ダメ姉にダメ元で求婚したらなぜかオッケーして貰えた件   作:A i

12 / 15
第十二話です。
昨日の投稿が遅れたため今日の内に二回投稿する羽目に・・・。
明日に回せばよかったのですが、上げた意欲が高まった末にこうして投稿することになりました。
まだ、千里とのデートには到達できなくて、次話で書き上げます。
それにしても評価1付けられると結構精神的にきついぜ!
メンタル豆腐なのでお手柔らかにお願いします。笑

しかし、今回もかなり甘くなっておりますので楽しんでくれたら幸いです。
個人的には斗真が気に入っているのですが、どうですかね?笑
こういうテンション高めな男友達は一人いると遊んだときに盛り上がれるので好きなんです。
まあそんな個人的な意見は置いといてこれからも応援よろしくね?
感想くれたら励みになります。
では、どうぞ・・・。



デート
デートプラン作成


――今週の土曜日にデート。

 

決定してから数日が経ち、今日はすでに金曜日。

つまり、明日が約束の土曜日だ。

 

俺と千里は一応、交際している男女なので、デートすること自体にはなんの問題も無いと思うのだが・・・。

 

――デートプラン思いつかねえ・・・。

 

数えで十七歳の俺はこれまで彼女などいたこともない普通の高校生。

もちろん女性とのデートなんて初の体験だ。

故に、理想のデートプランも全く思いつかないわけで・・・。

じゃらんとか、なんかよく分からん雑誌とかも読んでみたことには読んでみたがいまいちぴんとこない。

 

やはり、ここは経験者の意見を参考にした方が良いのかもな・・・。

 

まあ、あいつに聞くのだけは嫌だったのだが、今回ばかりはそうも言っていられない。

 

――しゃーねえ、聞くか・・・。

 

と言うわけで・・・俺は斗真と二人屋上で昼ご飯を食べていた。

 

 

「あはははは。ホント舜はおもしれーなあ。」

 

「うるせ。斗真お前、真剣に考えてくれよ。マジで。」

 

「あははは。分かってるっつーの。というか、お前マジで千里さんとつきあってるんだな。・・・ある意味尊敬するよ。」

 

「うるせーな。だから嫌だったんだよ、お前に言うの。」

 

「あははははは。」

 

「はあ・・・・。」

 

爆笑する斗真に俺はため息しか出ない。

こいつはこういう奴なんだよ・・・。

 

でも、俺にこんな恥ずかしい質問できる友達がこいつ以外にいないのも事実。

悔しいがこいつは結構なんやかんやで頼りになるのだ。

 

特に恋愛やデートなんかだと無類の強さを発揮する。

まあ、俺とは女性の経験値が違いすぎるしな・・・。

 

なので、俺は泣く泣く、このチャラ男、榊原斗真に頼らざるを得なかった。

 

 

しかし、その当人は俺の悩み事を聞くやいなや大爆笑。

拳を押さえるのにかなり苦労した。

 

今も、腹を抱えて笑っていたが、もう十分すぎるくらいに笑ったおかげでようやく話のできる状態になる。

 

「・・・っはあ。笑った笑ったぁ。」

 

「そりゃあ、よござんすねえ?」

 

「おいおい。そんなおこんなよ。ちゃんと応えてやっから。」

 

「本当だろうな?」

 

「ああ、俺を信じろ!」

 

自分の胸板を軽く拳で叩く斗真に俺は怪訝な目つきを向けていたのだが、実施ここからの斗真はかなり真剣に俺のデートプランを考えてくれた。

 

「じゃあ、さっそく始めていこうか。」

 

「おう。」

 

「まず、千里さんの好みを教えてくれ。たとえば、楽しく盛り上がれる方がいい、だとか落ち着くところでゆっくりするのが好きだとか、っていう情報を。そうじゃなかったらアドバイスのしようがないから。」

 

「まあそうだわな。」

 

ふむ、と少し考える俺。

 

――千里の好みか・・・。

 

うーん、あいつ自身根暗とかではないんだが、あんまり昔から体力がある方ではなかったし、どっちかというとまったりゲームしたり、おしゃべりしたりの方が好きなのかな?

でも、あいつ結構遊園地行きたい!とかも普通に言うし・・・。

 

千里の好みについて考えれば考えるほど分からなくなってくるので正直にそれを斗真に伝えた。

 

「うーん・・・。千里自身、落ち着いた事の方が好きだとは思うんだけど、遊園地とかわいわいがやがやしたところにも興味あるみたいだから、一概には言えないな。」

 

「なるほどな・・・・なら、どっちもあるところに行くのが無難だろう。街の中心街に行けばカフェもあるし、アミューズメント施設も充実してる。」

 

「まあ、そうなるよな。」

 

俺たちの住むこの街には中心街があり、中心街に行けば大抵のモノがそろう。

俺もそこまでは思いついたんだよな・・・。

 

「じゃあ、どういうところが具体的にはおすすめなんだよ。」

 

「うーん、それは正直適当で良いと思うぞ?」

 

「はあ!?」

 

俺は斗真の急になおざりになった態度に叫び声を上げたのだが・・・。

 

