NEW GAME!NEW LIVED!!   作:残夏

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はじめ「さぁ始まるざますよ!」
ひふみ「い…いくでがんす…」
青葉「ふがー!!」
ゆん「まともに始め〜や!」


休日のヴァルキュリア

「よいしょっと…ハァ…やっぱり姉さんを1人にさせない方がいいな…」

市で指定された割れた皿や焦げた鍋が大量に入ったゴミ袋をごみ捨て場に置き、呆れはてたため息を吐く序についついボヤいてしまった。

事の発端、つまりこの大量の不燃ゴミを生産したのは俺の姉、高坂一葉だ。

新人歓迎の二次会でゆんさん達を送り終電を逃してしまい、ゆんさんの家に泊めて貰った短い間に部屋がまるで天変地異がおきたかのように散らかっていた。

姉と2人暮らしを始めてから度々部屋を空けその都度部屋を散らかさしていたが、今回は 前例を遥かに超えていた。

「こりゃやっぱり何か対策を建てないとだな…」

鳥避けのネットを被せ、手に付いた土埃をはらい部屋に帰った。

 

 

「ただいまぁ」

「お…おかえり…二葉君…」

玄関で靴を脱ぎ上がるとリビングの入口から申し訳な誘うな顔をした姉さんが、廊下に顔だけだし俺の顔色をみている。

「姉さん昨日の事は気にしなくていいから…いつも通りにしてよ…調子くるうから…」

「ほ…本当にかい?もう怒ってないかい?あの朝食を食べてもいいのかい?…」

「本当だよ、と言うか俺そもそも怒ってないよ…呆れはしたけど…てかまだ食べてなかったの!?」

「部屋を散らかした罰で見ているだけで、食べてはいけないのかと…」

「そんな事する訳ないでしょう…早く食べちゃって」

申し訳なさそうな顔をしている姉に近寄り、苦笑いを浮かべ鼻を摘んだ。

「なに“するん“だ二葉君…そう“言えばスマホにメールがきていたようだよ“?」

「メールって誰からだろ?…え?」

姉と一緒にリビングに入りテーブルに置かれたスマホのスリープモードを解き、メールの受信ホルダーを確認すると意外な人物から送信されていた。

「コウさんからだ…一体どうしたんだろ?」

「誰からだい?」

「職場の上司だよ、えっとなになに…」

朝食を食べる姉の向かい側に座り、メール内容を確認する。

[部屋に来て]

「へ?」

「内容は?」

「部屋に来てだって」

「仕事の事で何か大切な用があるんじゃないか?、ほら私もいる訳だから作っているゲームの内容が盛れない様に、と言う事じゃないかな?会社の皆は二葉君に姉がいる事は知っているのだろ?」

「伝えてあるよ、そう言う意味なのかな?」

(まぁ下着姿で部屋をうろつくだらしない姉と紹介しているけど…)

もう一度シンプルなメール内容を見ると、一つの疑問に気がついた。

「部屋に来てって言われても…俺コウさんが住んでいる場所知らないんだけど?…」

「でも、二葉君を招くと言う事は既に伝えてあるんじゃないかな?」

「ん〜…俺が忘れているだけなのかな…もしかして新人歓迎の時に…駄目だ思い出せない…かと言って本人に聞くのも失礼だしなぁ…そうだ!」

コウさんと仲が良く、尚且つ同期である人物が思い浮かんだ。

「きっとりんさんなら住んでいる場所を知っているはず!」

解決の糸口を見つけ、早速りんさん宛に文字を紡いだ。

[おはようございます、高坂二葉です。

朝早くに申し訳ないのですが、コウさんのお住まいの住所を教えて貰えないでしょうか?]

「こんなモンかな?」

誤字脱字が無いことを確認し、送信ボタンを押した。

「後はりんさんからの返事を待つだけ、姉さん食器洗うから貸し…」

綺麗に空いた食器を片付けようとした時に、メールの受信音が鳴った。ディスプレイには登録名のAD 遠山りんさんの文字。

「返信はやッ!?」

とりあえず食器をシンクに置き、りんさんからのメールを確認する。

[おはようございます。どうして知りたいのかしら?何か用事があるのなら私が伝えておくけど?]

