ダメ姉にダメ元で求婚したらなぜかオッケーして貰えた件 作:A i
なかなか今までの調子を取り戻せずにいます。
リハビリですね笑
しかし目一杯真剣に書いていますのでどうかお楽しみください!
感想やお気に入りしてくれたら嬉しいな?笑
ではどうぞお楽しみに!
「・・・・・・・。」
恵さんに言われてからしばらく黙考してみているが良い案は思い浮かんでこない。
あらかじめ作ったデートプランが渾身のできであったがために今更思いつくモノはすべてありきたりで、張りぼてのように中身のないものに思えてしまうのだ。
「うーん・・・。」
なんとか無い知恵を振り絞ろうと考えてみるが、全然思いつかない。
さっきから、頭の中を蛍の光が流れ出している。
死ぬのか・・・俺?
そんな極限状態の俺を見かねたのか恵さんが声をかけてくる。
「おーい、舜?まだ悩んでるの?」
「当たり前ですよ・・・。全然思いつかないんですけどね。」
弱々しくそう答え、声のした方を見ると・・・・。
「恵さん!!何してんの!?」
「ん?お着替え?」
コテンと可愛らしく首をかしげる彼女。
あまりにも自然な口調だったので一瞬納得しかけたが、視界に飛び込んでくるあまりにも艶やかな肌色が俺の脳内にある警戒アラートをガンガン刺激する。
――なんでこんなに綺麗な体してんのー!?
おかしい・・・。アラフォーの体ってもっとしわっとしてて、ぽにょんとしているもんなんじゃないの?
もっとくすんでてたゆんでるもんでしょ!?
いや、もちろん、それはそれで魅力的な体なのは確かなんだけど、今目の前にある体はそう言う熟れた魅力を放ってはいない。
むしろ、みずみずしい果実のような、はじける若さを放っている。
血色の良い艶やかな肌にはしわやたるみなど皆無。
二の腕や腰回りなんかもキュッと締まっていて健康的な美しさを放っている。
また、下着越しにも分かる、形の良い胸は明らかに千里よりも大きく、男なら誰でもそこに目を奪われてしまうだろう、いや目を奪われない方が失礼に値するのではなかろうか。
太ももより下も絶妙に均整の取れた美しい脚。
細すぎもせず、太すぎもしない肉付きで非常にエロい。
そんなアラフォーという歳には不相応な、完璧すぎる肢体を俺は舐めるように見てしまう。
だって仕方ないじゃん。男の子だもん!
一人内心言い訳しながら恵さんの下着姿を眺めていると、いくら恵さんといえどさすがに恥ずかしいのか、手に持ったポロシャツで前を隠されてしまった。
――ああ、残念!
俺が露骨に残念そうな顔をしていたのかおかしそうに恵さんは笑う。
「ふふふ。舜のエッチ。」
「・・・否定はできない。」
「ほーんと、スケベなんだから。千里に怒られるわよ?」
「それだけはやめて!!」
「あはははは。」
俺が平謝りする姿を見て大爆笑する恵さん。
肩を揺らして笑うため、シャツ越しにとある部分が大きく揺れているのが分かってしまう。
見えていない分、逆に想像力が羽ばたいていき、めちゃくちゃエロく感じるのは俺だけかしらん?
だから、全裸とかよりも、むしろスク水とかのほうがエロく見えるんだよね!
なにを暴露しているんだ・・・。
俺の意識がエロ論争へと向かっている間にいつの間にやら彼女は着替えを済ましていたようで、ポロシャツ姿になっている。
しかし、依然、ズボンははいていないようで、すらりとしなやかな脚がポロシャツの下から覗いていて逆にエロい。
だがしかし、俺のそんな邪な視線には気づく様子もなく恵さんは上を着たからか安心した様子で俺の横の椅子に腰掛け、無邪気な瞳を俺に向けて言う。
「で?今日のプランは思いついたわけ?」
「う・・・。まだ、です・・・。」
言葉に詰まりかけながらも正直に言うと、呆れたように大きくため息をつく恵さん。
「はあー。」
「ため息大きくないですか?結構傷つくんですけど!?」
「そりゃ呆れもするわよ・・・。まだそんなことで悩んでいるなんて。どうせ一般的にはこうとか、雨の日にはこういうところの方が評判が良いとかっていう誰が言ったかも分からない情報に惑わされてるんでしょ?」
「どうしてそれを!?」
あまりにも図星過ぎて大声で驚いてしまう。
いつもはこんなテンション高めな驚き方をしないだけになんか恥ずかしい。
だが、もちろん恵さんはそんな俺の様子には目もくれずまたもや大きなため息を漏らしている。
「はあー・・・あんたってほんとどうしようもないほどどうしようもないわね?」
「どういう意味!?」
どうしようもないほどどうしようもないってもうほんとにどうしようもなくない?
