彼は絆の繋がりで異世界で成り上がる   作:カオスサイン

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一時間違えてインハンの方に投稿してしまっていました。
気が付いてよかった~!


EPⅡⅩ「黄金の瓢箪の脅威、そして覚醒!」

Side一誠

明智光秀が毛利軍に寝返りもう行動を起こしそうだという事を鳩姫さんから聞いた俺は驚いた。

まさか光秀が信永さんの暗殺をするように入れ知恵をしたのが毛利軍だという事に。

それよりも今は…

「我が軍の出陣準備は既に整っております!

ですが…」

「肝心の秀義さんがいない…か…」

「ええ…」

もうあれから大分時間は経っているから彼も此処へ戻って来て恩人のピンチの報を聞いている筈だ。

なのに何故未だに彼は姿を現さないんだ?

「ユフィナ、瑠璃!鳩姫さん達に協力して敵をなんとか足止めを頼めるかな?」

「ええ!」

『お任せ下さい!』

「イッセー殿はどうされるのですか?」

「俺は秀義さんを探してみるよ。

なんだか嫌な予感がしてならないんだ」

「で、ではどうか兄上の事をどうかよろしく頼みます!」

「了解した!」

「「どうか御武運を!」」

不吉な予感を感じた俺は光秀・毛利軍の迎撃にユフィナ達の加勢を頼み、一方で秀義さんを探しに城を駆けずり回る事にした。

だがしばらく城の半域近くを探したが秀義さんは見つからない。

城の周囲に居る筈ではあるのだが俺は直接会った事が無い為にマップ探知は使えずに途方に暮れていた。

こんな事なら鳩姫さん達の誰かとリコールしておくべきだったと後悔する。

困っていたそこに、PiPi!♪~

「ン?」

突然久し振りに神様から電話が入ってきた。

「はい?」

「『久し振りじゃのお、イッセー君!』」

「ええ、その節は本当にどうもです。

それで一体?」

「『おっといかんそうじゃった!

お前さんや冬夜君に緊急に伝えねばならぬ事があったのじゃったわい!』」

「緊急に伝えたい事?

もしやこの世界もしくは俺の世界関連ですか?」

慌てた様子の神様がそう話してくる。

「『少し正解じゃ!だがこれは又此方の不手際でもあるのじゃよ…』」

「それは一体?」

「『以前お前さんの弟を転生させた馬鹿者の事は話したじゃろ。

ソイツの部下だった従属神がそっちの世界に侵入して好き勝手やってしまっているんじゃよ…』」

「はあ!?…」

神様の言葉に俺は驚愕するしかない。

上司も上司だったら部下も部下という事か…。

「『阿奴は役職の無い下級の名も無き神ではあるが紛りなりにも儂等と同じ神じゃ。

もし遭遇したら油断せずに捕縛してくれぬかの?

こんな事を頼めるのはお前さん達しかおらぬのじゃ』」

「…ええ良いですよ」

「『おお!引き受けてくれるかの!

では正式なギルド依頼として此方で処理しておくとしようかの!』」

俺が快く引き受けると神様はそう言い通話を切った。

その直後、今度は一足先に銀月に戻っている冬夜から着信が入ってきた。

「何だい?」

「『従属神の事は僕もさっき聞いた。

ところでイッセー、お前はまだ羽柴領に居るんだろ?』」

「ああ、まだ当分そっちには帰れそうにはないが…」

「『そうか、ならちょっと探し物があるんだ。

頼めるかい?』」

「ああ、何だ?」

「『先日僕とリーンが遭遇した山本寛助が持っていた様なアーティファクト、それがもしかしたらそこにもあるかもしれないからもし発見したら回収してきて欲しいんだ』」

「なんだそんな事か、勿論良いぞ」

「『ありがとう!じゃ戻ってきたらまたな!』」

「ああ!」

冬夜にアーティファクト探しを頼まれる。

こっちはついでにやるしかないな。

今は一刻も早く秀義さんを探さないと…再開したは良いがナガハマ城には彼を見つけられなかった。

ならば後は…もしやと思い俺は羽柴が持つ最大の城であるオオサカ城を検索し其処に向かった。

歴史通りの黄金張りの城を失礼だとは思いながらも探索する。

「ン?…」

しばらくし俺はふとある場所へと目を止めた。

気配を感じた其処は大広間だ。

勢い良く襖を開けたその先には…

『む?…』

「…」

紛う事なき猿が寝転がっていた。

もしかしてこの人が秀義さんなのか?

だけど何処か違和感を感じる、一体これは?…

「アンタが秀義さんで合っている…んだよな?」

『かかか如何にも!このワシこそが羽柴筑善守秀義よ!

よくぞ此処まで来れたものよ!

どれ、ここは一つ褒美としてお主をワシの側近にし…』

「秀義さん、アンタも報を聞いている筈だ!

どうして未だに此処に居るんだ?!」

悠長に訳の分からない事を話す秀義さん?に俺は怒号を上げる。

ふと気付く。

秀義さん?が金色の瓢箪を構え彼の目が一瞬赤く輝いている事に。

『!?何故ワシの力が効かん!?…』

「?アンタまさか…秀義さんじゃないな!?

もしかして従属神か!

