NEW GAME!NEW LIVED!!   作:残夏

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イーグルジャンプ攻略中級そしてラスボス戦

「ほとぼりもさめた事だし飲み物どうぞ、コウちゃんの分の珈琲もあるわ」

「ありがとうございますりんさん」

「サンキューりん、ゆんの分はって…持参か、しかももうイヤホンして仕事中…」

「じゃあ頂きます」

りんさんからそれぞれ頼んだ飲み物が入ったカップを受け取り、しばし会話を続ける。

「八神コウさんってフェアリーズストーリーのキャラクターデザインのですか?」

「お!そう初めて私がメインキャラデザインやったんだよ」

「凄い!私小学生の頃ハマってたんですよ!」

「懐かしいなぁフェアリーズストーリー!俺もハマったなぁエクスカリバーとイージスシールドにペンドラゴンアーマーをやっとの思いで揃えたなぁ」

「え!?二葉それ超超高難易度のクエストのモンスターが落とす伝説級の武器に防具だよ!?超マニア用に冗談で作ったのにクリアしたの!?」

「そんなクエスト有ったんですか?」

「流石に青葉はそこまで行ってないか…全アイテム防具や武器を集め、全クエストをクリアした時にのみ解放されるクエストなんだよぉ…うん珈琲美味しい」

「へぇそんなシステムになっていたんですか〜八神さんも珈琲なんですか?」

俺の時とは違った満足そうな顔をしていた。

「もって事は青葉も?私は砂糖とミルク入りだよ」

「はい!私はブラックです!大人なので…ズズズッ…ケホッケホッ…苦っ!!」

珈琲を一口飲んだ瞬間苦味で咳き込み、近くに駆け寄り背中を摩る。

「なんだよ…飲めないんじゃん青葉…」

「アハハ…無理しちゃ駄目だよ青葉ちゃんはい交換、まだ飲んでないから」

「え?あの…」

咳が止まった後青葉ちゃんが持つ珈琲の入ったカップを取り上げ、変わりに自分のオレンジジュースのカップを渡した。

「実は俺はブラック派でしたぁ〜」

「うわ…本当にブラック飲んでるよ二葉の奴…」

珈琲を飲み、悪戯な笑で自分はブラックが飲めるアピールをする。主に青葉ちゃんに。

「もしかして私がこうなる事をよそうして?」

「内緒♪お!!イーグルレンジャーのイエローイーグルの限定フィギュアだ!しかも初代の!!」

珈琲片手に自分のデスクに戻る時戦隊のフィギュアやロボット等が沢山並んだデスクの一体目が釘付けになった。

「君!イーグルレンジャー知ってるの!?誰推し?」

フィギュアを眺めているとショートカットのボーイッシュな女性が目をキラキラさせ、息がかかる位の距離まで顔を近づけてきた。その俺を見つめる瞳には、戦隊物を愛する熱意を感じらた。

「俺は初代イエローイーグルかな」

「おぉ!私も初代イエローが大好きなんだよ!本当にいいよね!」

「ま〜たはじめの語が始まったで、長いから気いつけや?」

イヤホンを片方外し不機嫌そうな顔で俺を見つめるが、目の前の女性の事について助言をするとまたイヤホンをはめ仕事に戻った。

(まだ…怒っているのか…)

「ゆんの言う通りはじめは語り出すと長いよぉ」

「程々にはじめちゃん」

「善処しま〜す」

「アハハでも初代イエローは本当に恰好いいですよね」

「そんなになんですか?」

オレンジジュースを飲みながらキョトンとする青葉ちゃんを他所に、はじめと言う女性は語り出した。

「凄く恰好いいだよ!本当に!!片思いの女性トウコが敵に捕まっちゃってイエローが1人で助けに行くんだけど、イエローが攻撃を庇って死にかけるんだ…それでイエローの最後の言葉が本当にぐっと来るんだよ!」

「俺は…世界よりも…平和よりも貴女だけを守るヒーローでありたいと思ってしまった…きっとこれはそんな自分勝手な俺への罰なんです…だから貴女が気に病む事はありません…トウコさん貴女はずっと笑ってください…一輪の花に捧げる男道!!さぁじけって言って敵を道連れにして死んじゃうだ」

「凄い!全暗記だ!なかなかのマニアだね君!」

「貴女こそ期間限定フィギュアを持っているなんて尋常じゃない特撮への愛を感じます!」

「凄いなぁ二葉…はじめと語り合っている…」

((ところで…この人…誰だろ?…))

興奮のあまり話し込んでしまったが、冷静に考えるとお互い見知らぬ人物と話していた事に気づいた。

「えっと…君とそこのツインテールちゃんは…誰?」

((い…今更!?))