「りんさんから伝えるも何も…俺コウさんの連絡先知ってるんだけどなぁ…」

[今朝コウさんに部屋に来てと言うメールを貰ったのですが、住所を分からないので…それでりんさんに聞いてみたんですが…多分仕事の話だと思います。]

「送信っと…さぁて洗い物ぉ!?」

送信してまた数秒後にりんさんから返事が返ってきた。

[分かったわ、住所と部屋の番号を教えるわ]

[ありがとうございます。]

送信し今度こそ洗い物を片付けた。

 

 

「ん〜ッ…もう朝かぁ」

カーテンの隙間から漏れた光が丁度目に当たり、眩しさで目を覚ました。

「眠い…お腹空いた…」

新人歓迎の二次会から帰ってから何も食べずにいた為、お腹が空腹だと脳に警告している。

無論自分では料理を作らない故、今の状況を打破する事が出来ない。

「りんに来てもらって、何か作って貰おう…」

枕に顔を埋め手探りでスマホを探し出し、りん宛にメールを打つ。

[部屋に来て]

「りんならこれで伝わるだろ…送信っと…」

メールを送信し、再び眠りについた。

 

ピンポーン

「ん…りんがきたかな?」

インターフォンとメール受信のバイブレーションで、浅い眠りから目を覚ました。

一応メールを見ると、今着きました。と短い内容が届いていた。

「よいしょっと、お腹空いたよぉ二次会終わってから何も食べてない…」

ベッドから立ち上がり玄関のドアを開けるとそこにはりんの姿はなく、代わりに黒いシャツを来た誰かの胸元が目の前に広がっていた。

「へ?だ…誰!?」

「ちょ!!呼んでおいて誰?は酷いんじゃないです!?」

「え?その声は二葉ぁ!?呼んでおいてってどう言う事?」

「コウさんがメールで、部屋に来てって送ったんじゃないですか!!それでりんさんに住所とか聞いて来たんですよ?」

「メ…メール…まさか!?二葉ちょっと上がって待ってて!」

「あ…はい、お邪魔します」

二葉をとりあえず部屋に招きスマホのメール送信フォルダーを確認すると、送信履歴にはりんに送ったつもりだった内容が二葉のアドレスに送信されていた。

「ごめん二葉!さっき起きたから寝ぼけてりんと間違えてメール送っちゃってた…」

「寝ぼけてメールを送り間違えるって…俺で良ければりんさんの代わりになりますけどどうします?」

「ご飯作って貰おうとしただけだから別にいいよ…インスタント食品たべるから」

「ご飯なら俺が作ってあげますよ!何が食べたいですか?あ、冷蔵庫開けますね」

「あぁ!!ちょっと待って二葉!!」

「え…」

袖を捲り材料を確認するため冷蔵庫を開けると中身は空っぽで、その光景に言葉を失ってしまった。

「…」

「何だよ!!言いたい事あるなら言えばいいじゃん!仕方ないだろ?食材はりんが持ってきて料理を作ってくれるんだから!はいはい私は女子力の欠片もないですよ!」

「そこまで言ってないですよ…材料ないなら買いに行きましょう」

グズる子供をあやす様にコウさんの頭を撫で、落ち着かせる。

「うん…分かった…」

「何かリクエストはありますか?」

「ん〜…ラザニア食べたいなぁ、前にテレビで紹介して食べたいって思ってたんだけど…」

「それってゴゴナンデスの並んでも絶対なんとしても食べたいレストランでやってたやつですよね!、任せて下さい!飛びっきり美味しいラザニアを作りますよ!早速着替えて行きましょう」