それとその瓢箪はアーティファクトだな!」

又意味不明な事を言うがそれで俺は彼が本物の秀義さんではない事に気付き正体を看破した。

何故なら神様には遠く及ばないが僅かに似た力を感じたからだ。

『何ッ!?何故ワシの事を知って!?…ハッ!もしやお主はあのジジィの使いか!?』

「一応そうなるな」

『だがいくらあのジジィが転生させたとはいえど所詮は人間の中では強いだけの存在の筈!…まさかあのジジィは一介の人間に神気迄をもを与えたとでもいうのか!?』

「神気?…」

慌てる従属神の呟きに俺は訝しむ。

あの神様の出血大サービス過ぎる精神には感服するしかない。

「従属神、もう一つアンタに聞きたい事がある。

もしかして山本寛助に不死のアーティファクトを渡し、信永さんを暗殺するように明智光秀や他の軍に仕向けたのはお前か?」

『そ、そうだ!』

「そうか…だが何故そうまでして信永さんの命を狙う?」

従属神は逃げても無駄だと悟ったのかペラペラと言い放つ。

そして俺は奴の次の発言でキレた。

『な、何が悪いというのだ!?あの男はワシが加担しなくともいずれは死ぬ運命ではないか!』

「それは俺の世界での歴史の過去の一つに過ぎない!

大体アンタとアンタに狂わされた寛助のせいで武田真玄が早くに亡くなってしまっているんだ!

これ以上この世界で今生きている者達の命を侮辱するな!」

奴の企みはこの世界で生きる者達に対する只の侮辱でしかない。

それがどうしても許せなかった俺は怒りに震えた。

すると…ドクンッ!ズキッ!

体に一瞬異変を感じ、頭痛のノイズに襲われる。

「…」

これは…これが神気なのか?

それに…

『な、なんだというのだ!?この神気は!?

それに魔力とも同調しているだと!?

神であるワシでさえもその様な芸当は困難なのだぞ!?』

「…教えてやろうか?」

そうだ…これは神様に貰った力でも神気でもない!

「思い…出した!…」

そう、俺は自分自身に秘められていた力と記憶の一部を思い出したのだ。

「出よ!ハクリガ!」

俺は召喚した青白の双剣「ハクリガ」に力を込める。

「信永さんの運命は俺が変えてみせる!

綴る!『冥界に煉獄あり 地上に燎原あり 炎は平等なりて善悪一切合財をを焼尽し 浄化しむる激しき慈悲なり』【天をも焦がす降魔の黑剣<クリカラ>】!」

『し、しまった!?…』

魔力と神気を織り混ぜ発動した自身の源租の業 光技<アンセスタル・アーツ・シャイニング>の術の一つを空に記し刻み詠唱しハクリガに纏わせ従属神を斬る。

クリカラのエネルギーを纏ったハクリガに斬られた従属神はその手に握っていた黄金の瓢箪を手放した。

偽者は倒れたかに見えた。

だが…

『く、糞っ!神たるワシが人間のガキなぞに!…こうなれば貴様には神罰をくれてやるわ!』

「ムッ!?」

何処か違和感を感じると思ったら瓢箪から奴の声が聞こえてきた。

そして瓢箪から老人が姿を現す。

まさかアーティファクトに身を隠していたのか!

『ワシの怒りを喰らえぇい!』

そう言って奴は全力で神気を撃ち放ってくる。

『どうだ!』

「フッ!何かしたか?」

『何だと!?ワシの撃った神気がまだ残留している!?一体何をした!?』

これには奴も驚く。

「上を見てみな」

『何!?…こ、これはワシの…ぬわああああー!?』

俺は咄嗟にゲートとアンセスタルアーツの一つである【移ろいの門<イレイティックポーター】を併用し奴の神気を死角に反射させたのだ。

物の見事に直撃し奴は真っ黒焦げになるがそれでもまだ立ってはいた。

だがもう奴に神気はもう残っていない筈だ。

「綴る『打開する意思よ 戒めの闇よ』【マインドビート】」

一応は反撃を防ぐ為に対の闇技の術で創り出した精神の鎖で奴を捕縛した。

その直後、突如何処かに転移させられた。

『ありがとうなのよ!あの無職のお馬鹿さんを捕まえてくれて』

『私からも礼を言わせてもらおう』

「貴方方は?」

二人の美女が現れる。

『ん?冬夜君から聞いていないかい?

私達も神だよ』

『私は花恋、恋愛神なのよ!』

『ちなみに私は剣神の諸刃だ。

よろしく兵藤一誠君』

「よ、よろしく…つかぬ事をお聞きしますが諸刃さんの苗字は灰村ですか?」

『ん?違うぞ?』

「あ、ハイそうですか」

大分メタ発言した俺だったが見事に予想は外れた。

その後、神様達にあまり地上で神気を行使するのはルール的にも世界の影響的にも不味いと注意されて謝罪、今後は控える事にした。

急いで駆け付けた俺とユフィナ達の健闘で織田への謀反を起こそうとした光秀・毛利軍を撤退させる事が出来た。

捕縛した従属神の爺さんはというと天界に強制送還された上ミジンコ等のほぼ他の生物の餌でしかない生き物への転生一億年の刑に処されたらしい。

まあ支極当然だな。

だが後々、関連する事件が起きるとは知る由もなかった。

 

 

 


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