is…飛び道具は剣より強し   作:一夏立場下降推進委員会副委員長

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第2話

授業が開始された。

この時間は山田摩耶によるISの基礎理論。

摩耶は黒板に要点をまとめつつ分かりやすく解説する。

クラスメイトは授業のわかりやすさに感動しつつ、一番上のところまで手が届かないのに「うんしょ…う、ん…!」よくわからない嬌声を上げつつ必死に背伸びをして書いている様子になごんだり、背伸びをして腕を上に目一杯伸ばすことでより顕著になるあれに殺意を覚えたりしたとかしないとか。

 

「皆さん此処までわかりますかー?此処は本当に大事な所なので、わからない所はわからないって言ってくださいね!!」

摩耶はやる気いっぱいの教師のため質問されると頼られている感じがして嬉しく思う現代において珍しいタイプの良い教師だ。

 

「はい!先生!」

織斑 一夏が手を挙げる。摩耶は嬉しそうな表情を浮かべつつ

「はい!織斑君何でしょう!?」

 

「ほとんど全く分かりません!」

 

「え…?ほとんど…全く…?

織斑君。私の授業そんなに解りづらかったですか…?」

純粋な摩耶は最早涙目だ。

 

「おい、織斑。」

「ハ、ハイ。ち…織斑先生。」

「お前参考書はどうした?見た所お前だけが開いてないが?」

「あ、それなら古い電話帳だと思って捨てまし『スパーン!!』タッ!!」

「必読と書いてあっただろうが馬鹿者。それにうちの家は電話帳を買っていないし所有した事もない。古い電話帳など存在するわけがないだろう馬鹿者。」

「再発行してやるから1週間以内に読め。そして理解しろ。」

「1週間!?あんなに分厚いのを!?無理だ「やれ。」はい…」

「一応聞いておくが相澤は大丈夫だよな?」

「はい。一通り予習して来ましたから。ただ、今回の授業範囲では無いですが予習範囲中にわからない所があったので、放課後にでも質問していいですか?」

「はい!相澤君!どんどん質問に来てください!どーんとこいです!」

「みろ。織斑。これが模範的な生徒の図だ。目標とするように。

では山田先生授業を続けてください。」

 

その後授業は一通り進み休み時間に入った。

 

「仁!勉強教えてくれ!」

「断る。」

 

 

 

「何でだよ!友達だろ!?」

「理由はいくつかある。

一つ目、君とはまだ友達になった記憶はない。よって教える義理がない。

二つ目、僕は放課後篠ノ之さんと剣道と弓道をする約束がある。時間がない。

三つ目、その態度は人にものを教えてもらう態度ではない。

四つ目、僕も勉強の時間が惜しい。」

「そんな冷たいこと言うなよ!お前は人間だろ!?」

「また新しく理由ができた。君は煩い。」

「はぁ!?理不尽だろ!?」

「あー、煩い。この参考書貸してあげるからもうそれで勘弁してくれ。」

この参考書。相澤が春休み中、ポイントかな?と思った所とかに線を引き、本文近くには個人的に調べたやつをメモとして書いてあったりしている為、相澤本人としてはこれを見てやってくれってことで渡したのである。

「おー!サンキューな!やっぱ持つべきものは友達だぜ!んじゃあな!」

「友達じゃないのに…」

「相澤…お疲れ…」

様子を見ていた篠ノ之 箒が労ってくれる。

「篠ノ之さん…ありがとう…篠ノ之さんみたいに気心知れた仲なら全く問題ないんだけど、個人的にまだ好きになれない人にまでお節介焼くほど僕は優しくないから…」

(…!!ということは私は頼めば教えてもらえるのか!?)

 

そこに、金髪の縦ロールの女子生徒が声かけてくる。

「ちょっとよろしくて?」

「ん?何かなセシリアさん。」

「まあ、私のことをご存知でしたのね。やは「ああ、一応自己紹介の時間で全員の顔と名前覚えたから」そうでしたの…」

「それより!貴方はわからない所があるのでしたわね?よろしければ入学主席でイギリス代表候補生の私が特別に教えて差し上げてもよろしくてよ?」

普通なら10人いたら11人くらいがイラつく物言いだが、何処か抜けてる相澤はこんな貴族居そうだなー。こんど「パンがなければバター入りのお菓子を食べればいいのに…」とでも言ってもらおうと見当違いな事を考えていた。

「お、それなら今でもいいかな?」

「もちろんですわよ。」

おもむろに鞄から一夏に貸したのとは別の参考書を取り出し、

「ここのこれで、あれをああした時のこれの結果がどうしてこうなるのが解らなくて…」

「ああ、それはこれをこうしてこうしたからですわ。」

「成る程…そっか…ありがとう!後もう一つあるんだけどいいかな?」

「もちろんですわ。」

「このページのここのこれでここをこうした時の結果の中でこれがこうなる理由を教えて欲しいんだけど…」

「……」

「オルコットさん?」

「私も…わかりませんわ…」

「なら放課後山田先生に一緒に聞きに行く?」

「お願いしますわ…」

 

キンコンカンコーン

(セシリアさんのおかげで一つは解決したし織斑との絡み以外は有意義な時間だった…)と仁

(むぅ…今回の時間はあまり喋れなかった…あの金髪縦ロールめ…)と箒

(相澤さんは私のお父様とはかなり違いますわね…あの様な雰囲気の男性も世にはいるものですわね。それにしてもまだ私が理解できない部分があっただなんて…恥ずかしい限りですわ…)とセシリア

(む?仁から借りた参考書落書きばっかだな!仕方ない。消してあげよう…俺って優しい〜 )と一夏




もちろん一夏が消したのは主人公が必死に纏めた部分だったりします。

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