世の中に たえて光のなかりせば 藤の心はのどけからまし   作:ひょっとこ斎

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第26手 プロ試験 その2

 伊角さんとの対局の後、8戦目と9戦目は順当に勝利を収めた。

 この時点で、全勝は私以外にヒカルと越智くん。

 私に負けた伊角さん、越智くんに負けた明日美さんと門脇さんが1敗で並んでいる。

 

 

 そして10戦目、和谷くんとの勝負。

 

「和谷くんが森下先生の弟子になってからずっと打ってるけど、本気で勝負する場では初めてだね」

「ああ、そうだな。お前は全然プロ試験を受けなかったもんな。今年から院生になったのは、やっぱり進藤の影響か?」

「うん、そうだね」

「幼なじみとはいえ、碁を打ち始めてすぐの奴に影響されるってどうなんだよ」

 

 まったくです。照れてしまって笑ってごまかすと、小さく肩をすくめられた。

 

「何にせよ、やっぱり簡単じゃねえよな」

「そりゃ、プロになったら碁を打って食べていくってことだもん。大変だよ」

 

 プロ試験自体は勝ち負けを競うけど、プロになっても、ただ勝負に勝てばいいってわけじゃない。

 お客様がくるイベントで指導碁や解説をしたり、秒読みや棋譜の記録係も、お手伝いでやってる今より格段に増える。大盤解説はまだまだ先の話だけど、そのうちやれるようになりたいな。

 とはいえ、受かってないうちから考えることじゃないね。相手は和谷くん。強敵の1人。

 真剣な顔で前を向くと、目が合った和谷くんが子どもっぽく笑う。ふふ、和谷くんも大変なはずだけど、プロ試験を楽しんでるのが分かる。こういうところは本当に和谷くんらしい。しげ子ちゃんに教えてあげよう。

 

 

 かなり激しい戦いになったけど、結果は私の中押し勝ち。私の攻めを和谷くんがかわしきれずに、私が目数で上回って、決着が付いた。

 残念そうだけど、負けたことそのものより、検討したいらしい。

 

「いいけど、他の人を見なくていいの?」

「ああ……。ここ、お前が打った一手、俺が先にこっちを攻めてたらどうなった?」

「あっ、そっちは無視できないね。私が受ける側になるから、その先どうなるか分からなかったかも」

「そっか、俺もまだまだだな。ありがとよ」

「うん、こちらこそ」

 

 和谷くんが対局後に示した手は、思い付かなかった。和谷くんも、ネットのsaiを追いかけてるからかな? ここぞという時の、最善の一手を追求しているように感じる。実際、和谷くんが対局中に気付いていたら、負けていた可能性があっただろう。

 他の結果を見ると、ヒカルと明日美さんが勝っている。休憩室に行って、2人と合流する。伊角さんも混ざって話していると、越智くんが寄ってきた。

 

「藤崎は和谷に勝ったの?」

「うん、勝ったよ」

「そう。じゃあ、初の黒星を付けるのは僕だね。伊角さんにも期待してたんだけど、残念だったよ」

「なっ」

 

 越智くんの言葉に、伊角さんが言い返そうとするも、その前に明日美さんが割って入ってきた。

 

「越智、あんた偉そうに言ってるけど、あかりちゃんに勝ったことないでしょ」

「明日は勝つよ」

「そう。対局、楽しみにしてるよ」

 

 越智くんに勝利宣言されたけど、軽く流す。

 フンと鼻を鳴らして去っていく越智くん。

 

「何よあれ、感じ悪い。伊角さんも、言い返しなよ」

「今のは、伊角さんが言い返す前に奈瀬が割り込んだだろ」

「そんなことないよ」

 

 あるある。明日美さん、負けん気が強いよね。

 

「あかりちゃんも! 言われたい放題だったじゃないの」

「うーん。プロを目指してるんだし、ある程度牽制してくるのも当然だと思う」

「まぁ、悔しいけど実力はあるよな」

 

