ダメ姉にダメ元で求婚したらなぜかオッケーして貰えた件 作:A i
少し短めになっています。
しかし、お楽しみいただければいいなあ、と思っています。
イチャイチャ成分高めになってますのでお楽しみに!
ではどうぞ!
細く、糸のような雨。
傘をたたく音は軽やかで心地良い。
隣を見ると、ピンク色の傘を差す千里。
口元には笑みを湛え、足取り軽やかにハミングを口ずさんでいる。
そのメロディーは全く聞き覚えのないものではあったが、聞いているとこちらの気分まで明るくなる。
知らず知らずの内に俺の口元にも笑みが浮かんでいたらしい。
千里がこちらに満面の笑みを浮かべて言う。
「ふふふ、楽しいね?」
「そうだな。まだ、なんもしてねーけど。」
「良いんだよ、なんもしてなくても。舜といっしょにいればどこにいたって楽しいんだから。」
「そうかよ。」
「そうだ。」
俺は照れを隠すために鼻頭を掻く。
千里はこういう恥ずかしいことを恥ずかしげも無くいうから困る。
「あれ?舜顔赤いよ?照れてるの~?」
更に前屈みになって俺に近づく千里。
顔が近い!いい匂い!抱きしめたい!
煩悩がむくむくとわき上がってきたが、俺は一つ咳払いをしてこう言った。
「・・・・谷間見えてるぞ?」
「へ・・・?」
間の抜けた声を出した後に、千里の動きが固まる。
かと思いきや、火を噴きそうなほどに顔を紅潮させて胸元を両腕で隠し、俺に鋭い目線を向けて言った。
「・・・舜のエッチ。」
「う・・・すまん。」
まあ、不可抗力といえ、胸元を見てしまったのは事実なので、俺は後ろ頭を掻きつつ謝る。
むー、とうなり声を上げて俺を見つめ続ける千里。
胸元を腕によって隠しているのは良いが、そのせいでかえって白のワンピースが彼女の豊満な胸元のシルエットを強調して破壊力を上げている気がするのは俺だけなのだろうか。
若干雨に濡れて下着が透けている気もするし・・。
黒だな・・・・・たぶん。
極力見ないようにしてはいるがどうしても視線はそこに吸引される。
これが万乳引力の法則か・・・。
さすが乳トン先生は偉大だぜ!
「もう・・・!まだ見てるし・・・まあ良いんだけどさ。ちょっと嬉しいし。」
「嬉しいのかよ!!」
「そりゃあ、興味ないって言われるよりは全然嬉しいよ!」
「まあ、そうか・・・。」
「だからといって見て言い訳じゃないけどね?」
「分かったよ・・・悪かった。できるだけ見ないよう善処する。」
「うん、そうしてちょうだい。とお!」
「うわっ!おい!なにくっついてんだよ!」
「えへへ~・・・くっつき虫。」
「ったく・・・・・。」
腕にくっついて満面の笑みを浮かべる千里をみていると、細かい事なんてどうでもよくなってしまう。
でもお互い傘を持っているためガシガシ水滴が顔面を叩く。
「おい!それするなら傘たため傘!」
「うーん・・・あれ?傘たためない。やって!」
「マジかよ・・・。」
俺はがっくりとうなだれる。
傘をたためないとはもう相当末期ではないだろうか・・・。
俺は彼女の生活力の乏しさに重々しいため息を吐きつつ、傘をクルクルとたたんだ。
「ほれ。」
「うん、ありがと・・・。」
「・・・・・おう。」
ちょっとお小言言ってやろうかと思っていたのにその笑顔は狡すぎでしょー!!
もうそんな可愛い笑顔で俺のことみられたら許してまうやんか!
ちょっと関西弁に練ってしまうくらいには俺の心はかき乱されていた。
こんなデレデレとした感じで俺たち二人は秘密基地へと向かっている。
大通りではないため人通りはまばらだが、時折通りすがりの人たちに変な目で見られている気がするのは気のせいではあるまい。
まあ、その視線は九割五分羨望であり嫉妬であろうが・・・。
忘れがちだが、千里は生活力が無くてダメダメだが容姿はピカイチ。
とびきり可愛いのだ。
ホント可愛いは正義だぜ!!
かれこれ十分は家をでてから掛かっていたがそろそろ一つ目の目的地につくであろう。
すると、千里もそれに気がついたのかテンション高めに言った。
「あ!そろそろじゃない!?」
「お、おう、そうだな。」
やめて!!跳びはねないで!
俺の右腕がとんでもないことになってるから。
アナザーワールドに行っちゃうから!!
千里の「はねる」は舜に効果抜群だ!
俺の心の叫びが届いたのか千里は「はねる」をやめた。
しかし、その代わりに右腕を引っ張りだす。
「おいおい!引っ張るなよ!」
「早く行くよ!」
「そんな焦らなくとも逃げないだろ?」
「いいの!私が早く行きたいんだから!」
「そうですか・・・。」
とんだわがままお姫様だ・・・。
ならば・・・。
「しょうが無い!行くぞ!」
「行くぞー!!」
俺たち二人は全力でかけだしたのだった・・・。
いかがでしたか?
もっとお楽しみいただけるようこれからもがんばっていきますので応援よろしくです。
感想ください!!笑