でもF7から上に中々昇格出来ねえ…強化素材より資金クエをおくれえ…
Side一誠
「はあ…」
なんとかユーロン軍をハノックから退けた翌日、ユーロンからさも当然の様に抗議という名の書状が届けられたのだが…
「ええっと『あの土地は元々我々ユーロンのものであるのだから貴国にはその権限は無い。
それにあの鉄の巨人兵も我等の祖先が造った物でそれらも此方にも所持権がある。
それらを貴国で独占していて他国に恥ずかしくないのか!』だと…ふざけているのかよ!」
「よくもまあそこまででまかせを言えたものですね…」
「自分達の行いを正当化するのに必死なのでしょうが…」
「とりあえずソレ御土産付きで送り返してみようか?」
「…やめておけ。
泥沼の無駄な戦いになりかねないからな」
「それもそうか」
俺が訴状を読み上げてみる。
その相手にするのも馬鹿らしい内容に読み上げ終わると冬夜が物騒な事を言い一瞬考えたが却下する。
それくらい頭悪い内容に心の中で訴状を叩きつけたのは内緒。
「それと以前のクラウのスパイを捕縛致しました」
「お?それで何か判明しましたか?」
ほんと武田四天王も有能だな。
どうやらユーロン天帝の命令でFGの強奪だけでなく俺達の暗殺やエルゼ達の誘拐を企てていたみたいだ。
とりあえずユーロンとは武を以て語る必要性があるな。
「双王陛下大変で御座います!」
そこに偵察に出ていた鳩姫さんが慌ただしい様子で告げてくる。
「ユーロン側で可笑しな煙がいくつも立ち昇っています!
もしや軍が攻めてくる気なのでは?!」
「ありうるがまずは落ち着いてくれ。
いくつもとは一体?」
「えっとなんだかキラキラしたものがたくさん見えたのですが…」
「まさか!?…」
「間違い無い!…」
鳩姫さんの言葉で俺はすぐさま千里眼を発動しユーロンを見る。
その瞬間、俺の言葉を聞いて冬夜が号令を発した。
「至急全員に通達!
フレイズの大襲来が訪れた!
総員FGに搭乗、戦闘配置に付け!」
「りょ、了解!」
よもやこの絶妙なタイミングでフレイズの大群が押し寄せてくるとは…まずは下級種の奴等を殲滅に急いで俺達は出る。
しばらくして下級種を全滅させ、俺は西方同盟諸国にこの事態を話し協力を取り付けた。
その後急いで戻りすぐに竜騎士に搭乗し出撃。
その頃にはフレイズの数は大分減っていた。
「検索、残りの残存フレイズの数は?」
「『…後一万体です』」
協力があってそれでも残り一万か…これは骨が折れるぞ。
「クリカラ!」
俺はクリカラを大剣に宿し薙ぎ払う。
「『やあ、やってるね!』」
「その声…エンデか!」
此方にやってきた紅い竜騎士が俺の背後にいたフレイズを叩き斬る。
それに搭乗っていたのはエンデだった。
もしや冬夜が彼に借したのか。
ナイスなタイミングだぜ!
「『もうすぐ僕が冬夜に渡した「王の声」の破片の効力が発揮される』」
「その王の声でフレイズを一ヵ所に誘導出来るって事か!」
「『そういう事!』」
これ迄のエンデの話を聞いた限りフレイズはより進化しようと王の力を狙っているみたいなのだ。
「『お!奴等が集まり始めてきている!
叩くなら絶好の機会だ!』」
「OK!機体もそろそろ稼働限界が近い…エンデ奴等の誘導を頼む!」
「『分かったよ』」
「綴る!【ヴリトラ】!」
王の声とエンデによって誘導させられた中級フレイズを一気にヴリトラを纏わせた獄炎剣で殲滅した。
「よし!そっちはどうだB、C班?」
「『こっちも粗方殲滅し終えたわよ!』」
「『此方も今掃討し終えたでござるよ!』」
「そうか」
多少タイミングがズレて分散したもののきっちり連合軍とうちの嫁さん達が片を付けてくれたようだ。
だが…
「!?全機急いで下がれ!」
急に嫌な予感を感じた俺はすぐに全軍を下がらせる。
「『どうやら上級種がお出ましの様だね…』」
「何、上級フレイズだと!?…」
「『恐らく今回の事で結界の綻びが大きくなって出てきてしまったようだ』」
「グアアー!」
「『僕達も下がった方が良い!』」
「あ、ああ!…」
エンデの言葉に驚いていると彼が言った通りとんでもないサイズの鰐型フレイズが出現、そこでタイミング悪く機体の稼働限界が来てしまい急いでゲートで俺達は緊急避難した。
その直後、鰐フレイズはその大口を開けて光の奔流、つまりは大出力の荷電粒子砲を辺り一帯へと撃ち放った。
撃ち込まれた瞬間ドガガガッ!といわんばかりの轟音が鳴り渡り一辺焦土と化してしまった…。
そこから何機か奴にやられてしまったが最終的には生身で戦闘を行っていた冬夜がなんとか討伐した。
だがその前二度目に奴の荷電粒子砲が撃ち込まれた方向がある意味問題だった。