緋弾のアリア~スキャッグスの名をもつ原作ブレイカー~   作:シャラシャラン

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遅くなったな、すいません
毎度のこと very sorry


第三十八話 可愛い辻斬り

 

 

 

今日は何もない一日だと 思ったのに。

なのに、何故こんな子が来るのだ。

 

 

「私を弟子にしてください!!」

 

 

帰って下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは数日前の事。

 

強襲科でのことだった。

 

「ちょっと筋がいいやつおるんやけど、ちょっとした問題児やねん。頼んだ」

「仕事しろよ、教師だろ」

 

生徒の面倒もちゃんと見ろよ。

ちゃんと言いたいが、言っても無駄である。一応見に行ってみるか。

 

 

 

そう思い中等部の子に会いに行った。

彼女の名前は魂魄妖夢というらしい。がっつり東方ですね。剣士だそうだ。ランクはB。本来ならBどころかAランクを獲得できるらしいのだが人格などに少々問題があるらしく、ランク昇格ができないらしい。

 

「何が問題なんだ?」

 

魂魄の問題点はなんでもかんでも斬ってしまうことらしい。

それはなんとかなるのでは?と思ったが、結構重症らしい。

 

「なんとかできないでしょうか?」

「……」

 

自分でなんとかしてください、なんてことは言えない。

ここで見てやるのがカッコイイ先輩だ。

 

「とりあえずなんで切ろうと思うんだ?」

「……そうすればわかるから?」

 

なんでそこで首をかしげる。自分のことだろ。

どうにかするには時間がかかりそうだ。

 

「まずお前の危険度をしりたい。なんでもかんでも斬るのはよくない、それに間違ったら相手を殺してしまうからな。とりあえず一戦やるか」

「え!?」

 

すぐに妖夢は刀を掴むがガタガタ震えている。

 

「そそそそんな。あの恐れ多いスキャッグス家の人と戦えるなんて、いえいえそんなことしたら私死んじゃいますよ!?」

「嘘つけ」

 

ものすごく嬉しそうだぞお前。

顔がにやけてるし刀をもっている手がブルブルしているぞ。ちょっと落ちつけよお前。いくらなんでもそれおかしいだろ。

 

「いいんですね!本当に一戦交えてくれるんですよね!?」

「お、おう……」

「ヒャッハ――――――――!!」

 

「!?」

 

妖夢は剣を抜きすさまじ速度で迫ってきた。

これは、速い!

すぐに頭を切り替え体をマトリックスのようにひねると刀が頭上をとおる。良い筋してる、そして何より速い。これは確かに力だけだったらAランクだな。

 

「ハッ!」

 

魂魄は刀を落とす。

どうやら正気に戻ったようだ。

 

「わ、私また……」

 

そしてぽろぽろと涙を流し始めた。

これは重症である、俺になにかできることがあるのか。

恐らく無いだろう、ってかあるのか。

 

「も、もう駄目だ……私なんか……」

「ウワ―――――――――!!」

 

魂魄が突如刀の切っ先を自分に向けた。

 

「ちょ、落ち着け!!」

 

俺は魂魄を後ろからつかみ刀を取り上げる。

いったい何をするつもりだこの子は。

 

「返して下さい!も、もう私なんてダメな子なんです!」

「大丈夫だから」

「これを大丈夫っていうんですか!?」

 

涙ぐんで魂魄は叫ぶ。

目のハイライトが消えている。

 

「お、おれがなんとかするから!!」

「えっ!?本当ですか!?」

 

魂魄は目に色が戻る。

よっぽど嬉しいのか、それより今俺ものすごく無責任な発言をしてしまったか。

 

どうしようか、改めて考える。

魂魄は刀を振り回すのが好きなのだろうか、それとも辻斬りというか物をなんでもかんでも斬りたい人なのだろうか。

どうであれ。

 

「刀は没収」

「!?」

 

魂魄が絶望した顔でこちらを見る。

おそらく刀が無ければ斬ることだってやめるだろう。

我ながら良いアイデアだと思う。

 

その後刀を返してくださいと泣きながら駄々をこねていた魂魄をなだめて家へと帰る。もちろん刀も一緒に持って帰るが、魂魄は刀の事が心配なのか寮までついてきたのだ。

 

「だ、誰ですかこの女は!!」

「はわわわわ!?」

 

黙れ椛、いいから落ち着け。刀を降ろすんだ。妖夢お前もだ、俺から刀を奪おうとするな。そんな椛の頭を撫でて誤魔化し妖夢と共に部屋に入る。

 

「私の刀を返して下さい!」

「まぁまぁ、落ち着けってかなんでそこまでこの刀を大切にするんだ?」

 

俺は刀の鞘に花がくくりつけてある刀と短い方の刀を見る。どうやら大切な物らしい。

 

「私の師匠であるお爺さんから受け継いだものだったんです」

 

なるほど。

それはかなり大事だな。ちうか大事にしなければいけないな。俺も父さんからもらったスキャッグスのペンダントも肌身離さず持っているしな。

 

「だから返して下さい!」

「だが断る!!」

「なんでですか!?」

 

妖夢は机をたたく、お茶が入ったカップが一瞬宙に浮く。

理由は至って簡単。

 

「斬られたくないもん」

「う……」

 

どうやら反論できないようだ。

そこは反論してでも自信を持ってほしかった。

 

「とりあえず今日は刀無しにしよう。まず斬る事を忘れろ。刀さえなかったら大丈夫か、どうかはわからんが辛抱しろよ」

「そ、そんな―――――!!」

 

「とりあえず今日は帰れ。これはお前の為でもあるんだぞ、わかったか?」

「うぐ……わ、わかりました……」

 

妖夢はゆっくりと立ち上がり玄関へと歩いて行った。

俺は玄関まで見送ってやった。

 

扉を閉めて鍵を閉める。

これでなんとかできるか、それじゃあ――――――

 

 

―――――――この刀を調べるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ついに…………


つ・い・に!!


金剛ちゃんをゲットしたぜぇえ!!
ついでに霧島ちゃんもだ!!
これで不幸戦艦二隻両方からさらばだぜ!!




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