戦紀絶唱《SIN》フォギア   作:星屑英雄

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運命は青年と雪の音色を引き合わせる

この会合が生むのは 希望か

それとも――――


無印開始
8話 会合の装者


 俺俺、俺だよ俺、小日向遊策だよ!

 

 色々あったライブ事件から2年とちょっとが経った。

 俺は今では、中学とは別の町にあるリディアン音楽院付属高校(男女共学)に通ってて、妹と妹分の二人は私立リディアン音楽院高等科に通っている。

まあ、俺19歳だけどな!! ……仕方なかったんだ!! だから、そんな蔑んだ目で見るなァァァァ!!!

 

と、まあ、それは置いておいて……

 それにより寮通いになったので、別の寮の二人とは離れることになった。まあ、週に一度は、お好み焼き屋のフラワーでバッタリ会ったりしているので寂しくはないが。

 

 ちなみに、今でも響に避けられている。

 

 なんで!? はぁ、どうやら、時間が解決してくれる問題ではなかったらしい。バナナでつれねーかな……アホじゃあるまいし、ダメか……

 

と、まあ、そんなこんなで元気でやっている。問題は解決してないけど……

 

 そうそう、ところでこの町、ノイズ被害が多いのだ。町を歩けば、一ヶ月に1回くらいの頻度でノイズがやってくるのだ。

 

で、何でこんな話をしたか? 

 

 察しのいい人ならわかると思うが、只今、現在ノイズの襲撃を知らせる警報が頭上で鳴り渡っている。人が歩けばノイズにあたる、と。うん、実にありがちなパターンだね。

 

 ノイズ出現に対し、俺は避難民とは逆の方向に突っ走っていた。ノイズ警報が聞こえなかったり、逃げ遅れた人がいないかを探すためにだ。

 何でそんなことをしているかって? あのライブ会場での事件を皮切りに、自分にできることをしようと思い、こうやって逃げ遅れた人がいないかを毎回見るようにしているためだ。

 

「ママ、ママどこ? ママ~」

 

 いた、6歳くらいの男の子だ。多分さっきの警報の折にシェルターにどっと人が押し寄せていたので、そこで母親と逸れたのだろう。

 俺はすぐさま駆け寄り、その子の手を握る。

 

「大丈夫? ここは危ないからお兄さんとシェルター行こう!」

 

「えっ、でも、ママが待ってなさいって」

 

「多分、お母さんもシェルターにいるよ、だから行こう!!」

 

「知らない人についていっちゃだめって、ママが……」

 

 えー、教育がちゃんと行き届いてるなぁー……めんどくせぇ!! 感心するけど、緊急時にこれはめんどくせぇ!!

 

「わかった、なら君が俺についてくるんじゃなくて、俺が君についていく。それで、一緒にお母さん探そっか? それならいいだろ?」

 

「うーん、それなら大丈夫!! わかった!」

 

 うーん、さすがにここまでは教育できていなかったらしいな……チョロイぜ、と思いつつゲス顔をしながら、歩き出したが偶然コンビニに奴等がたむろっていた。

 

 そう、ノイズの軍団だ。

 

 ……つーか、コンビニにたむろするとか、お前らあれか、一昔前の不良か。

 

せまる~ノイズ~、殺戮の集団~♪ 我等を狙う~、色んな影~♪

 

とか何とか歌っている場合ではない。こちらに気づき、追ってきた。

 

「っつ!? 逃げるぞ!!」

 

「あいあいさー!」

 

 少年の手を握り、走り出す。必死に逃げるが、如何せん少年は6歳くらいだ。すぐに限界が来る。

 

「あっ」

 

 転んだ。手を咄嗟にぐいっと引っ張り、俺は少年を抱える。そのまま、100m9秒フラットの速さで走り出し、ノイズを振り切ろうとする。

 グングンと距離を離すことが出来た、が、しかし、なぜかは知らないが回り込まれてしまう。どんどんと追い込まれ、ついには周りがノイズだらけになってしまった。

 

 俺の腕の中にいる少年が怯えた様子で俺に大丈夫か聞いてくる。

 

「お、お兄さん、ぼくたちどうなってしまうんでしょう?」

 

「大丈夫だ、君だけは逃がして見せるから、お兄さんに任せてしっかり捕まっていてくれ」

 

 一か八か、自らノイズたちのいる方に踏み込み襲い掛かってくるノイズをすべて見て避けるという賭けに出ようとした。

 

 その時、一発の銃声が聞こえる。その銃声によって、俺に向かってきていたノイズが打ち抜かれ、炭へと変わる。

 

 そして、フワリとスカートを揺らし、赤の少女が俺の前に降り立った。……あっ、黒。

 

 ……俺はさっき見た光景を忘れるべく首を振りつつ、俺の前の少女に声をかける。

 

「君は……?」

 

「っは、あたしのことはどうでもいい。今、大事なのはその子のことだろ? まあ、安心しろ、このあたし様がいるからな!!」

 

 赤色の少女が俺と子供をかばいつつ、ニヤリと笑いノイズに銃を向け宣言する。

 

「さぁて、蜂の巣になりたいのはドイツからだ?」

 

 これが俺とシンフォギア装者との――――雪音クリスとの出会いだった。

 




真ヒロイン降臨!!
あ、違った。新ヒロインだったぜ……

それと、クリスの黒いあれの事ですが、主人公が勘違いしてるだけです。
黒いレオタードを黒いあれと勘違いしてます。

ほら、クリスのシンフォギアは一期ではスカートっぽいじゃないですか。

勘違いを訂正する人もいないので、一期終了後の特別篇でそこら辺は書こうかなと思っているので、少々お待たせしてしまうことになりますが、お待ちください。

それではまた次回!!



一日遅くなりましたが……

マリアさん、誕生日おめでとうございます!!

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