 こちらに向いた矛先を納めてもらおうとしていると、伊角さんも私に同意してきた。

 口を開きかけた明日美さんに、ひと言付け足す。

 

「もちろん勝つ気で打つし、勝負で引いたりしないよ」

「そりゃそうよ。誰だって、一戦も手を抜いたりしない。そんなの分かってるけどさ」

 

 への字口をしつつ、言葉通り、悔しそうにしている。

 

「今年は良い感じだし、合格したいけど、そうなると越智に負けたのは響くなぁ」

「まだ1敗だし、これからよ」

 

 変に欲が出て、打ち方が荒くならなければいいんだけど、ちょっと心配。

 そんな話をしていると、和谷くんもこちらに向かってきた。

 トイレに行っていたようで、伊角くんにもっと籠もらなくていいのか、と揶揄されている。

 なんだかんだで、みんな越智くんのことよく見てるよね。負けた後、越智くんがトイレに籠もるのも知ってるし。

 

「もう3敗してるけど、越智とは相性いいし、これ以上負けてられねーからな。伊角さんにだって負けねーよ」

「確かに、和谷はちょっと負けが込んでるな。進藤が負け無しだってのに」

 

 気合いを入れた和谷くんを伊角さんが茶化して、和谷くんが食ってかかる。

 ここにいるメンバーは結構上位陣だと思うけど、ギスギスしないのは良いことだと思う。

 ヒカルは来週の伊角さんとの対局を皮切りに、門脇さんと明日美さん、本田さんとの連続対局もあって、かなり厳しい戦いが続く。最終戦とその手前が越智くんと和谷くんだし、本当に大変だね。

 

 

 2日後の11戦目。越智くんとの対局が始まった。

 

「今日はよろしく」

「こちらこそ、よろしくね」

 

 越智くんの弱点はハッキリしている。地にこだわりすぎるところ。

 こちらが大きく模様を広げて崩されなければ、勝ちは見えてくる。私自身、攻めるより守る方が得意だから、相性は良いかもしれない。

 今日の対局も、やっぱり越智くんは地に辛い打ち方になっている。それが悪いわけじゃないけど、攻め方が緩かったらなかなか盤面が有利にならない。越智くんの碁は、地味だけど悪い碁になりにくい安定さがある。でも、ヒカルの打つ後々活きるような一手はきっと打てない。

 後半、越智くんが荒らしに来たけど、打ち間違うことなく最後まで耐えて、勝ちが確定した。

 

「3目半差、だね」

「……ありがとうございました」

 

 小さくつぶやき、碁笥に碁石を片付けると、私より先に越智くんが席を立った。慰めるのもおかしいし、放っておくしかない。

 

「あかりちゃん、越智に甘いよね」

「わっ、びっくりした」

 

 越智くんが去っていった入り口の方を見ていると、真後ろから声をかけられた。心臓に悪いので、是非とも止めてほしい。

 

「生意気なこと言われても気にしないし、今も心配そうに見送ってたし。なに、浮気?」

「そ、そんなのじゃないよ。あ、先にハンコ押してくる」

「そうだね。いってらっしゃい」

 

 明日美さんに見送られて、勝ちのハンコを押す。他の対局は……特に気になるのはない。次は、ヒカルが伊角さんと当たるけど。

 休憩室に移動して、話を再開する。

 

「あまり大きい声じゃ言えないけど、私の中では、越智くんってフクくんと同じ枠なんだよね」

「フクと? えーっと、どういうことかな」

「つまり……お子様枠とでも言ったらいいのかな、フクくんは素直で可愛い感じで、越智くんは生意気盛りだけど可愛い感じ」

 

 本人が聞いたら激怒すると思うけど、お子様って感じがするんだよね。越智くんは、ヒカルとひとつしか違わないのにね。

 明日美さんも、若干遠い目をしている。

 

「それ、越智が聞いたら怒るよ」

「うん。黙っていてね」

 

