Side一誠
「それじゃあ一足先に行ってるわよ」
「待て待てあんまはしゃぐな」
俺や信にとっては久方振りの、嫁達やユイリちゃんにとっては初めての登校日。
ちなみに本来ならば中等部入りとなるユフィナ、ラーシア、桜は成績優秀で特待生扱いでスキップして高等部入り出来、初等部なスゥは前代未聞な異例の中等部入りとなった。
一番学力が心配だったアコはなんとかギリ点で高等部入り出来たようだ。
中等部入りしたスゥと別のクラスに編入したユイリちゃん以外は全員同じクラスに編入する事になって感謝した。
Side?
「へっへへー!」
俺は兵藤 成也。事故死してこの「ハイスクールDxD」の世界へと本来の主人公である兵藤一誠の力とポジションを現れた転生神に頼んで転生を果たした。
ようやく駒王学園の生活が始まって俺は感賞に浸っていた。
邪魔な弟も何時の間にか行方不明になってていないしこれで俺のハーレム野望が始まるんだぜー!
未だに奪った神滅具<ロンギヌス>の一種の神器である「赤龍帝の籠手<ブーステッドギア>」の力が目覚めてくれないのが不安要素だが…ドライグめ…必ずモノにしてやるからな!
「『…』」
力を持って慢心している彼は知る由もない。
彼のその薄汚れた野望が儚くも打ち砕かれる未来がすぐそこまで迫って来ている事に。
「皆席に付けー今日は編入生を紹介するぞ。入りなさい」
「ン?編入生だと?」
先生が入室して開口一番にそう言う。
まあ自分も高一スタートだし多少原作とは差異があるのだろうと思った成也。
だが彼はその編入生の一人に驚愕する事となる。
「なん…だと!?…」
Side一誠
「一誠・ブリュンヒルドだ。
名前については父親が外国人だったことと三年間程理由有って日本を離れていたがれっきとした日本人だ。
気軽にイッセーとでも呼んでくれ。
よろしく」
俺の親については完全にでっち上げだ。
その点については気にしないで欲しい。
「鳳凰寺 信だ。
一誠殿に仕える従者であり、そこの桜とは将来を約束した仲だ。だからもし手を出した奴は分かるな?」
「きゃあああー!」
案の上、糞兄貴は俺の名前で気が付いたのかずっと睨んできているが俺は気にせず自己紹介を終える。
続けて自己紹介を終えた信に女生徒が黄色い声を挙げている中、何故か彼の事も睨んできているが…ロクでもない事を考えているのは確かだな。
ユフィナ達も順調に終えると糞兄貴が今度は思いっ切り鼻の下を伸ばしていたし。
「大丈夫?ブリュンヒルド君に鳳凰寺君」
「ああ…」
「イッセーで良いと言ったろ。
俺を何故か睨んできている彼どんな奴なんだ?」
「兵藤の事?最低最悪の男よ。
私は奴と同じ中学だったんだけど入学式終わって早々に抜け出して女生徒達の健康診断を覗きに来る様な変態よ。
ああ、後二人変態がいたんだけど何があったのか何か変わったのよね…
あ、私は桐生愛華よ よろしくね!」
「ああよろしくな…」
奴は眼鏡をかけた女生徒、桐生さんの話によると全く変わっていない所か悪化してる事が分かった。
残りの変態が気になったが今はその様な事をしていないという事だろう。
絶対にお前なんかにローナ達は渡さないからな!
俺はそう強く決意し席につくのだった。
「ン?…」
「…」
ふと気が付くと桐生さんの左隣の席に居る白髪の女生徒が視線をぶつけてきていた。
俺だけでなくローナや桜、アコの事もじーっと見てきてくる。
成程この子が黒歌の妹さんである転生悪魔だな。
俺の隠している力に僅かでも気が付き、また姉の匂いに気が付いたのだろう。
だけど今の段階では黒歌の事を教えてやる訳にはまだいかないしな…。
ローナ達についてはまあ有名人になったからであろう。
彼女もまたきっと妖桜珠のファンなのかもしれないな。
俺はそう思い少し嬉しくなった。
Side子猫
どうも塔城です。
今私の頭の中は編入生として学園に入学してきた人達に対する衝撃と不思議な感覚で一杯です。
「(編入生のブリュンヒルドさんに鳳凰寺さん…只者じゃない不思議な感じと懐かしい匂いがするのは何故?…
これは部長に報告するべきかも…それにあの三人の編入生はもしや『妖桜珠』の娘達ですよね!?
