Side一誠
「ふう…これで今日の政務は終いかな」
新生・ラミッシュ教国ではラルスの存在は抹消され新たに冬夜が化けていた姿が光の神として崇め始められた。
癒着していたネスト司祭以外のラルス教団関係者は謎の男の介入により壊滅。
未だ謎に包まれた存在には西方諸国にも警告を促しておいた。
それから運動場の整備や大会の開催、布団に潜り込んできたユフィナと一悶着、婚約したシルエスカ姉妹の親類達への御挨拶、その母親に依頼された雪熊討伐の最中に偶然エンデと再会しフレイズの目的を聞いた後これ迄に討伐し保管していたフレイズの残骸を解析して判明したフレイズに有効打を与えられる「晶材」を確保したりと色々とあった。
本日は四つ目のバビロン探索にサンドラ王国の西の森を訪れていた。
孤島ともいうべき森の奥深くでバビロンへの転送陣を見つけ起動する。
転送が完了するとそこはこれ迄のバビロンよりもかなり広い事が分かった。
足を進めていく俺達だったが
「とあー!」
探索している途中茂みの中から何者かが飛び出してきた。
その手にパイプレンチを持ち振り翳しながら…って危ないなオイ!?
恐らくこのバビロンの管理人だな。
「スリップ!」
「ふぎゃん!?」
冬夜がスリップですぐさま対応し襲撃を仕掛けてきた管理人を転ばせた。
「な、中々やルじゃないか…此処は「格納庫」のバビロンだ!
新たな管理者として認めようじゃナイか!」
「「よっしゃあー!」」
格納庫!探し求めていた第一目標がようやく見つかり俺達は感激した。
此処が格納庫、レジーナ博士が開発したフレームギアが格納されているバビロンか!
元管理人フレドモニカ改めモニカに案内される。
モニカはハンガーで立ち止まりボタンを押す。
「あ、アレ?…ッのやろ!」
「ちょ、え!?」
だが長い年月を経て錆付いていた為か押されなかった。
それに憤怒した彼女は持っていたパイプレンチでボタンを強引に押し作動、ボタンは木っ端微塵に粉々だ☆
過激過ぎだろ…後で直しておこう。
まあともかくハンガーは開かれ其処には巨大な灰色の鋼鉄の西洋風な騎士が佇んでいた。
「こ、コレがフレームギア!…」
「感慨深いな!…」
「コイツは初期の旧型フレームギアだけどナ。五千年前のフレイズ野郎との戦争が続いていたら量産されていた筈のだナ」
このしっかりとした構造で量産型だと!?
博士の未知の技術力には流石に驚きの連続だ。
他にも機体はあるのかとモニカに聞いたらタイプ別に後三機格納してあるとの事。
指揮官機ともいうべき機体の設計案はあったもののフレイズの突如の帰還でお流れ、しかしその設計図は未だ発見出来ていない「蔵」の中にあるかもしれないとの事。
そして試運転してみようと思ったものの肝心の燃料である「エーテルリキッド」が空っぽでこれもまた見つかっていない「研究所」かもしくは錬金棟のフローラが製造法を知っているかもしれないとの事。
で早速錬金棟を訪れフローラに聞くと「エーテル鉱石=魔石」で生成可能だという事。
だがフレームギアを満足に動かせる量の魔石は手元に無かったので冬夜が埋蔵場所を検索。
公国の領内にも一ヵ所あったとの事で発掘に連日精を出すのだった。