 人差し指を口元に当てて、黙っていてもらうようお願いする。しょうがないな、と了承を得たところで、明日美さんが思い出したように口を開いた。

 

「そういえば、あかりちゃん。進藤が前に韓国の研究生と対局したの知ってる?」

「ああ、話は聞いたよ。どうして?」

「塔矢くんが知っていて、私にどう思ったか聞いて来たの。そんなの知らなかったから、何のことかと思ってね」

「……へぇ」

 

 私がいないうちに? 塔矢くんってば抜け目ないなぁ、と思ったのもつかの間。何かおかしい。何かがひっかかる。

 そうだ、最近はずっと研究会に行ってるけど、塔矢くんと明日美さんで席を外した場面なんてなかったはず。

 内心で首をかしげていると、気付いた風もなく明日美さんは話を進める。

 

「塔矢くんは中学校の先生から聞いたって言ってたんだけど、対局内容について話したかったみたい」

「塔矢くん、最近ヒカルを追いかけないと思ったら、細々と情報収集はしてたんだね」

「進藤を追いかける?」

「あ、ごめん。こっちの話」

 

 ふうん、と首をかしげる。

 

「その碁、どんな内容だったか教えてくれる?」

「いいけど、今からやるには時間が足りないかなぁ」

 

 そんな話をしていると、ヒカルが和谷くんや伊角さんと談笑しながらやってきた。3人とも、勝ったようで、表情が明るい。

 

「お疲れ様。どうだった?」

「なんとか踏ん張ってるよ」

 

 今のところ、全勝者はヒカルと私だけ。ヒカル、明日は伊角さんとの対局だし、これからが厳しくなってくるね。私も伊角さんと和谷くん、越智くんは終わったけど、ヒカルや明日美さん、門脇さんも残っている。

 

「そういえば、伊角さんたちは進藤と研究生の対局を見てたんだっけ?」

「え? ああ、そうだな」

 

 伊角さんが怪訝そうに返事をする。

 今話題にするのは、あまり得策じゃなさそう。塔矢くんがヒカルを気にしているのが広まったら困る。プロ試験中に、ヒカルがよそ事を気にするような話は遠慮してもらいたい。

 こっそり明日美さんに耳打ちする。

 

「プロ試験中に塔矢くんの話題を出すのも変に気負わせかねないし、今度にしよう」

「え、そんなに気にすることかな?」

「分からないけど、念のため」

 

 明日美さんは不思議そうにしていたけど、重ねてお願いすると素直に引いてくれた。無理強いしないのはありがたい。

 言い訳に使っちゃったけど、実際に塔矢先生が絡むと、森下先生のプレッシャーは凄い。伊角さんはどう思っているのか分からないけど、和谷くんは元々塔矢くんがあまり好きじゃないみたいだし、余計な情報は入れないに限る。

 それからは当たり障りのない話だけで、早めに帰り支度を整え、研修センターを後にした。

 

 

 しばらく火曜はプロ試験が続くから森下先生の研究会には参加できず、せいぜい顔を出す程度。

 でも金曜は時間があるので、塔矢先生の研究会には明日美さんと一緒に参加している。

 明日美さんには、いつ塔矢くんと韓国の研究生について話したのか聞いてみたいところだけど、プロ試験の途中に気が散るとよくないので何も聞けない。

 ああ、でも気になるなぁ。

 検討が一段落して、休憩の時間。とりとめなくそんなことを考えていると、塔矢くんと明日美さんがプロ試験の話をしているのが聞こえてきた。

 

「じゃあ、全勝は藤崎さんと、進藤の2人?」

「うん。でも院生2位と3位の2人は、あかりちゃんに負けただけだし、進藤はあかりちゃんとの対局も、その2人との対局もまだだから、今の時点での成績は、そこまで気にすることじゃないと思うけどね。私も越智に負けた1敗だけだし、まだまだこれからよ!」