「いやいや、適当って言うのは適切かつ妥当の方な。」

 

としらっとした目つきで言ってくる斗真。

すっげーバカにし腐った顔なんですけど・・・。

俺はなんだか恥ずかしくてぶっきらぼうに言う。

 

「なんだよ・・・それ知らねーよ。」

 

「舜って結構バカなのな。」

 

「うるせー。」

 

「あははは。」

 

声を上げて笑う斗真。

 

「笑うなよ・・・。」

 

「あー、ごめんごめん。でも、言ってる意味は分かるか?」

 

「まあ、大体は。」

 

「うん。一応説明しとくと、デートに於いて結構大事なことは時間帯を把握することと順番だ。」

 

「うむ。なるほど・・・。」

 

「たとえば、ディナーを食べた後に、ガチャガチャしたゲーセンで音ゲーをすることは勿論論外だろうし、昼飯の後すぐに映画館なんかに行くと、満腹感から映画の最中に居眠りしてしまうかもしれない。だから、まあ映画を見るなら、昼飯の前とかディナー前にしとけば眠ることも少ないだろうし、更に食事中の話題も途切れることなく済む。もちろん、夜のディナーでは少し落ち着いた雰囲気の場所でゆっくり二人の時間を過ごすのがベターだろう。だから、デートには時間帯や雰囲気に合わせた適切かつ妥当なシチュエーション設定が大事なのさ。」

 

そこまで滔滔と語った斗真。

 

いつものおどけた感じも無くしっかりと論旨の通った説明に俺はうなる。

 

「な、なるほど・・・。確かにそうだな。」

 

「おう、分かってくれたか。まあだから今言ったことさえ外してなかったら、たぶん大丈夫だ。千里さんのことを思って考えに考えたデートプランだったら絶対彼女には伝わるし、喜んでくれるよ、きっと。」

 

「おう。ありがとな。」

 

「いえいえ。お安いご用だよ。舜クン。」

 

ほっほっほ、となぜか長老のような笑い方をする斗真は結構ウザイがやはり頼りになる男なのだった。

 

 

――帰宅後。

 

パタパタパタ。

 

「お帰りなさい。舜。」

 

「ああ。ただいま。」

 

俺は靴を脱ぎ、鞄を千里に渡す。

 

「ふふふ。お疲れ様。この後はどうする?ご飯にする?お風呂にする?それとも・・・。」

 

「千里にする。」

 

チュッと彼女のほっぺに口づけをした俺。

先読みされた千里は少し不満そうな表情ながらも、キスされた歓びの方が大きいのかほっぺを押さえてデレッと相貌を崩す。

 

「もう!最後まで言いたかったのに・・・。」

 

「ごめん。許してくれ。」

 

「なら・・・もう一回。」

 

「うん。」

 

チュッと今度は唇に軽い口づけをした。

 

「えへへぇ~。もう、舜ったら・・・。」

 

「よーし、そんじゃあ、風呂入ってくるわ。」

 

「うん。着替えは置いとくからゆっくり入ってきて良いよ。」

 

「おう。」

 

俺は風呂へと向かう。

 

ササッと汗を流し、湯船につかっていると、ガララ、と扉が開いた。

 

「しゅんー。ここに着替え置いとくからね?」

 

「おう。よろしく。」

 

「・・・・・」

 

「ん?どうした?そんなに見つめて・・・?」

 

「・・・っ!なんでもない!」

 

ばん!

と勢いよく扉が閉められた。

 

「うん?」

 

首をかしげるしかない俺だった。

 

 

 

今日の夜ご飯は恵さんお手製のオムライスだった。

デミグラスソースがふわふわの黄色い卵にとろ~と掛かっており大変おいしそうだ。

 

スプーンですくい口に運ぶとフワトロだった。

 

「うん、うまいな、このオムライス。」

 

「でしょ~?」

 

「えへへ。私もお手伝いしたんだから。」

 

「へえ~。千里もお手伝いしたのか。偉いぞ~。」

 

「うにゃあ~・・・。」

 

隣に座る千里の頭をゆっくり撫でてやると、蕩けた顔で悦ぶ千里。

 

「舜。私も撫でて撫でて!」

 

「なんで恵さんも・・・。」

 

「私も作ったんだから、良いでしょ?」

 

「ああ、分かりましたよ。これでいいですか?」

 

「うんうん。いいですなあ・・・。」

 

アラフォーには見えない幼く、整った顔が愛らしく笑顔になる。

 

とんでもなく可愛い・・・。

千里の母親なだけはあって、惹かれるモノはあるな。

 

「舜?」

 

底冷えのする冷たい声が俺の横から聞こえ、ギギギと首を向けると想像を絶する絶対零度の瞳が揺らぎなく俺に据えられている。

 

「ち、千里?どうした?」

 

「舜ってさ。もしかして・・・マザコン?」

 

「違う違う!絶対違う!」

 

「じゃあ、なんでそんなにデレデレしてんのさ。」

 

「してないよ!」

 

「じー」

 

「ホントホント。シュンウソツカナイ。」

 

「なんで片言なのさ!」

 

ポコポコと小さな拳で胸板を叩く千里。

すると、恵さんがふふふ、と笑い口を挟む。

 

「ふふふ・・・・・・女の魅力ではまだまだ負けないわよ、私。」

 

「お母さん。これは白黒決めないといけないみたいね・・・・。」

 

ゴゴゴと黒いオーラが二人の背後に見えるだと・・・!