ややこしくてホントどうしようもない。
これをそのまま口に出そうかとも思った、でも、恵さんはそんなへりくつを許してくれそうにはない。
恵さんのまなざしはしびれるほどにまっすぐで本気だ。
俺は今思いついた愚にも付かぬ突っ込みは口に出さず、彼女の口から続けられる言葉に耳を傾ける。
「そのままの意味よ。そんなことを考えているようじゃどうしようもないってこと。そんな情報によってはじき出された最善なんて一般的な第三者にとっての最善でしかないでしょう?あなた達二人にとっての最善は貴方たち二人の中にしかないし、今回に限って言えば舜、あなたの中にしかないの。あなたのホントに連れて行きたい場所はそこにあるの?」
「・・・ないかも・・・。」
「でしょう?なら、舜が行きたい場所。千里を連れて行きたい場所を自分の中からひねり出すしかないわ。あるでしょう?そんな場所くらい、いくらでも。あなた達は姉弟なんだから。これまでどれだけの時間いっしょにいたのよ。」
やれやれ、と手を広げ呆れた様子を見せる恵さん。
イラッとするのは勿論、そこまで言うか?と思いはしたものの、情けないかな。
少し、納得してしまった。
俺達二人は姉弟で、十数年をともにしてきた。
そしてこれから何十年とともに過ごす覚悟を決めている。
それなのに、デートの一つすらまともに計画できないとは何事か。
ましてや、自分の連れて行きたいところと向き合いもせずに人の意見に左右されて本質を見失うなんざ言語道断であろう。
そんな輩に結婚なんて夢の又夢。
自分の甘えた考えを目の前に突きつけられた心持ちがした。
でも、そのおかげで目が覚めた。
俺は俺自身の連れて行きたいところに千里を連れて行く。
ここから始めるんだ。
このデートこそが俺たちの結婚へと続く、スタート地点なんだ。
今一度俺たちの歩んできた道を確かめ合い、そこを立脚点にしよう。
そして、これからの俺たちの人生をともに考えよう。
そこからだ、すべては。
他の誰でもない、自分たちの結婚なんだから。
そう思うといきなりパッと視界が開けた気がした。
それと同時に今までどうひねっても何も浮かびやしなかったデートプランを思いついた。
「あら?ようやく思いついたわけ?」
恵さんが俺の顔を見てニヤリと笑う。
俺も彼女の笑顔に勝気な笑みを返す。
「ええ、おかげで良いのを思いつきました。なんか色々とありがとうございました。」
「いえいえ~。それほどでも~。」
言葉とは裏腹に鼻歌を口ずさむほどに嬉しそうな彼女を見ているとやはりアラフォーのおばさんにはとうてい見えず、優しくほほえんでしまう俺がいる。
俺のそんな生暖かい視線に気づいたのか、むずがゆそうに体をよじり上目遣いでこちらを伺う彼女。
いちいち行動がいじらしくて困る。
ポロシャツのボタンがゆるく、胸元からは深淵が覗いている。
視線はそちらに吸い込まれそうになるがなんとかこらえて口を開く。
「・・・っ!あー、俺千里をそろそろ起こしてきますね?」
「うん。起こしてきなさい!」
一瞬でそんないじらしい雰囲気を無くして元気にふるまう恵さん。
なんかこういう切り替えの早い感じがこの人の魅力ではあるんだけど、今はもう少し切り替え遅くしてほしい。
なんかどきりとした俺がバカ見たいでしょ?
と内心、結構不平たらたらだったが、立ち上がり、2階へと向かう。
トントン
と小気味いい音を立てながら階段を上る。
階段を上り、数歩進むと千里の部屋の扉の前に着く。
なぜか訳もなく緊張してしまう。
――一応ノックしてみるか?
そう思いコンコンとノックする。
だがいつも通り返事はない。
なぜか俺はその様子に安堵のため息をつく。
自分がなにに安心しているのかいまだ自分でさえもつかめない。
落ち着け、落ち着け、と口の中で数度唱えてから扉を開いた。
「おはよう、舜。」
そんな声が聞こえたが俺には一瞬何が起こったのか把握できなかった。
なぜなら、扉を開いたと思った時には目の前が真っ暗になり、何も見えなくなったから。
分かったのは何か柔らかいモノが自分の口に優しく触れていることのみ。
暫時、その包み込まれるようなぬくもりをただただ唇に感じていたのだが、息苦しさを感じたため、体を思い切り後ろに引いた。
「ぷはっ!なななんだ?今の・・・。」
俺は情けなくも驚きまくりつつ、前方を見た。
「おはよう、舜。良い朝だね?」
そこには、朝の挨拶をいかにも自然に言い放つ千里の姿があった。
後ろ手に手を握り、頬を上気させた彼女はさながらこの世界に舞い降りた天使のごとく美しく神々しい。
彼女の着ている真っ白のワンピースが風に揺られたなびくとその姿はいよいよ幻想的なモノになった。
俺はそんな彼女の姿を呆然とした様子でただただ見惚れていることしかできなかった。
どれだけの時間そうしていたのだろうか。
時間さえも忘れるほどに見ついると、ふいに彼女が恥ずかしそうに身をよじり。
「見過ぎだから・・・。」
と言った声が耳に入り、俺もようやく我に返る。
「わ悪い・・・つい・・・。」
「ううん・・・恥ずかしかっただけだし・・・どちらかというともっと見てほしいし・・・。」
ゆでだこのように顔を赤く染めそんな嬉しいことをのたまう彼女。
俺の理性は限界寸前です。
最近はやりの言い方で言うとsan値ピンチって奴だね!
