彼は絆の繋がりで異世界で成り上がる   作:カオスサイン

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EPⅢⅩⅢ「教国の闇を暴け!PARTⅢ」

Side一誠

「何者だ!」

「ブリュンヒルド公国双王、一誠・ブリュンヒルドだ!」

「同じく望月冬夜・ブリュンヒルドです!」

「お願いします!どうか姉の処刑のとりやめを!」

「何?お前達がブリュンヒルド双王だと?…」

俺達はイーリスさんと共にフィリスさんを助ける為にラルス教団に足を運んだのだが…

「何を言うかと思えば教団の裏切者の妹がブリュンヒルド双王を連れてきた?

馬鹿の相手をしている程暇ではないとっとと帰れ!」

教団の護衛の聖騎士(笑)の男は全く相手にしようとはしない。

なので

「アンタじゃ全く話にはならないんだ。

ネスト司祭か教皇を呼んで来い!」

「!?」

魔王オーラを一瞬だけ出して聖騎士を怯ませる。

「何事だ!?」

「ぶ、ブリュンヒルド双王の名を騙る不届き者だ!

裏切者の身内もいるぞ!」

「!」

此奴等…まだそんな事を言うのかよ!

騒ぎを聞きつけてやって来た他の聖騎士達に俺達は方囲されてしまう。

此処迄話が通じないとは…実力を行使させてもらう!

「イーリスさん貴方は先に街に戻ってて下さい!

スリップ!」

「は、はい!」

「綴る!『氷の子よ雪の華よそなたの息吹を貸しておくれ小さな息吹で凍えさせておくれ【氷の息吹<ホワイトブレス>】』!」

「うべっ!?」

「う、うわあああー!?か、体が凍るー!?」

これ以上イーリスさんを巻き込む訳にはいかないので下がらせ、冬夜のスリップで滑らせた上に氷結の闇技で聖騎士達を凍り付かせる。

只手加減はしているので足元しか凍ってはいないが。

「この神聖なる教団の領域で何の騒ぎだ?」

「な、一体何事です!?…ってブリュンヒルド双王陛下!?何故此処に?」

ようやくあのズラ司祭ともう一人如何にも感じの悪い髭顔のおっさんがやって來る。

「何ブリュンヒルド双王だと?」

「さ、左様で御座います!…ゼオン枢機卿。

恐らくエリアス教皇様にお会いになられにいらっしゃたのでしょう」

「ほう…ならついてまいれ」

そう言って俺達は通される。

「私がラルス教教皇エリアス・オルトラでございます。

して本日はどの様な御用件で?」

「…」

ン?…教皇と名乗った高齢の御婆さんに俺は違和感を感じた。

此奴本当に本物の教皇か?

「此方の司祭であるフィリス・ルギットさんの処刑の即刻中止を申し上げたい!」

「何を申してくるかと思えば…他国の罪人への処罰に干渉してこようとはとても国王の行動だとは思えませんな」

教皇も全く取り合おうとはしない。

俺達はすかさず反論する。

「なら何故ラルス神は一足先に彼女に裁きを下さなかったのです?」

「それにヴァンパイアによるものとされる事件の被害者も随分と多いらしいじゃないですかそれは可笑しな話だとは思いませんかね?」

「…ラルス様は決して悪をお許しにはなりません。

被害者達もきっと何かしらの罪を重ねていたのでしょうからそれは天罰なのでしょう。

信仰深くあれば救いがあった筈」

駄目だ此奴等全く話にならない。

何が天罰だ!

「ふざけるのもいい加減にしやがれ!

そんなものはアンタ等にとって只の都合の良い解釈でしかない!

アンタ達は知っているんじゃないのか?ラルスなんて神は何処にもいない事をさ!」

「そうだ!一人の少女に無実の罪をも被せ処刑しようとするなんて神は神様なんかじゃない!」

俺達は我慢の限界を超え怒号を上げた。

「わ、我等の神を愚弄するか!?」

「なら俺達に裁きでもなんでも下してみろってんだ」

「出来るものなら…ね!」

「ええい、この者達をひっ捕らえよ!」

「「はは!」」

教皇?が聖騎士達に俺達を捕らえる様に命令する。

これで確信した。

「ラルス神に代わってアンタ自らは裁きを下さないのか?

いや下せないと言った方が正しいかな?

だってアンタ本物の教皇じゃないでしょ?」

「え!?」

「な、何を馬鹿な事を!?…」

「あれあれ?じゃあこの魔法符らしき物は一体何だ?」

「そ、それは!?」

冬夜も驚いているがそれ以上に本人は核心を突かれた表情をしていた。

俺は先程コッソリ【解呪ーディスペルフォース】をかけて偽教皇の護符を剥ぎ取っておいた。

「ふーん…どうやらあの戦争狂元将軍が使ってた吸魔の腕輪よりは遥かに劣るみたいだけど体に貼っておく事で魔法符自体に吸収した魔力を貯蓄させる物みたいだな。

でも何に使う気だったんだ?アンタは魔法が使えない筈なのに」

俺は他人に流れている魔力を感じ取れるようになっているので分かったのだ。

そして解析にかけた結果を告げる。

「か、返せ!…」

「おっと!こんなあからさまに怪しい代物素直に返す訳がないだろ。

まあ、良からぬ企みには間違い無いな」

俺は魔符をビリビリに破り去ってやった。

「ああ!?…な、何をしておる早くひっ捕らえい!」

「「は、はは!」」

「させるか!

綴る!【抑制の場<サプレッションフィールド>】!」

「「!?」」

偽教皇だと判明しても聖騎士達の態度は全く変わらず最早完全に乗っ取られていると確信。

すかさず綴り地面に拳を打ちつけ聖騎士と偽教皇の周囲に相手の力を抑制する限定結界を発動する。

力を抑制され満足に動けない彼等は無様に地に伏せられる。

「さあ、本物の教皇さんとフィリスさんは何処だ?

答えないと…」

「ひ、ヒイ!?…し、神殿内の地下牢に幽閉している…さ、さあこれで貴様等の罪を…」

「「まだ言うか!」」

「ぐびゅる!?……」

ショックボルトを撃つ構えで脅しをかけフィリスさん達の居場所を吐かせた後、又戯言を言い放ってきたので結局ブーストした俺達の渾身のダブルパンチを浴びせ気絶させた。

「急ぐぞ冬夜!」

「ああ!」

早急に囚われているフィリスさんと本物のエリアス教皇を救出する為俺達は地下へと向かうのだった。

 

 

 

 

 


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