「へ?」

「え?」

「この格好のままじゃ駄目?…」

コウさんの部屋着は女性物のタンクトップにやたら丈が短いルームウェアのショートパンツのみで、家で過ごすには問題ないが一目に出すのは気が引けてしまう。

「だってそれ部屋着ですよね?…隠す部位より出ている部位の方が多い様な格好で出かけるんですか?」

「出かける時はこれに薄いパーカー羽織るけど…それだけじゃ駄目?…私ファッションとかよく分からないんだよね〜」

「分かりました、コウさんクローゼットは何処ですか?服も俺が選びますよ〜」

「あ“ぁ“ぁ“分かった!ちゃんとした服着るから!」

何を着たらいいか分からないコウさんの代わりに服を選びに部屋の奥に行こうとした途端、シャツを掴まれ全力で引っ張られ部屋の奥への侵入を阻止されてしまった。

「じゃあここで待ってますんで着替えて来て下さい」

「分かったよ!またったく…でも二葉に任せたら絶対ヒラヒラした服とか選びそうだし…そもそもりんが沢山服を持ってくるから…」

ブツクサと不満をボヤきながら俺を置いて、部屋の奥へ行きドアをしめ着替えにいった。

「待てよ…逆に私が着なさそうな服を着て二葉に似合わない事を分からせれば着なくてすむ!よーし!」

自信に満ちた笑顔でクローゼットを開け、りんから貰った服で絶対に着たくないと思った服を選び、着替えた。

「お待たせ二葉ぁ!」

二葉の似合わなさで驚く顔を思い浮かべドアを開けると、自分を見るやいなや予想通り固まっていた。

(どうだ!りんに貰ったピンクのカーディガンにフリルがついた白いミニスカワンピが私に似合うわけ…)

パシャリ

「へ?」

シャッター音で我に返ると何故か嬉しそうな顔をし、二葉がスマホを構えている。

「コウさん凄い似合ってますよ!!」

「え!?…」

「凄く可愛いですよ!!コウさんも服も!」

「…」

予想外のコメントに混乱している私をさておき、二葉はスマホのカメラで写真を撮り続けている。

(しまった…コイツりんと趣味が同じかぁ…)

「コウさん何時もおしゃれな服を着ればいいじゃないですか!素は美人何ですから勿体ないですよ!」

「あ〜もう恥ずかしいから写真撮らないで!」

「ドゥワガスッ!?」

モデルの写真を撮るプロのカメラマンの様な動きで撮られる事に我慢の限界が来て、二葉にタックルをして動きを止めた。

「痛…ごめん二葉…やりすぎた…」

二葉を止めるのに必死だった為加減を間違えてやたら凄い勢いでタックルをぶちかましてしまい、今は私が二葉を押し倒した様な体制になっている。

「凄く綺麗ですよ…コウさん…」

自分の下にいる二葉の普段聞かない様な甘い声に何故か鼓動が早くなり、顔が熱くなっていく。そして何も考えられなくなっている。

「二葉は…私をからかって…楽しい?…」

「からかってなんかないですよ?…」

「嘘…他の女の子にもそう言う事言ってその気にさせて楽しんでるんでしょ?…」

「そんな事はしてません…それより顔が紅いですよ…大丈夫ですか?…」

「誰のせいだと思ってるの?…ほら…ここだって…」

コウさんに手を掴まれ、とある部位に誘導された。

「コウさん…」

「責任…とって…」

「…どうすればいいですか?…」

「今日だけでいいから…私のモノになって…」

俺はそれに言葉を使わず、瞳を閉じて回答した。

「チュ…」

コウさんも意味が解ると無言のまま唇を重ねた。




「毎度恒例の次回予告のコーナーです!皆さんこんにちは!司会の二葉です!そして今回のゲストの!」
「やぁ葉月しずくだよ、二葉君が司会をちゃんとやっているか序に見に来たんだけど…涼風君達が、次回予告の時だけ二葉君のキャラが違うと言ってのを聞いたんだけど?」
「それに関しては残夏さんに聞いて下さい…彼の台本通りにやっているだけなんですから…」
「ふむ…後で聞いてみよう…では次回、休日のヴァルキュリア2見てね!」

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