「そうだね、十分にチャンスはあると思うよ。……越智っていう子が、院生の2位か3位?」

「越智は最後の月に伊角さんを抜いて2位になってたわね。どうかしたの?」

「棋院経由で、越智くんの親御さんから指導に来てほしいって依頼があってね。ちょっと暇がなかったのもあって断ったんだけど、そうか、院生の2位だったのか」

「何か気になるの?」

「いや、そういうことじゃないけど」

 

 塔矢くんが、ヒカル以外を気にするのは珍しい。

 何だろう、少し歯切れが悪い。

 

「指導碁を断ったのって、もしかして私たちのせい?」

「え? いや、そんなことないよ」

 

 明日美さんも気になったみたいだけど、塔矢くんが否定する。

 塔矢くんが私たちに気を遣って、ライバルを指導するのを断ったのかと思ったけど、私たちが聞いてもそのまま言うわけないよね。問い詰めてもしょうがないし、それはいいとしよう。

 

「そういえば、奈瀬さんはいつ進藤と当たるんだっけ?」

「進藤は16戦目だから、えっと、だいたい2週間後かな」

「そう……」

「ヒカルが気になる?」

 

 直球過ぎるかな、とも思ったけど、聞かないと分からない。

 割り込むようで明日美さんに悪いと思ったけど、つい言葉が出ちゃった。若獅子戦でやったから満足したと思ってたけど、そうでもないのかな。

 

「ああ、いや。進藤が気になるというか、碁の内容が気になるというか」

「進藤の碁?」

 

 明日美さんは首をかしげる。塔矢くんはチラリとこちらを見たけど、追求せずにため息ひとつ。

 

「それはそうと、そろそろ休憩も終わりだね。行こう」

 

 聞きたいけど聞かないって決めてるのだろう。聞かれないのは助かるけど、その場しのぎでしかないし、いつかヒカルとも相談して、対策しないと。

 

 

 そして週末。ヒカルが伊角さんと対局する日。対局のことを考えるのも大事だけど、気負っちゃったら本来の実力が出せなくなっちゃう。適度に関係ない話も織り交ぜつつセンターへ向かった。

 到着して待っていると、伊角さんもやってくる。挨拶だけして、私やヒカルとは会話せずにすれ違う。

 緊張してるのは分かるけど、ちょっと普段と違う気がする。

 今日当たる飯島さんには悪いけど、小宮さんと当たるまであまり手強い相手はいない。私よりも、しばらく激戦が続くヒカルの方が気になる。

 伊角さん、門脇さん、明日美さんに本田さん。今のヒカルなら全員に勝てる可能性はあるけど、確実とは言えない。

 早めに終わったら、ヒカルと伊角さんの対局を見ておきたい。

 

 

 飯島さんとの勝負は、思ったよりも長引いたけど、ヒカルが終わる前に中押しで勝った。挨拶もそこそこにハンコを押して、ヒカルの対局を見に行く。

 越智くんも見ていたようで、私が行くと和谷くんの方に向かっていった。

 盤面に目を向けると、ヒカルが少し劣勢。まだ取り返す機会はあると思うけど、伊角さんが完璧に打ったら厳しそう。

 時間は、伊角さんが秒読みに入っていて、ヒカルはまだ20分近く残ってる。もしかしたら、逆転の目が出るかもしれない。

 邪魔にならないよう、少し離れて見守る。見始めて少し経った頃、明日美さんも横に座った。いい? と小さく首をかしげたので、頷きを返す。1人で見るのは緊張感がありすぎたから、横にいてくれると嬉しい。

