「何よ!生娘で何が悪いのよ!純潔は守るものでしょう!?」
エリザベートSG 純潔
エリザベートの最後の秘密は暴かれた。
彼女を守るものはもう何もない。
あとは彼女自身を打ち負かすだけなのだがーーーーーーーーー
「その前にエリザベート、お前に伝えたいことがある」
バーサーカーが前に出る。
もうこの先の展開は読めている。
どうせ脱ぐんだろ、はやく脱げ。
「エリザベート・バートリーーーーーーー」
いつまでもお前に振り回されたままだと思うなよ!お前の行動は予測済みだ!
「ーーーーーーー結婚してください」
予測するだけ無駄だった。
「はへーーーーー?」
「万人を魅了して止まないその端麗な美貌!加えて、未成熟ながらも華やかで美しい肢体は完璧な黄金比を備えている」
「それだけではない!」
「竜の娘という属性が表す通りの角と尻尾!人外っ娘というのだったか?俺の下半身にビンビンくる、正直たまらん!」
「そして何よりも、俺が最も惹かれるのはその声だ!美声であることに加えて、なんというか、こうーーーーーー懐かしい感じがすると言うか。
とにかく!俺にとって完璧な声なんだ!毎日俺のために歌を歌ってくれ!」
「なーーーな、な、な」
エリザベートは真っ赤になって慌てふためいている。
少し前まで私に懸想していたというのに、なんてチョロさだ。
それはともかく、若干セクハラが入っていたが、バーサーカーのこれは紛れもないプロポーズだ。
エリザベートはどう答えるのだろうか?
バーサーカーは返事を待機中だ。土下座で。
「なんて綺麗なDOGEZA!?」
エリザベート、紳士が土下座してるんだ、返事を。
「プロポーズされたのなんて、初めてだし……。今すぐ返事を出して欲しいって言われても、困るっていうか……」
「で、でも改めてよく見てみるとコイツ、ルックスは良いのよね。理想の騎士、王子様って感じで。生前は実際に騎士だったって言うし……」
「私の真名を知っても、私を怖がったりしなかったし」
「あら?もしかしてーーー断る理由なくない?さすがにいきなり結婚はアレだけど、その、お友達からならーーーーーー」
「いや、ダメよエリザ……!アイドルである以上、誰か一人のものになるわけにはいかないのーーーーーー!」
返事は早くしてくれないだろうか。
バーサーカーは土下座で返事を待機中だ。全裸で。
「きーーーーーーきゃあああああああああ!」
「いつの間に脱いだの!?ていうか何で脱いでるの!?」
「恋とは貞淑で清いもの。
だが一時の気の迷いで、恋は淫らに燃え上がる、乱れて激しく燃え上がる。一夏の思い出、一夏の過ち、真夏の夜の夢!そう、禁断の果実を口にしてしまったアダムとイヴのように。恋人達は、いつまでも清いままではいられないのだ!」
バーサーカーが立ち上がる!
「いやあああああああああ!!!???何、何立ち上がってるの!?」
「せめて前は隠しなさいよ、ヘンタイ!」
……エリザベートも言ってたが、コイツ見てくれは良いんだよな、見てくれは。それを帳消しにして余りある程、壊滅的な趣味があるというだけで。
「子リス!何頬染めてガン見してんのよ!」
か、勘違いしないで欲しい。これは男性の身体がどうなっているか、学術的な興味があるだけで、不純な動機など一切ない。
それに、年頃の女の子としては、異性の身体に興味を持つのは寧ろ当然のことだ。
私は何も悪くない。
「何開き直ってるの!?そんなことどうでもいいから、コイツを止めなさいよ!コイツ、あなたのサーヴァントなんでしょう!早く私を助けてよ!」
無茶言うな。この状態のコイツは何を言っても聞かない。令呪を使っても止められない。大人しく餌食になってくれ。
「なんでよーーー!?見捨てないでーーー!!」
「恋とはこれすなわち、誤り、間違いを犯すこと!さあこの手を取れ、エリザベート!共に行こう、エデンの園へ!そして過ちを犯そう!寧ろ犯す!それでお前は処女を卒業出来る!俺は念願の恋人をゲット出来る!まさにwin−winの関係だ!」
「行くわけないでしょおおおおおお!!!??。」
「おまわりさんこいつでーす!ここに全裸でセクハラしてくる男がいま〜す!」
「覚えてなさいよ!このヘンタイ、ヘンタイ、ヘンタ〜〜〜イ!」
「あっ!待て!」
エリザベートはそのまま自らのレリーフが埋め込まれた壁をつくり、その中に引きこもってしまった。
「また……フラれてしまった……」
「ヌヲーーーーーーーーー!何故だ、何故いつもこうなるんだ!」
いや、考えずともわかるだろ。
「……しまった、アイドルは恋愛禁止だったか」
そこじゃない。問題はお前にある。
「……やっぱり、脱いだのがダメだったのか?」
やっぱり自覚あったのか。そこさえ直せば交際相手の一人や二人、すぐに見つかるんじゃないか?お前、見た目はイイんだし。
「俺に死ねと!?」
脱がないと死ぬのレベルなのか、お前……。だが、そこを直さない限り、恋愛は無理だろう。
「くっ……。どこかに俺の趣味を受け入れてくれる女性はいないものか……」
いるわけないだろ。
いるとしたらそれは、お前の露出癖が霞むくらいのヒドい性癖を持つど変態に違いない。
「あっはっはっは。マスター、自分で言うのもなんだが、俺以上のど変態なんてそうそういないぞ?それが女性ならなおさらだ」
それもそうか。
いるわけないよな。
あっはっはっは。
CCCのエンディングまでは書くつもりです。