キャー嘘ぉー!?…真逆同じ学園に編入してきただなんて予想外です…あ、後でサイン貰わなきゃ!///あ~魔妖さんも同じ学園だと良いのになぁ…)」
「塔城さん、そこぼーっとしない!」
「はっ!?す、すみません!…」
私はウッキウッキな気分で高揚してしまっていて先生に注意されたのでした。
昼休みになって私は早速彼女達の元へと向かうのでした。
Side成也
「(糞ッ!?真逆一誠の奴が生きていやがってて従者なんかを従えてあんな美少女達と一緒に居るなんてな…だけどなぁ他は騙せても俺の目は誤魔化せないぞ!
俺の主人公力の踏み台にしてお前と従者の女も頂いてやるぜ!)」
ロクでもない事を考えローナ達に近付こうとする成也だったが…
「大人しく退いて下さいこの変態。
妖桜珠の皆さんが穢れてしまいますので手加減出来ません」
「げっ!?…」
赤龍帝の力も真面に扱えていない今の成也では転生悪魔である子猫のファン力によってか何時もよりも上昇している手加減無しの馬鹿力に抵抗出来ず地に伏せられてしまい呆気無く気絶させられていた。
Side一誠
「大丈夫なのか?…」
「大丈夫ですあの人は只の最低な変態なので…それよりも一緒に編入してきたあの御三方は「妖桜珠」の皆さんで間違い無いですよね!?
あ、私は…」
「塔城子猫さんだよね」
俺が彼女の名前を言い当てると驚かれる。
「あ、はい!それで…」
「ああ、確かにローナ達は「妖桜珠」をやってるよ」
「やっぱり!」
「ま、マジで!?ソレホントイッセー君!?」
「おおう!?」
俺の返答に塔城さんは顔を綻ばせ話を聞いていた桐生さんもローナ達が有名人であった事に気が付いて身を乗り出してくる。
「「さ、サインを是非!」」
塔城さんと桐生さんは同時に何枚もの色紙を出してきてローナ達にサインを要求していた。
それと同時に他の生徒達も色紙をどこからか出して並び出して何時の間にか物凄い行列が出来上がっていた。
というか桐生さんは一人で一体何枚要求しているんだよ!?
「ん…良いよ…」
「アコ、サイン書くなんてはじめて!」
「…///」
ローナは快く了承し、アコも嬉しそうにしながら、桜は少し恥ずかしそうに紅潮しながら各々書き出していく。
「うにゅ!…」
「出来たよー!」
「ん…こっちも書き終えた」
以外と早く各々全員分+αのサインを書き終える。
「あ、ありがとうございます!ン?…このイラストは…」
ローナ達からサインを受け取った塔城さんは感無量に浸っているがふと何かに気が付く。
ああ…(察し
「サービスだよ…嫌だった?…」
「い、いえそうじゃなくて…このイラストのタッチ具合、そして!…妖さんいえローナさんはもしかしてニヤ静画の「魔王様ー!(/・ω・)/」とちょっと意味不明なセリフを言っているデフォルメキャラのローナさんみたいなサムネが目印の「魔妖」さんでは!?」
「うん!そだよ…」
「あああああー!やっぱりいい!///」
「ええーー!?あの神絵師の事だよね!?」
ローナのもう一つの顔に塔城
さんだけでなく周りの生徒までもが驚きに満ちていた。
っていうかローナさん?何時の間にサムネイル弄りなんて覚えたんだい!?
流石にそれはバレてないとはいえ俺がこっ恥ずかしいんですけどー!?…
まあ皆嬉しそうだからいっか!
その翌日、糞兄貴に真逆の彼女が出来たとの話を聞いて俺は何かを感じた。