 ヒカルは、中央でなんとか黒を分断しようと画策しているけど、その手はどうかな。

 と、伊角さんが明らかに間違った方にアテかける。すぐに気付いて戻したから、手は離れてなかったと思う。

 左からアテかけたけど、そのままだとコウになって中央で伊角さんの石が大きく崩れちゃう。右からアテたら、そのまま有利な手を打てる。

 ヒカルも、少し戸惑った様子だったけど、ハッと気付いて、すぐに再開した。持ち時間がもったいないもんね。

 ただ、間違いかけたのが効いているのか、一手一手が、少し遅い。秒読みで、かなりギリギリになっている。

 ヒカルも感じたのか、少し考えて、今打つべきじゃないところに、手を入れた。

 これは、意図があるのかな。ヒカルが何の策もなく、こんな手を打つとは思えない。時間があれば読めるかもしれないけど、秒読みに入った状態で裏まで読むのは難しい。

 そして、十数手進んだところで、ヒカルの意図が見えた。やっぱり適当に打ったんじゃなくて、ちゃんと先を読んでいたんだ。

 

「……ありません」

「ありがとうございました」

 

 ふう。息つく暇も無かったとでもいうか、見ているこっちが疲れたよ。

 

「途中で伊角さん、アテ間違いかけただろ? その後がちょっと焦ってたように見えたし、考える時間も無かったから、行けると思ったんだよ」

「そうだな」

 

 伊角さんはすぐに席を立って、バタバタと急いで出て行った。あらら、伊角さんらしくない。

 ヒカルもハンコを押したのを見て、一緒に部屋を出る。

 

「え、本田くん負けたの?」

 

 休憩室から、明日美さんの驚いた声が聞こえてきた。和谷くんから話を聞いていたみたい。

 本田さんの今日の相手は……椿さんって人。ああ、ひげもじゃで声が大きい人だ。負けが先行してるけど、確かに対局相手を見ると、厄介な相手がほとんど。

 本田さんに勝てるってことは、しっかり実力を持ってるってことだね。当たる時は、気を引き締めておかないと。

 

 

「今日はお疲れ様」

「おー。へへ、伊角さんに勝てると嬉しいな」

「あの手、時間があれば読みたかったけど、秒読みだったから、考えが及ぶ前に結果が出ちゃったのが残念だったよー」

 

 ヒカルの家で、今日の検討をやっている。佐為からのアドバイスも踏まえて、気になったのはアテ間違いの件とヒカルの一手。

 

「でもよ、佐為はあまり多用すると良くないって言うんだよな」

「へえ。やっぱり読まれたら不利になるから?」

「やっぱり、ってあかりもそう思ってたのか?」

「うん。佐為が打つ盤面全てを睨むような手と違って、打った時に悪手ってことは、好手に化けさせるのに失敗したら、重くのしかかるから。相手が初見の場合は十分に役に立つから、状況次第だけどね」

「言いたいことは分かるけど、難しいな」

「まあ、今は深く考えすぎない方がいいと思う。下手に考えすぎて萎縮しちゃったら大変だし」

 

 慌てて付け足す。深く考えすぎて、勝てる試合を落としたら大変。

 明日、ヒカルは相性の良いフクくんだし、普段通り打てば勝てるはず。来週には門脇さん、明日美さんとの対局もあるし、慌てず打たなきゃいけない。

 

「でも、もうすぐ半分なのに、2人して全勝って凄いよね」

「そうだな。佐為に鍛えてもらってるからかな?」

「それは大きいかも。私も佐為に鍛えてもらって、凄く伸びてるもん。そう考えると、塔矢先生の研究会に行って急激に実力を伸ばしてる明日美さんって凄いね」

「奈瀬も強いんだよな。和谷に勝ったし、越智にしか負けてないんだろ?」

 

 そう。明日美さんと門脇さん、越智くんが1敗で並んでいる。

 伊角さんだってまだ2敗だし、まだまだどうなるか分からない。

 最後まで油断せず、頑張らないと。

 

「ヒカルとの対局、全勝同士でやりたいね!」

「ああ、ホントにな」

 

 やるからには絶対手を抜かない。それは院生になる時から、決めていたこと。

 でも、実際にヒカルがギリギリの状態になっていたら、私はちゃんと打てるかな?


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