ダメ姉にダメ元で求婚したらなぜかオッケーして貰えた件   作:A i

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記念すべき十話です!
いやあ、ようやくここまで来ました。
お気に入りも100超えましたし、ホント読者様には感謝感謝です!
九話でなんかしたいなあ、と思っていると言いましたが、今回の話は千里と舜の二人しか出てきません。
しかも、ストーリー生はほぼゼロと言って良いほどにこいつらがただいちゃつきます。笑
いつもそうじゃねーか!と突っ込み淹れてくださる方。まさにその通りです。
スミマセン。

でも、まあ甘いお話大好きな方は今後も読んでくだされば嬉しい限りです。
これからもよろしくお願いします。
ではお楽しみください。
感想くださいね?笑


二進数

――美少女と制服

 

この組み合わせは鬼に金棒、どころか鬼にロケランぐらいの破壊力を湛える。

大げさに思うかもしれないが今のこのクラスの状況を見れば、得心を得ることができるであろう。

 

千里は俺の姉ではあるが、身内贔屓でも何でもなく、事実として美少女。

そんじゃそこらの読モなんかでは太刀打ちできやしないレベルの美少女である。

 

そんな美少女が制服を着ている。

 

正直に言おう・・・・。

 

――可愛すぎて死ねる・・・。

 

千里の私服姿は基本的に可愛いし、可憐である。

家の中では楽であることを優先して上下グレーのスウェットであることが玉に瑕なのだが、外出する際にはかなりオシャレに気を遣っていることを知っているし、めちゃくちゃその格好も魅力的ではあるのだが・・・。

 

――制服は次元が違った・・・。

 

普通、制服を着るとちゃちな印象になったり、なんだかアンバランスになったりしてしまうモノだが、千里は違う。

完璧に着こなし、自分の魅力を最大限に発揮している。

白いブラウスと青いネクタイが彼女のこれまた白くなめらかな肌によく合い、清涼感を演出。

スカートは少し短くし形の良い太ももを見せてはいるが決して下品にならない程度の露出に押さえられている。

もちろん、大きなバストはブラウスの布地をしっかり押し上げて存在を主張しているし、くびれもそこはかとなく強調されている感じがする。

 

まあ、色々言ってきたが最終的に何が言いたいかというと・・・。

 

――清楚でエロい。

 

彼女の制服姿はそんな相反する概念が同居する完璧な佇まいだった・・・。

 

 

 

 

俺はあの千里の爆弾発言後からの記憶がほとんどない。

ただ、なんかクラスの奴らに質問および罵倒されていた気がするが千里の制服姿以外はあまり覚えていない。

 

「おーい、舜?おーい、おーい、生きてる?反応しないと・・・悪戯しちゃうよ?」

 

それにしても可愛かったな・・千里の制服姿・・・でゅへへ・・・。

俺は千里の制服姿を頭の中で思い出してデレまくるという気持ち悪すぎることに夢中になっていると・・・。

 

ぺろり

 

右耳にヌメッという感触が伝わる。

 

「うひゃあ!」

 

「・・・あは!可愛い、舜の声。」

 

声のした方を向くと、イヒヒと悪戯が成功した小さな子供のような表情をした千里が横を歩いている。

どうやら俺と千里で下校しているようだ。

 

俺は右耳を押さえながら、何をされたのか思い巡らしていると、彼女が小さく舌をだしながらこう言った。

 

「舜のお耳いただいちゃいました、てへぺろ!」

 

「な!?まさか、おまえ・・・。」

 

「うん、あんまりにも舜が反応してくれないから・・・舐めちゃった!」

 

「なめちゃったって・・・。」

 

「あれ~?舜顔赤いよ?」

 

にま~、と意地悪そうな顔で俺をからかおうとする彼女なのだが・・・。

 

「千里もな・・・。」

 

「え・・・うそ。」

 

「ホント。」

 

「うにゅうー・・・。」

 

ポフッと頭から湯気が出るほどに顔を真っ赤にする千里。

ほっぺを押さえて身もだえている。

 

あまりにも綺麗にブーメランだったので俺はフフッと笑みを溢す。

 

「もう!舜、笑わないでよ!」

 

「悪い・・・なんかおかしくてさ。」

 

「むぅ~・・・。フンッ!」

 

悔しそうに肩をいからせてそっぽを向く千里。

 

華奢な体、ほっそりとした首元、なだらかな頬のライン。

俺の目に映る彼女のすべてが美しく、愛おしい。

 

そんな彼女の姿を見ているとある一つの考えが浮かんだ。

それは・・・。

 

――今度はこっちから悪戯してやろう。

 

そう決めると俺は依然、そっぽを向く彼女のあごを左手でくいっとこちらに向ける。

驚いて目を見開く彼女。

そんな彼女を安心させるためフッと優しくほほえむ。

それを見て安心したのか千里も笑顔を浮かべた。

 

だけど、今日の俺はそこで止まらない。

 

「千里・・・愛してる。」

 

そう囁き、俺は彼女の唇に自分のものを重ね合わせる。

 

「~~~~~~!」

 

声にならない叫び声を上げる彼女だったが、そんなことお構いなしに彼女の唇をついばむ。

しばらくすると、彼女から腰に手を回し、俺に身を預ける。

 

底なしの幸せに身も心も蕩かしてしまう、そんな甘いキスをした。

 

 

「ぷはっ!」「ぷはっ!」

 

新鮮な空気を求めあえぐ俺と千里。

あまりにも夢中になってキスしていたので酸素不足。

頭の中がぼんやりとして、体はふわふわとした感じだ。

 