「えっと…今更ですが今日から新入社員としてキャラ班でお世話になります、高坂二葉です」

「私も今日からキャラ班でお世話になります!新入社員の涼風青葉です!」

「後輩が2人も!!しかもイーグルレンジャーの事を語れる人が入って来るなんて最高だよ!!あ、私は篠田はじめ!はじめでいいよ!キャラ班のオフィスにいるけどモーション班なんだけどそこを気にしないで仲良くしてくれたら嬉しいなぁ」

「全然気にしませんよ!」

「俺もですよ」

俺が男子だと言うのをまるで気にしてない様子で話し続けるはじめさんを見てりんさんやゆんさんの言葉が本当だったと実感していると、後ろから袖口を捕まれ振り返るとイヤホンをはずしたゆんさんが優しい笑顔で飴を差し出してきた。

「よう頑張ったなぁ偉いで二葉君!、御褒美に飴ちゃんあげる!」

「あ…ありがとうございます…」

地味に子供扱いされ複雑な気持ちで飴を受け取る。

そして朝礼まで各々自分のに着き、色々な事をし始めた。

「…おはようございます…」

「あ、おはようござ…あれ?…」

「おはようございます!涼風あ…」

貰った飴を眺めていると小声の挨拶がブースの入口から聞こえ、顔を向けると長い髪をポニーテールに結った女性と目があい挨拶や自己紹介をしようとした時に何故か慌てて目を逸らされ言葉の途中で足早に俺の左側の自分の席に着き、イヤホンをされてしまった。

「あ…あれ…今…あれ…怒ってる?

…俺達何かした?」

「な…何もしてないですよ?…」

コウさんのパンツ騒ぎを除けば皆フレンドリーに接してくれだがまさか最後の1人、しかも自分の隣りの席の女性にガン無視されるとは思っても見なかった。

(青葉ちゃんとりんさんがプロローグでゆんさんが初級、はじめさんが中級でコウさんのパンツ騒ぎがボス戦ならこの人がラスボス!!イーグルジャンプ攻略不可能かも…) 「あぁひふみ先輩か、二葉君と青葉ちゃん今のが滝本ひふみ先輩で、人見知りでな会話が少し苦手やから用がある時とかはメッセの方がええよ」

「そ…そうだったんですかぁ…よかった…」

「安心しましたぁ…」

青葉ちゃんも自分の席に着きひふみさんにメッセを送るため、PCを立ち上げ初めた。

「メッセで自己紹介か…え?」

すぐ隣の人物にわざわざメッセを送るのにもどかしさを感じながらメッセを送ろうとした時、まさかの滝本さんからメッセが届いていた。

[さっきはごめんね!私男の人とあまり話した事ないし、喋るのが苦手なんだ…( 。>﹏<。)私もキャラ班だから何かあったら聞いてね!あとひふみでいいからね(^ω^)]

「お…おぉ…」

(…何かイメージど違うメッセキタ(゚∀゚)ー!?これ本当にひふみさんからのメッセか?…)

ひふみさんとディスプレイのメッセを交互に見るが、やはり同一人物からのメッセとは思えなかった。

[今日から新入社員としてキャラ班でお世話になります、高坂二葉ですよろしくお願いしますm(_ _)mあ、堅苦しいのが苦手なので俺は二葉とよんでください( 'ω')ノ]

「っと…これでいいかな?…」

柄にもなく顔文字を使ってみたものの、これで意味があっているのか不安だが送信してみる。

「フフッ…」

「へ?笑った?」

微かな笑い声に釣られ、ひふみさんに視線を向けるとディスプレイを見ながら微笑んでいた。

(こんな顔出来るんだ…)

「ヒッ!?」

「あ…」

無表情だった彼女が不意に見せた笑顔に思わず見とれていると俺の視線を感じたかのか、顔をこちらに向けひふみさんと目があってしまった。

「えっと…その…た…滝本ひふみ…です…よろしく…お願いします…」

「高坂二葉です!お世話になりますひふみさん、後無理しないでメッセで大丈夫ですよ」

「ウゥ…ありがとう…ごめんね…」

2回目の自己紹介を終え少しひふみさんとの距離が縮まった気がしたが、まだまだ普通に話すのは先の事になりそうだった。

「さて全員揃ったし、二葉達の紹介を兼ねて朝礼をしますか!!」

「そうね!二葉君、青葉ちゃん付いてきて、皆に紹介するから」

「分かりました!緊張するね青葉ちゃん」

「は…はい…そうですね…」

 

 




「さぁ始まりました!次回予告のコーナー!!司会を担当する高坂二葉です!皆さん!名前覚えてくれましたか?覚えてくれたと信じて、第二回目のゲストさんの登場です!」
「皆さんこんにちは!イーグルジャンプキャラ班の飯島ゆんいいます!」
「俺の右側の席で、頼れる先輩なんですよ!」
「頼れる先輩って!!えへへ照れるわぁ」
「私服もなんかお姫様みたいで可愛いです!!」
「服装には気ぃつこうてるからね!」
「へぇ〜うちの姉とは大違いですよ…家でもあんな感じの服装なんですよね?」
「ウグッ!!」
「ん?ゆんさんどうしたんですか?」
「じ…次回お昼とオヤツと社員証と、皆見てな!」
「あれ勝手に終了させられた!?」


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