 

「千里も恵さんも落ち着いて!」

 

「ふふふ」「ははは」

 

「ふはははははははははっは」

 

なぜか二人とも高笑いしだし、バン!と椅子から立ち上がり駆け出す。

 

「「さあ!勝負よ!」」

 

そう言って取り出したモノはやはり『ヌギバト!』しかもバージョン2と書いてあるので、『ヌギバト!』の続編だ。

あのゲーム続編出るくらい人気なのか・・・わからん。

 

まあ、面白いのは面白いんだけど、如何せん、好みが分かれるだろうし・・・。

俺としてももう少し女の子のキャラが増えれば良いと思っているのだが。

 

二人がプレイしている画面を見るとキャラ選択の画面。

 

「なに!?キャラが16から24に増えているだと・・・。」

 

そう!前作のキャラは女の子8体男8体の計16体だったのだが今回は・・・。

 

「なんで増えたキャラ全部男なんだよぉ!?しかも全員筋肉ムキムキだし!」

 

そうジークのような巨漢が八体増えて女8体男十六体という甚だ男女比が偏ったキャラ数になっているのだった。

 

俺としては誰がこんなの面白いと思うんだ、と思っていたのだが。

 

「わあ!スゴイ、筋肉ムキムキなのがいっぱい!かっこいいなあ。」

 

「ふふふ、そうでしょ?ホントはもっと増やしたいんだけど・・・。」

 

「だよね!」

 

とキャッキャ笑って非常に楽しそうにしており、なんも言えなかった・・・。

 

 

結果は恵さんの勝利。

千里もかなり肉薄していたが、さすがに開発担当には勝てなかった・・・。

 

もう、それはそれは悔しがっていた彼女だったが、俺がいっしょに寝るか?と提案するとすぐに上機嫌に。

さっさと歯磨きを済まし、いっしょに階段を上がる。

 

「今日は私の部屋で寝ようよ?」

 

「ちゃんと片付けてあるんだろうな?」

 

「当たり前じゃん!」

 

「ほう・・・。」

 

ガチャリと千里の部屋を開けると・・・・。

 

「お・・・!若干綺麗だ・・・。」

 

「でしょ!?」

 

エッヘンと胸を張る彼女。

まあ、まだまだ散らかっているンだが、彼女のだめっぷりを考えればマシになっているから勘弁してやろう。

 

俺は床に転がるブラやらパンツやらには極力視線をやらないようにしながら布団まで歩き、ポフッと腰を下ろす。

 

「しゅん~!」

 

「うぉっと・・・。」

 

布団の上に座っていた俺に飛びついてきた彼女。

勢い余って俺と千里は布団の上で抱き合いながら転がる。

 

「うにゃあ~しゅん~。」

 

言葉が全部ひらがなになるくらい甘えた声を上げて抱きついてくる千里。

俺は彼女後頭部より少し下のところに右手をあてがい、優しくさすってやる。

 

「ふふふ。きもちいい~。」

 

「だろ・・・?」

 

「なーにー。なんか自信ついたわけ?」

 

からかうような調子の千里に俺はにやりと笑い応える。

 

「まあ、こんだけいちゃついてたら、千里が気持ちいい事ぐらい分かるよ。」

 

「なんか・・・それだけ聞くとエッチだね。」

 

「おい、なんでだよ。」

 

「えへへ。うそうそ。」

 

「お前なあ・・・。」

 

などといつもにもましてしょうもないことの応酬を繰り広げていたのだが・・・。

 

「明日はどんなデートしてくれるの?」

 

と千里に聞かれたことでようやく本題に入ることができた。

 

「まあ・・・できる限り千里を楽しませようと考えたプランにはなってるはず・・・多分だけど・・・。」

 

「なによ、舜。私の気持ちいい事は分かるのに、楽しいことには自信ないんだあ?」

 

ニヤニヤとからかう彼女に俺はむっとして言う。

 

「仕方ないだろ?初めてなんだしさ・・・・・デートなんて。」

 

「ふふ、そうだね・・・・・。」

 

それまでとは打って変わり穏やかな笑みを浮かべた千里。

声音もなんだか艶っぽい響きだったので少しドキドキしていると彼女は俺の耳元に顔を近づける。

 

はあはあはあ、という彼女の息づかいが聞こえたと思ったその時・・・・。

 

「・・・楽しみにしてるね?」

 

と囁かれる。

 

ゾクリとするぐらい妖艶な声。

俺の脳髄が震えたように感じた。

 

薄暗い部屋にほのかに見える彼女の顔は、なんだかこの世のものとは思えないくらい魅力的なものに思えたのだった・・・。

 

 

 




いかがでしたか?
次話ではようやくデート!
うーん・・・悩みどころです。

できるだけ早めに上げていくのでこれからもよろしくね?

感想くれたら嬉しいです!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。