大きく息を吸って吐いてを幾度か繰り返し、ようやく息が整う。

 

ほぼ同時に千里と俺は互いを見た。

 

「ねえ、舜。」

 

「うん?」

 

「いきなり過ぎない?」

 

「いやだった・・・?」

 

「ううん・・・いや・・・じゃない。」

 

「そっか、そりゃよかった。」

 

「うん・・・。」

 

恥ずかしそうに下を向く千里の頭に手を乗せて優しく髪の毛を梳いてあげると、彼女はガシッとその手を取った。

 

「千里?」

 

「これで帰ろ?舜。」

 

そう言って繋いだ手を俺に見せる。

 

それは所謂、恋人繋ぎと呼ばれるものだった。

これまで求婚してからは千里と外出したことがなかったので外で手を繋ぐことすら初めて。

その上恋人繋ぎなんてハードルが高すぎ、と思っていたのだが、彼女はニッと勝気な笑みを浮かべて・・・。

 

「ね?」

 

と首をコテンと傾けて言うのだった。

 

俺はそのたった一語にキュン死にしそうだったがなんとかこらえて。

 

「うん。」

 

と言う。

あまりにも子供じみた返事をしてしまった自分が恥ずかしく顔が熱くなってくるのを感じるが、まあ姉の前と言うことで弟としては少しの甘えぐらいは許してもらおう。

当の彼女は穏やかにほほえみニギニギと指を絡めて俺の指の感触を味わっている。

柔らかな指の感触が気持ちよく俺もニギニギと軽く握り返した。

 

ニギニギニギニギ

 

しばらく、お互いの手の感触を味わう時間が続く。

じんわりと手のひらに汗がにじんできた頃にようやく俺と千里はゆっくりと歩き出す。

まだニギニギと軽く握り会いながらだが・・・。

 

まともに千里の顔を見ることができないのでまっすぐ前を向き、ニギニギし続ける俺。

でも、ちょっとだけ、ちょっとだけ千里がどんな顔しているのか気になり横目にチラッと彼女の顔を覗く。

 

すると、彼女も横目にチラ見していたようでばっちり目が合ってしまう。

すっごい顔を赤くしながらも口元がにやけている彼女。

俺も似たような顔をしていると思うとなんだか、笑いがこみ上げてくる。

 

「・・・っぷ。あははは。」

 

千里も同じ事を思っていたのか、ほぼ同時に笑い出した。

 

「はあーあ。笑った笑ったぁ。」

 

「そうだな。」

 

「私たちってホント似たものどうしだね?」

 

「まあ、一応姉弟だしな。」

 

「そうだよね・・・姉弟なんだよね・・・。」

 

言葉尻に行くに従って声が暗くなる。

 

「どうした・・・?」

 

そう聞いてやると、不安そうに揺れる大きな瞳がこちらを見つめる。

今にも泣き出しそうなので、ソッと彼女を抱きしめて、頭を撫でてやる。

だが、逆効果だったのか腕の中から嗚咽が聞こえてくる。

 

俺はゆっくりと頭をなでる手を止めないで、できるだけ優しく聞いてあげる。

 

「千里どうした・・・?」

 

「うん・・・。ごめんね・・・突然泣いたりなんかして・・・。」

 

そう言って見上げてくる千里の頬をキラキラと光る大粒の涙が伝う。

ポロポロと涙を溢し続ける彼女。

 

「泣くなよ・・・、俺がいるだろ?」

 

そう囁いて親指で彼女の涙をぬぐってやる。

それを聞いた彼女はまだ涙は止まっていなかったが、ようやくうっすらと笑みを浮かべる。

儚くも美しい笑顔。

 

そんなほほえみを浮かべたまま彼女は俺の頬に手を添えて言う。

 

「しゅん・・・わたしとのこと、後悔してない・・・?」

 

「ああ。当たり前だ。」

 

力強く断言する。

それを聞いた彼女はクスリと蠱惑的に笑い愛おしそうに俺の頬を撫でる。

優しい手つきだ・・・。

 

そのままの体勢で彼女は「じゃあ・・・。」と切り出す。

 

「じゃあ・・・・ここでもう一回証明して?私の事好きだって。」

 

「ふふふ、なんだそんなこと・・・。お安いご用だよ?」

 

「へえーそうなん・・・うむぅ。」

 

彼女の言葉が言い終わらない内に俺は唇を重ねた。

さっきよりも激しく、濃いキス。

 

とろけるようでやわらかくてあまくてしょっぱくて・・・・。

 

いろんな味。

いろんな感触。

いろんな思い。

 

すべてがない交ぜになった口づけ。

 

プハッと唇を離すと潤んだ瞳でこちらを見つめる千里。

えへへ~とほっぺを押さえて非常に嬉しそうだ。

 

――これで分かってくれたかな。

 

そう思って俺は彼女に向かって口を開こうとしたそのとき・・・。

 

「・・・んむぅ。」

 

千里がだめ押しとばかりに俺の唇を奪った。

今度はさっきより軽いキス。

 

離れると、彼女はテヘッと笑い。

 

「舜、愛してるよ?」

 

と言うので・・・。

 

「俺も愛してる。」

 

と言い、最後にもう一度口づけをしたのだった・・・。

 

 

 




いかがでしたか?
次話からはようやく学校の中で千里が暴れます。
物理的に暴れることはまあたぶんないけども精神的にというか人間関係的にと言うか。
まあ、そう思っといてください。笑
今後もよろしく。

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