彼は絆の繋がりで異世界で成り上がる   作:カオスサイン

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EPⅡⅩⅨ「帝都動乱PARTⅣ」

Side一誠

「娘共々助けてくれて本当に感謝してもしきれぬ!それになんだか体がとても軽い!」

翌日、体力を回復したレグルス皇帝が開口一番にそう言った。

あ、ダ・カーポをかけたから彼の病気迄治ったのか。

それを聞いたユフィナ達が部屋に入る。

「お初にお目にかかりますわレグルス皇帝陛下。

私はベルファスト王国第一王女ユフィナ・エルネア・ベルファスト。

此方は私の妹のユミナでございます。

「よろしくお願い致しますわ。

つきましては私達の父、トリストウィン・エルネア・ベルファスト国王との会談のご準備が出来ておりますわ」

「何?…」

「事はレグルス帝国だけの問題ではないと思ったので。

他に亡命出来る国があるならその後お送り致しますが?」

俺達が既に手紙で国王様達にも事態を伝え緊急会談が開かれる手筈が整わせていた。

たとえ現在は不可侵条約で均衡を保っている敵国といえども命を蔑ろにするような鬼ではないからな。

「…いや会談後もこの国に亡命させて頂こう」

との事なので俺達は早速国王様の下へ皇帝陛下を送り届けた。

その際、レネがキャロさんの亡くなった姉の忘れ形見かもしれないと判明したりもした。

会談終了後、俺達はバズール将軍を打倒し未だ囚われている騎士団の人達を助け出す為の準備を開始する。

あ、皇太子殿下はバズールに反抗する軍人さんの下に駆け込んで無事らしい。

まさか趣味で作っていたコイツが役に立つ時がくるとはな。

ふふふ!…

まずは反乱軍に対する正式な徹底抗戦の意思を示す皇帝陛下の声明動画をスマホで撮影しそれをレグルス中に流して一般軍人達の降伏を促す。

それでもまだバズールに従う者達は遠慮無くベルファスト騎士団とエルゼ達が殲滅した。

そして俺と冬夜は再び奴と対峙する。

「いけ!」

『グルアー!』

『主様達に危害は加えさせん!』

『我等を敵に回した事後悔するがいいわ!』

早速デモンズロードをけしかけてくるが琥珀と瑠璃の攻撃で取り押さえられ地面に崩れ落ちるる。

どうやら物理攻撃はデモンズロードには効くようで安心した。

「ナイスそこだ!」

『ギュアアー!?』

そこにすかさず冬夜が床にスリップ弾を撃ち込みデモンズロードを転ばせる。

「これで決める!アクセル全開!」

俺はDBS号の突撃でデモンズロードにトドメを刺した。

「き、貴様等一体!?…あれは上級悪魔なんだぞ!」

『我等は四聖獣だ!そして我等が主達はたかが悪魔の一匹如きに遅れは取らんわ!』

「四聖獣だと!?…ならば!」

デモンズロードを討伐した俺達を見てバズールは青い表情をしていた。

だがそれでも戦意の喪失は見せず瑠璃達を魔力吸収しようとする。

「させるか!」

「何っ!?…」

又召喚でもされたら面倒なので俺はすかさず奴の足元にゲートを発動。

ストレージからあらかじめ取り出しておいた例のガラスケースへと転送させた。

それにはある物がズラリと入っていた。

「こ、これは?」

「食い物だよ一応。

食えるものなら食ってみな缶切りならそこにあるから」

「フン!敵に施しを与えるとは愚かな…」

奴がその缶詰を食べようと開けた瞬間

「臭っ!なんだこれは!?うわ!何故手をつけていないものまで勝手に!?ぎゃあああー!?」

猛烈な悪臭がガラスケースに広がる。

すると開けていない筈の残りの缶詰が一気に開けられ奴はその匂いに悶えていた。

ガラスケースに入れてあったのはあの世界一臭い食物として有名な「シュールストレミング」の缶詰だった。

俺と冬夜はバズールに地獄を味合わせる為に缶が一つ開けられれば残りが一気に自動的に開けられるようにプログラムしておいたのだ。

一つでも物凄いのにこれが五十缶以上もあればその悪臭は計り知れない。

あ、俺達はちゃんと完全防護服着てるし他の皆にも渡してあるぜ。

皆に料理で出したら大不評を浴びましたすまん…でも美味いらしいよ?

「うぐぐぐ!?…」

遂に匂いに耐え切れずバズールは気絶した。

俺は魔法でガラスケースを完全脱臭した後、奴の着けていた腕輪を回収、破壊した。

このまま持っていてもいいのだが不要な警戒を呼びそうだからな。

今回の反乱の首謀者であるバズールが捕らえられた事で軍部は完全に崩壊しレグルス帝国には平和が戻ったのだった。

 

 

 

 

 

 


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