語呂が良いから何度も言ってしまいそう・・・。
と少し現実逃避しなくてはヤバいくらいには可愛かった。
なんとかこうとか自分の理性で性欲を抑えてから思っていたことを口に出す。
「おはよう、早いんだな今日は。何時に起きてたんだ?」
「当たり前でしょ?今日は初デートなんだから!楽しみすぎてあんまり眠れなかったモノ。八時までしか眠れなかったよ!」
「いや、それ結構眠ってるよね!?」
「テヘぺろ☆」
コツンと拳を頭に乗せてウィンクする千里。
可愛らしい仕草のはずなのに若干イラッとするのは俺だけかしら?
しかし、いつも昼過ぎまで爆睡かます彼女なだけに八時に自力で起きたことはもはや奇跡と言っても過言ではない所行なのでなんだかあまり強く出られない。
俺はなんか納得仕切れない思いを振り払うように強めに後ろ頭をがしがしと掻いてから彼女に言う。
「まあ、自力で起きたことは褒めよう。でもいつもこれぐらいには起きろよな。」
「ありがと。でもそれはムリ!」
「努力はしろよ・・・。」
「人はそれほど簡単には変われないのである~。」
人差し指を立ててどや顔でそう語る彼女。
こいつ・・・その人差し指をへし折ってやろうかあ!!
ま、絶対やらないんだけどね!
むしろ、こんだけ腹立つ感じでもいとおしさしか感じていないし!
もしやこれが恋の病なのか・・・。
俺が恋の病罹患者であることをようやく認識していると、千里が俺の鼻がしらをツンツンと人差し指で触っていることに気づく。
「おーい、しゅん~?大丈夫?」
「・・・・おおう。大丈夫だ、たぶん。」
「ぼーっとしてたよ?今日のデート大丈夫?」
「勿論、大丈夫だ!心配無用よ。」
「なら良かった!」
満面の笑みを見せる彼女を見ていると自分の選択はやはり間違っていなかったと確信する。
恵さんにはほんと感謝しかないな。
俺はフッと軽く笑う。
すると千里が不思議そうに首をかしげるので俺は「なんでもない。」と言いつつ、彼女の頭をナデナデしてやる。
気持ちよさそうに目を細めて俺の手の感触を味わう彼女を見ていると、知らず知らずのうちに口角が上がり、顔がほころんでいる自分がいる。
でも、しょうが無い。
俺は彼女のことが好きなんだから。
好きなら頭を撫でれば顔がほころぶし、キスをすれば幸せな気持ちになるのは当然だろ?
うん、そうだ、そうに違いない。
心の中でそんな風に言い訳しながらこの恥ずかしくも幸せな光景を肯定している。
しかし、いつまでもこんな感じでいちゃついていたら時間がいくらあっても足りることはない。
ある程度楽しみ、手を離す。
「あ」と短く声を上げた彼女はいかにも寂しげで一抹の罪悪感を感じないでもない。
ポンポンと優しく頭を叩いてやりおしまいであることを教えると、少し不満そうにこちらを見つめてくる千里。
「今はこれで終わりだ。」
「うむー・・・。」
「このあとデートする時間が無くなるぞ、それでもいいのか?」
「それはもっと嫌!」
「なら、我慢な?」
「うん・・・。」
シブシブといった感じはぬぐえないがなんとか納得してくれたみたいで良かった。
「じゃあ、今日のデートはどこに行くか聞かせてくれる?」
そう言って俺の目を見つめる彼女の目はどこまでも澄んでいてキラキラとしていてやはりかけがえのない宝物のように思えた。
俺はニヤリと勝気に笑い、おそらく千里も予想していない答えを口にする。
「俺たち二人の秘密基地だよ。」
こうしてようやく俺たちのデートが始まるのだった。
いかがでしたか?
もっとイチャイチャ要素を次話にはふんだんに入れるつもりです。
二人だけの空間。
妄想が膨らむぜ!
と言うわけで次回もお楽しみに!!