亜人差別主義者達による国王様暗殺未遂&王宮襲撃事件から翌日
Side一誠
「うん?…うーん?…」
「ううー~ん…」
「ヘッ!?…」
俺は目覚めてすぐに目の前の状況が可笑しい事に気が付く。
ええっと思い出せよ…確か冬夜と一緒に老害共を片付けて…すっかり陽が落ちていたから国王様に事件解決のお礼と称して王宮に泊めて頂いてもらって…でも俺は客室で一人で寝ていた筈だ…なんで布団の中にお姫様の一人が?…
「ふわあ…あ、おはようございます!イッセーさん!」
「ななな!なんで君が俺の布団の中に!?…」
「えっと…ダメでしたか?…」
「う…」
上目使いでそう言ってくるお姫様に対し俺には反論の余地がない。
「それで…なんでまた布団の中に?…ええっと…」
「あ、そうでしたね。
私はユフィナ・エルネア・ベルファスト第一王女です。
今後ともよろしくお願いしますね!」
「お、おうよろしくな!…」
じゃあもしかしなくても冬夜の方を見ていた娘が第二王女なのか。
それにしても…ユフィナの体つき凄く良い!
とても幼いとは思えない豊満な胸、肉付きの素晴らしい事!
俺は思わず食い入るように視線を逸らせなかった。
変態ですんません!
「そ、それと私が布団に潜り込んでいた件ですが…後のお楽しみです///」
「…」
ユフィナは俺の視線に気が付いたのか顔を赤らめながらそう言った。
まさかな…はは、俺の気のせいだよな?…
そんな俺の予感は後に的中する事となる。
~王宮 王の個室~
「此度は二度もそなた達に救ってもらった!
改めて礼を申し上げようではないか」
「私からもなんとお礼を申し上げたら良いか…」
「ど、どうかお気になさらないで下さい王様も王妃様も!」
「そうですよ!俺達がやりたくてやっただけなんですから!」
「う、うむしかしそれでは私らの気がな…」
「ホントに気にしないでいいですから!
そ、それで捕縛者達の処遇はどうなったんしょうか?」
王様と王妃様に再び頭を下げられ俺達は慌てて上げるように言うと彼は渋々上げる。
「うむ、バルサ伯爵以下襲撃者以下二百一名は国家反逆罪による財産没収の上に処刑、親族については国外追放処分を言い渡した。
まあ彼等も亜人差別主義者達だったから丁度良いみせしめにはなったであろう」
「…」
妥当な処分だと思う。
あの老害共は他人を傷付ける事しか能の無い下らない御託を並べてベルファストとミスミド二ヵ国の転覆を目論んでいたのだから当然の報いだな。
「「お父様、お母様!是非共聞いて頂きたい事がございます!」」
話を終えた直後、ユフィナ姫様達が入ってきてそう言ってきた。
ンン?…
「む?良いだろう話してみなさい」
「私、ユミナ・エルネア・ベルファストと」
「ユフィナ・エルネア・ベルファストは」
彼女達は口を揃えてこう言ったのだ。
「も、望月冬夜さんとのお付き合いをさせて頂きたく…///~」
「もうユミナったらはっきり言わなくちゃ駄目ですよ?
あ、私は兵藤一誠さんと御婚約を前提にお付き合いしたいのです!///~」
二人は恥ずかしがりながらそんな事を言ったのだ。
「「え?…はあああああー!?」」
一瞬、何が起きたのか分からなかったがそれを理解すると俺達は驚きの言葉しか出なくかった。
それからというもの何故かトントン拍子に婚約の話が進み気が付いたら姫様達が冒険に同伴する事になっていた。
~銀月亭にて~
「中々帰ってこないと思ったらアンタ達一体何やってんのよ…」
「…へ、へー…婚約前提のお付き合いですか…そうですか…」
「嘘でござるよな?…冬夜殿…」
「ははは…」
「僕には何がなんだか…」
ン?冬夜は八重にも惚れられているという自覚が無いのか?…
まあ人の恋路に突っ込む気はないがこのままではな…。
心なしか俺はエルゼ達の視線が怖いんだが…。
「ちょっと私達でお話しませんか?」
「え?良いけど…」
ユフィナが気をきかせてくれたのかエルゼ達を連れて話をしに行った。
Sideユフィナ
「何、話って?」
「エルゼさんとリンゼさんでしたっけ?
失礼だとは思いますが単刀直入にお訪ねします。
お二人はもしかしてイッセーさんの事がお好きなんですよね?」
「「ふえ!?…///」」
私がお二人の事を聞くと途端に恥ずかしそうな表情をする。
「ふふ、やっぱりそうでしたか」
「な、何が言いたい訳?!」
「ううう~…///」
「そんなに警戒なさらなくてもよろしいんですよ。
少なくとも私だけを選ぶとは限りませんよイッセーさんは」
「そ、それってどういう?…」
「そのままの意味ですよ。
だからまだ諦める事はないですよ」
「「…」」
「後悔の無い選択を願います」
私の力、ユミナよりも強い魔眼が視せた彼の人としての性質には今迄に感じた事のなかった強く惹かれるものがあった。
一部靄がかかっていて視えなかった部分…恐らく彼の負の感情が覆い隠しているのだろう。
だがそれ故に他人の痛みをも抱えようとする彼の弱さであり強さの根源が介間視えた。
彼の唯一の存在にはなれなくとも傍で支えていきたいと思えるようになった。
だからこそ今の状態では幸せにはなれないだろうと思いお二人に話をした。
後は貴方方次第です。