彼は絆の繋がりで異世界で成り上がる   作:カオスサイン

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EPⅨ「実力と使い魔召喚と契約」

Side一誠

「本当に大丈夫なのか?」

「ええ、私達を甘く見ないで頂けますこと?」

「しかしいきなりグリーンランクの「キングエイプ討伐」を受けようなんて…」

「まあ、危険だと判断したら僕達が守ってやればいいんじゃない?」

「そうだな…」

ユフィナとユミナのエルネア姉妹がベルファスト王の命により花嫁修業の一貫として冒険に同行する事になりギルドの依頼を受注し森で魔獣討伐をしていた。

ユミナが武器屋で購入した連射性に優れた弓矢を構え、ユフィナは俺の魔法で造った双剣を手に取っている。

ちなみに余談であるが夫婦剣と云われている宝剣干将・獏耶にユフィナが物凄く食い付いてきたのだが今の俺の力では流石に伝説の宝剣を細部まで再現する事は困難を極めた為断念した。

「あ、ちょっとお待ち下さい。私達、召喚魔法を使いたいと思います」

「召喚魔法を?」

討伐に動こうとするとユフィナ達がそう言ってくる。

「ええ、キングエイプの様な魔獣は群れで行動する事の方が多いので使い魔で探し出す必要があります」

「そうかなら頼む」

よく知っているな。

俺も冬夜も了承する。

「「はい!『闇よ来たれ 我求むは誇り高き銀狼シルバーウルフ/清き美鳥キャモメール』!」」

「ワフ!」

「ピョル!」

「おおー!」

ユミナが五匹の狼を、ユフィナはペリカンとインコが合体したかのような小さな鳥を召喚した。

「貴方達お願いね!」

「ワフー!」

「ピョルル!」

ユフィナ達が指示すると使い魔はそれぞれ一斉に駆け出し飛び出して行った。

「あのさ、後で御教授願えないかな?」

「あ、僕もお願いしたいな」

「「良いですよ!」」

「ガウー!」

「ピョルピョルー!」

俺達が彼女達に召喚魔法の教授をお願いしている間に先程飛び出して行った使い魔達の鳴き声が響き渡った。

「あ!見つけたようですね!行きましょう!」

「ああ!」

討伐目標を発見した合図を受け俺達はその地点まで駆け出していく。

「スリップ!」

「そこです!」

「ウガッ!?……」

俺達の姿を見て飛びかかってこようとしたキングエイプの一頭を冬夜がスリップさせユミナが矢を射り当てた。

「お見事ですユミナ!さあ、私達も負けてはいられませんよイッセーさん!」

「OK!『雷精よ』!」

「『雷よ来たれ 白蓮の雷槍サンダースピア』!」

「「ウガァッ!?……」」

一方の俺とユフィナはショックボルトとサンダースピアの雷属性コンボで一気に殲滅していく。

だがそこにキングエイプの血の臭いに引き寄せられたのか一角狼の群れも現れる。

「リンゼ頼む!」

「はい!『炎よ来たれ 紅蓮の炎槍ファイアスピア』!」

「ガウッ!?……」

リンゼの炎魔法で駆逐する。

「ブースト!てりゃあ!」

「やあっ!」

「お疲れ様!」

一角狼を駆逐し終えた所でエルゼと八重が残存していたキングエイプを倒したのだった。

ユフィナ達の実力測りとギルドへの依頼達成報告を終えた後、俺と冬夜は約束通り召喚魔法を教えて貰い発動していた。

「『闇よ来たれ 我求むは…』!」

『我を呼び出したのはお主か?』

魔法陣の向こうから巨大な魔獣の影が出てくる。

がユフィナはその魔獣を見ると立ち竦みそうになっていた。

「む?!…」

「間違いありませんこの強大なオーラといい威圧感といい…気を付けて下さいイッセーさん!

これは只の魔獣ではありません!

恐らく最高峰の力を誇ると云われている伝説の神獣の中の一体、ドラゴンの王と謳われる<蒼帝>だと思われます!」

「ドラゴンの王だって?!…」

『そうだ!我こそが龍の頂点に君臨せし蒼帝よ!人間、我との契約を求めるか?』

まさか呼び出したのが俺に所縁のある龍王の一体だとは流石に予想外であった。

だがこれは必然だったとしか思えない。

「これは凄いですよ!…ですが慎重に…もしも使い魔契約の条件が満たせなかったら二度とその人の下には現れなくなりますので」

「あ、ああ…俺は兵藤一誠だ。

お前と是非共契約を結びたい!一体どうすれば良いんだ?」

ユフィナはまだ龍のオーラに慣れきっていない表情でそう説明してくる。

『第一条件としてお主の魔力資質と量を見極めさせてもらう。

生半可な魔力では此方の世界で存在維持が出来ないのだからな。

しかし…なんだこの不思議な感じは?…まあいい…面白い!さあ我に触れて魔力を注ぐのだ!』

「分かった!」

言われた通りに龍王に触れて魔力を注ぎ込む。

すると

『ムゥッ!?…なんだこの溢れ出さん限りの魔力量は!?…ストップ!ストップだもう良い!』

「おっと?!…」

なんだかちょっとやばそうに感じた上本人も止めるように促してきたのでそこで魔力の放出を止めた。

『ふ、ふう…もうちょっとで過剰な魔力に充てられて気を失ってしまう所でありました…ですが我が主にふさわしきお方とお見受け致しました!』

「それならよかった!」

『ですがもう一つお願いがございます故…どうぞ私めに主からの名を頂きとうございます。

それで主従契約は成立となります』

「ふむ…」

龍王にお願いされ俺は思案する。

「ならさ、瑠璃っていうのはどうだ?」

『ルリ…ですか?』

「ああ、俺の国の文字だと王の意味があり青(蒼)の意味もあるお前にピッタリな名前だと思うんだがどうだ?」

『…良い名だと思います。では私はこれからは瑠璃として主イッセー殿にお仕え致します事を此処に誓います!』

「おう、よろしくな!」

俺と瑠璃の間に無事使い魔契約が結ばれた瞬間だった。

『あにゃあああー!?…』

『今の声はもしや!?…』

「ああ、冬夜の方だな。知り合いなのか瑠璃?」

『奴とはちょっとあってな…よもやあ奴と同時に召喚されるとは…主も主の友も一体何者なのだ?…』

冬夜が召喚したのは瑠璃と同じ神獣の一体である白帝こと琥珀だった。

この世界に滞在する為に大蜥蜴・仔猫サイズの大きさになった瑠璃と琥珀だったが琥珀がそのせいで猫と間違えられエルゼ達に思いっ切りモフられていた。

う、羨ましいだなんて思っていないぞ?

『何故あ奴だけが特に気に入られているのだ?…』

ふとそんな事を思っていると瑠璃も自分と琥珀の扱いの差に異議を申し立てていた。

『た、助けて下さーい!』

本人はそれ所ではなかったようだが。

 

 


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