月のバーサーカー ローラン   作:チーバ君

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エリちゃんは本当書きやすいなと。
もっと出したい。



勇者エリザベート

逆行運河/原初黎明

 

 

 

BBに対抗できる唯一の方法、それは『十の王冠』と同格の力、ローランの『神話礼装』を解放することだった。

そのためにはローランの電脳体に浸入しなければならない。

そしてその際の護衛として、凛が助っ人を用意してくれるという。

だがーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「問おう、貴方が私のマネージャー?」

「売り出し中アイドル、エリザベート・バートリー、アンコールに応じて参上したわ!」

 

 

 

凛が用意した助っ人とは、よりにもよってエリザベートだった。よりにもよって。

何度も出てきて恥ずかしくないのだろうか。

 

「ちょっと、何よその反応は!」

「アイドルを貶すのはやめなさいよね!」

「そもそもあなたのサーヴァントの方がよっぽど恥ずかしいわよ!」

 

『こふっ!』

 

『バーサーカーさんのバイタル急変!危篤状態です!』

『まずいわ、白野の精神体まで消滅しかねない!』

『白野、フォローをお願いします!』

 

こら!エリザベート!

ローランは傍若無人にみえて周りの反応とか割と気にしてるんだぞ!

心は硝子なんだ!

 

「嘘でしょ!?人前で裸になってたのに!?」

 

ほら、謝って、早く謝って!

 

「なんでよー!?私が悪いの!?」

「私なんて散々セクハラされたのよ!?」

 

『俺なんて……俺なんてどうせ……』

 

しっかりしろローラン!傷は深いぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『すまん、落ち着いた』

 

『バイタル、正常値に戻りました』

『はあ……一時はどうなることかと思ったわ』

『危うく世界の危機でしたね』

 

まったく、エリザベートのせいで世界が滅ぶところだったじゃないか。

一体何しに来たんだお前。

 

「私が悪かったわよ!ごめんなさい!」

「はい、これで満足!?」

 

エリザベートは涙目だ。

本当にこんなサーヴァントが護衛で大丈夫なのか?

とても頼りになるとは思えない。

 

「…………ぐす」

 

……まあ、強力なサーヴァントだというのは、今までの戦いで身に染みている。

その残虐性にしても、敵ならば恐ろしいが、味方ならば心強い。

 

(パァァァ……!)

「そうよ、分かってるじゃない!」

「さあ、指示を出しなさい、マスター?

私のステージ、特等席で観せてあげる!」

「まずは前座、ザコエネミーから蹴散らしていきましょう?」

 

チョロい。

 

だが肝心のエネミーが見当たらないのだが。

 

『ああ、エネミーは消しておいたから。

そのままスムーズに奥まで行けるはずだぞ。あとエリクサーとか用意しといたから、遠慮なく持って行ってくれ』

 

「どうやったの!?」

 

『こう、気合いで』

 

なんでもありか、こいつ!?

 

「ちょっと!いきなりサビを歌えっての!?

「曲にはイントロとかaメロが必要なのよ!

 

エリザベートの言う通りだ。

ローランの言うことが本当なら私達は前準備なしでローランの根源と戦わないといけないということだ。エリザベートとの息を合わせるためにも、練習台としてエネミーがいた方が良いと思うのだが。

 

今すぐに最奥まで行くのは反対だ。

 

 

 

「それに、まだ心の準備も出来てないのよ!」

「あなたの神話礼装だって、どうせ全裸なんでしょう!」

 

よし行くぞ、早く行くぞ、今すぐ行くぞ!

早くしろエリザベート!

 

「子リス!?どうしたの急に?なんか鼻息荒いわよ!?」

 

そんなことはない!私は完璧に冷静だ!

 

「嘘おっしゃい!」

「私知ってるのよ、その顔!生贄の少女を目の前にした時の私もよく同じ顔してたもの!」

「ちょっとバーサーカー!なんとかなさい!」

 

『心の中に誰かを招き入れている……心の隅々まで……曝け出している……つまり今の俺は何もかもを曝け出している……?……っは!これも露出といえるのでは!?』

 

はあ……はあ……ぐへへ。

 

『露出……裸……何もかもを曝け出している!』

 

「もう駄目だわこいつら!?私がしっかりしないと!」

 

『エリザベートさん、お願いします!』

『頼むわよ、エリザベート!』

『責任重大ですね』

 

「世界の命運は、私にかかっているのよ!」


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