインを信じて進むが、不死の世界では極希に罠があるのにサインしてたぶらかす様な内容もある。

 

「・・・さて、行くか」

 

レヴァンは右を選んだ。

右の道を進んでいると、森が開けて分かれ道の最後が見える。

左の道には、首なしデーモンが二体も待ち受けてそれ以外何もない。

 

「ふぅ・・・首なしデーモンを相手にするのはごめんだ」

 

 

レヴァンは少し身震いして更に先に進む。

長い森がレヴァンを阻むが、レヴァンは迷いなく進んで森を抜けると、そこには信じられない物があった。

それは、火継ぎの祭祀城その物だった。

 

「そんな、馬鹿な・・・」

 

レヴァンにとっては不死としての使命を帯び、全てを始めた場所。

レヴァンは戸惑いながら歩くと、見慣れたフード姿をした人物がいる。

それは、火防女と呼ばれる者が着る服だ。

 

「・・・そこの人」

 

「あら、随分と早かったですね?」

 

火防女と思しき人物は振り替えると、微笑みを浮かべている。

だが、その微笑みは何処か狂っている様にも見える。

 

「お前は・・・火防女か?初めて見る顔だが・・・」

 

「申し遅れましたね。私は火防女のルティア・・・この世界での、火防女です」

 

「・・・なら、最初に聞きたい。ここは何処だ?何故も、デーモンも、亡者すら関係なく存在する?」

 

「随分と質問が多いですね・・・この世界は簡単に言うと、不死の世界ではありません。この世界では不死の呪いは無いのはご存知ですね?」

 

ルティアの言葉にレヴァンはうなづくと、ルティアは話しを続ける。

 

「この世界では、まだ先の事になりますが暗夜と白夜が戦争をする世界です」

 

「何だと!?」

 

レヴァンは驚愕した。

親しい者が多くいる暗夜と最初にいた国、白夜が戦争をする。

レヴァンは固まってしまった。

 

「まぁ・・・これだけは避けられませんが・・・重要なのはその先、一人の少女の決断です」

 

「一人の少女?」

 

「はい。少女の選択で全てが決まります。暗夜が負ける未来・・・白夜が負ける未来・・・あるいは・・・。幾つもの可能性が彼女を苦しめ、絶望へ突き落される試練の数々・・・それが少女に課せられた使命であり、運命です」

 

「・・・私に、何をさせるつもりだ?」

 

「簡単です。少女を導くか、破滅させてください。どちらかを達成すれば・・・不死から永遠に開放させられます」

 

「ッ!?」

 

レヴァンの長年の夢、不死からの開放。

レヴァンにとっては、もう了承を決定する条件だった。

 

「どうします?」

 

「・・・分かった」

 

「それは良かった!では・・・」

 

ルティアは中央にある篝火に手を翳すと、火が灯った。

不死のレヴァンにとって、憎しみと希望の象徴・・・レヴァンはルティアに向く。

 

「行った事のある場所ならこの場所から転送できますからね。では、ご武運を・・・」

 

ルティアはそう言うと、何処かへ行ってしまった。

 

「・・・休むか」

 

レヴァンは篝火に腰を下ろすと、ゆっくりと休む。

ミルドレッドから聞いた、太陽の戦士らしき人物はおらず、レヴァンとルティアだけしかいなかった。

 

「先に旅立ったのだろうか・・・まぁ、いつか会えるだろう・・・」

 

レヴァンはそう呟くと、静かに眠る。


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