サーヴァントの召喚に失敗した俺は、死んでしまった。この人でなし!
これでマスターはいなくなってしまった。現世にサーヴァントを繋ぎとめる枷が無くなってしまった以上マシュの力は消えるしかない。所長だけであの化け物どもをどうにかできるとも思えない。あとはコフィンでこん睡状態に陥ってる連中の回復を祈るばかりになってしまった。申し訳ない以上に情けない。
俺が目を覚ますと、なにやら和風の道場が広がっていた。
ぐったりと地面でけだるさを出しまくっている波打つ黒髪を垂らした美人と、ぐーすか寝息を立てている白だか銀髪の体操服姿のちみっこがいた。
「また馬鹿弟子お前か……何度目だナウシカ……」
それ以上はやめろ。
「いいか、アクションゲームというのはだな、ノベルを主体としたゲームとは違ってだな、死に安いんだ。特にソウル系列はすごいぞ。初見プレイでどうせ雑魚だろとスケルトンに切りかかったら最後いたぶられて死ぬことになる。見ろ後ろの掛け軸を。567回目の死亡を体験できるようなゲームなんてほかにあるのか? 死亡前提のマラソンとかほかのゲームで考えるとなかなかどうして狂ってると思わないか」
そこで美人さんはんっと首をかしげた。馬鹿弟子呼ばわりされる覚えは無い。初対面なんだぞ。
「お前馬鹿弟子じゃないな。モブっぽい顔をしているな」
「だれがモブじゃい! 主人公だわ!」
「どうせキャラ作りすぎてめんどくさくなってプリセットから選んでるんだろう」
俺がむっとして言うと美人さんはローブをすぽっと被った。
「危ない具体的に顔が描写される前でよかった」
「なにいってんだこいつ」
「テクスチャ的にまずいんだよ。カメラを妙な位置に動かして中を見るのはよせ」
ノベルゲームにはわからん内容ですわ。
「う、うーん……」
ちみっ子が起きようとしている。しかしなんて幼い子なんだろう。個別ルートが作れないくらいには若い。原作的に倫理が引っかかってしまうからつくれねぇんじゃないかなとか言うのはキャンセルだ。
なんか道場の隅っこにあるステッキみたいなのがびくんびくん動いてとても気持ち悪い。
『はぁい! 私、砂魔女装備が一番えっちだと思います!!!!」
そこで扉がぶち壊され板みたいな盾と、板っぽい形状の特大剣を構えた騎士と、姿かたちは一緒なのに赤く輝いてる騎士が入ってきた。特大剣特有のガード姿勢で走りこんでくる。
「全裸が一番えろいぞ」
「全裸もえろいぞ!」
「全裸だからえろいんだろ!」
「全裸がえろいとは限らないじゃないか!」
マネキンみたいなこと言いやがって!
「やあ立香今日も馬鹿っぽい顔してるね」
「やあ立香今日はいつにもまして馬鹿っぽい顔をしてるね」
「立香が馬鹿とは限らないだろ!」
「馬鹿だから立香なんだろ!」
いい加減頭が痛くなってきた俺がふと気がつくと、目の前に銀色の鎧で武装した騎士が剣を構えていた。隣にはでかい狼がいた。
よかった。死んでなかったんだね。セーブからのやり直しをしたわけじゃないよ本当だよ。
ダクソ的にはオートセーブだから取り返しのつかない(ry
おわれ
FGO編続きは総合評価が1000行ったら来るんじゃない?(投げやり)